ちょっとした会話が、ちょっとした何かを変化させる
昨晩は寒かったので、布団をもう一組出して二重にして眠った。部屋の真ん中に置いてあったテーブルをずらすと、その下にはほこりが積もっていた。昨晩買っておいたものを食べて朝食にする。
近くの森林公園を歩く。お金もかからずローインパクトでいい。ルートのわきに罠のようなものをいくつも見かける。公園のおじさんに聞くと、マングースを捕獲するためのものらしい。天然記念物のヤンバルクイナを襲うからだそうだ。おじさんは、ルートに迷っていた自分たちに、軽トラを止めて道案内をしてくれた。「看板にちゃんと書いとけばよかったな」とおじさんは言う。こういうちょっとした会話が、ちょっとした何かを変化させるのだ。当たり前のことだけど、旅行中はそんなことを意識してしまう。
宿を出て、道の駅に寄ってから、日本ハムの2軍のキャンプを見にいく。バックに山が見えるのどかな球場だ。スタンドに座っている人の会話を聞いていると、野球自体をあまり見たことがない様子で、基本的なことを質問している。そんな人が見物している感じがいい。街にサーカスがやってきて、珍しいので練習を覗きに来たような。プロ野球球団もサーカス団も同じようなものかもしれない。
南下して、西に突き出た本部半島のほうへ。途中の海岸脇に車をとめて、小さなビーチでサンゴのかけらや貝殻を拾う。海を挟んだ向かい崖に防空壕跡のようなものが見えた。中国人か台湾人のカップルも同じようにレンタカーをとめてビーチを散策していた。ビュースポットとして有名な橋を見たあと、そこにあった看板を見て、「愛楽園」というハンセン病の施設に行ってみる。展示室があり見学できるようになっている。
それから今帰仁、本部とドライブして、予約していた名護市内の宿へ。ワンルームアパートの部屋貸しのような宿。サイトに明記されていない駐車場代を請求される。ここも管理人は外国人で、なにか問題が持ち上がれば本部に連絡する体制のようだ。
役所離れした建築の名護市役所を見物したあと、同行人がリサイクル雑貨屋でマグカップなどを購入。宿では食器も有料だったので、レンジでチンしてお湯をわかすためのマグカップが必要だった。もう暗くなっていたが、タコライスを食べに行こうと金武町まで1時間ドライブする。日程的に行くなら今日しかなかった。
(続く)