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タヌキの親子見聞録 ~高野山編~

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和歌山県高野山から奈良県吉野・飛鳥を巡り、姫路城へ  たぬきの親子、ハードスケジュール旅を行く Apr.2024
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#高野山

タヌキの親子見聞録 ~高野山編③~和歌山(高野山)~奈良(吉野)

第1章 メインストリートは外国人が多かった  大門から千手院橋(東)のバス停まで歩いて向かう途中で、大切なことに気が付いた。 「お父さん、宿坊にお参りするの忘れてる」  母ダヌキは、昨年の11月に行けなかったときに、キャンセル料を免除してくれた宿坊にお参りをしようと決めていたのに、雨やバスの時間で急いでいて忘れていたことに気が付いた。 「そうだった。ここからなら根本大塔を通れば近道だから」  と、父ダヌキが言うので、根本大塔に行くと、境内の向こうに、タヌキ一家が宿泊するは

タヌキの親子見聞録 ~高野山編②~和歌山(高野山)

第1章 何よりもだんご  高野山は、今から1200年以上前の弘仁7年(816)に、唐の国で学び、帰国した弘法大師(空海)が根本道場を開いた真言密教の聖地である。紀州半島のほぼ中央、和歌山県に位置し、1000m級の山々に囲まれた山上の盆地に形成されたこの宗教都市は、世界中から人々が訪れる祈りの地であり、世界文化遺産にも登録されている。 「ほとんど外国の人ばっかりじゃん」  高野山駅から出て、コインロッカーに荷物を預けようと探していると、我先にと、コインロッカーを求める人たち

タヌキの親子見聞録 ~高野山編①~和歌山(高野山)

第1章 タヌキの親子 紅葉を見て泣く  世の中が新型コロナウィルスの流行前に戻ろうとし、タヌキの親子たちの周辺も、以前のままとはならないが、中止されていた学校行事が復活するなど、多くの人達が集まって賑わうことが多くなってきた。タヌキ一家も、令和5年7月の東北、8月の三瓶山に続き、11月には、紅葉真っ盛りの高野山へ、土日を利用して旅する予定であった。計画は、三瓶山後の9月に思い立ち、高野山のお寺に泊まるべく、宿坊探しをおこない、紅葉シーズン真っ盛りに、運よく宿坊の予約にあり