#読んどけ良本 『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』
奔放な知識の羅列だ。
おすすめされていたタイトルを見た時、「未来予測の法則がナンバリングされている」タイプの本だと思っていたからびっくりした。
日下公人「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」という本の話だ。確か、何かのマーケティング本でサクッと軽くおすすめされているのを見て、軽い気持ちでKindleで購入した。
買ってからしばらくは、Kindle上でNCB(No Click Bookの略。「積んどく本」ならぬ、電子書籍における買って放置している本のこと)だった。
前述の通り、法則というタイトルから、勝手に 法則(1)◯◯◯の法則、法則(2)◯◯の法則、・・・のようなわかりやすく未来予測のセオリーのようなものが書いてあると思っていたから、読み始めて驚いた。上質な知識と考察が奔放に羅列されていた。
これがなぜ未来予測につながるのだろうか?
未来予測とは
未来予測とは、情報を順列的に整理しながら出来るものじゃなくて、ある程度のブラックボックスから出てくるものなのかもしれない。
カオス理論のような。様々な材料を入れて、試してみたら出来たもの。例えば、カレーに色々はちみつとかソースとか、、詰め込んでみて、なぜか奇跡的に美味しいものが出来た。けれど、再現が難しい。
そのために、未来予測に使える共通知識としての材料は取り揃える。そうすることで、比較的あるべき未来予測に一歩近づく。すなわち「法則=再現性の担保」だと考える。必要そうな材料を入れることに集中した本。
ただ、こういった未来予測へのステップとは関係なく、娯楽としても楽しい。多様な知識と考察が、マーケティングや色々な方向性を横断して、羅列されている。大人のトイレ本にもなるかも。
頭に取っ組み合いをかけられる勉強感
普段から色々あれこれ考えている人には何かの知識やエピソードが引っかかり、示唆を得ることにダイレクトにつながるかもしれない。
普段何も考えてなくても、知識欲があるなら、とても楽しめる。やがてそれが考え続けるきっかけにもなり得る。テーマが縦横無尽に、頭のあちらこちらに取っ組み合いをしかけてくる。
少し前に流行っていた教養主義というのは、こういうことなのだ。それを肌で感じられる本でもあった。勉強。
(1点だけ。15年前の本だからか、あるいは著者の思想との相性なのか、個人的には若干違和感がある点もあった。)