なぜ「のぞみ」は名古屋に停まるのだろう?
よしなしごと【気まぐれ選87】
突然何を言い出すのかとお思いの方もいらっしゃるでしょうが・・。
どうも昔から腑に落ちない。「なぜ『のぞみ』は名古屋に停まるのか?」ということ。新大阪から乗って京都に停まるのはわかる。東京から乗って新横浜に停まるのもわかる。それがなぜ途中の中途半端なところで停まるのか・・?
そもそも東海道新幹線とは、東京圏と大阪圏をより短時間で結ぶために作られたのものです。ということは、「のぞみ」に求められているのは、基本的に東京~大阪ノンストップ! のはずなのです。
例えば大阪(難波)と名古屋を走る近鉄特急のアーバンライナーは、難波から鶴橋まで停まって、後は終点名古屋まで停まらない。本当は、西大寺とか中川に停めたほうが乗車効率はいいのでしょうが、ここはぐっと我慢して「ノンストップ」を貫いています。
同じことで、「のぞみ」も東京→新横浜→京都→新大阪となるべきだと思うのです(新横浜は東京圏、京都は大阪圏です)。
では、なぜ名古屋に停まるのか。答えは簡単で(というか、これが一番のネックで)、東海道の「のぞみ」はJR東海が走らせているからです。だから名古屋に停める。
もし名古屋に停まらなければ、そしてあと少し速度を上げれば、東京~大阪は2時間ちょいで走れると思うのです。
また、品川駅ができてから、同じ「のぞみ」でも停車駅が違う列車ができて、速い「のぞみ」とそうでもない「のぞみ」があったり、新大阪行きとか広島止まりとか、行き先もばらばらです。便利にしようという思いが、逆にややこしさを増しています。
で、少し考えたのがシンプルな東海道新幹線・思案の試案系統図です。では考え方を説明しましょう。
■「のぞみ」はJR東日本と西日本が走らせる
まず、東海道新幹線をJR東海が走らせてはいけない。東京と大阪を結ぶための線ですから、JR東日本と西日本が、「のぞみ」を走らせる。これが基本です。JR東海の立場は後でフォローします。
次に品川駅を有効に使う。東京駅に集中しすぎの現状を、ターミナルを使い分けることで解消します。難波と上本町を上手に使っている近鉄が参考になります。具体的には、「のぞみ」は東京。「ひかり」「こだま」は品川と、完全に分離します。
さらに、東海道の「のぞみ」はすべて新大阪止まりとします。博多までは飛行機なら1時間です。東京から博多まで通しで乗る人はほぼないでしょう。山陽区間には、新大阪でJR西日本の「ウエストのぞみ」に接続させます。
さて名古屋とJR東海の立場はどうなるか。品川からの「ひかり」「こだま」は、すべて名古屋止まりにします。つまり、この区間はJR東海の独壇場に置いておきます。ちなみに名古屋と新大阪の間は、JR西日本の「ウエストひかり」を延長して対応します。
■東京駅は「のぞみ」専用、品川駅は「ひかり」と「こだま」
「のぞみ」の停車駅は、東京・新横浜・京都・新大阪。頑張って走ってもらって2時間10分。1時間に6本、10分間隔のパターンダイヤです。阪神や阪急の特急と同じ考え方ですね。6本の「のぞみ」は3本ずつJR東日本とJR西日本が運行します。
新大阪以西は、JR西日本の「ウエストのぞみ」に接続。岡山・広島・小倉・博多に止まります。毎時15分・45分の1時間に2本の運転です。つまり、東京0分・30分発に5分待ちで接続させたいわけです。
「ひかり」は品川発名古屋行きで1時間に4本。「こだま」は2本で計6本。東海道区間は全部で1時間あたり12本の列車が走るわけです。で、「ひかり」は4本を2本ずつに分けて、仮に「Aひかり」「Bひかり」とします。
「Aひかり」は品川・新横浜・熱海・静岡・名古屋に停車。「Bひかり」は品川・新横浜・静岡・豊橋・名古屋。つまり、東京近辺で小まめに停まる「Aひかり」と、名古屋近辺で小まめに停まる「Bひかり」の2系列にする。これは私鉄の区間急行の考え方が参考になりますね。「こだま」はもちろん各駅に停車。
■JR東海は名古屋以西は走らない
名古屋以西は、1時間に4本JR西日本の「ウエストひかり」が、「Aひかり」「Bひかり」に接続します。停車駅は名古屋・米原・京都・新大阪・新神戸・岡山・福山・広島(終点)です。同じく各駅停車の「ウエストこだま」が2本(これも広島止まり)。広島までの山陽区間は1時間に計8本走ることになります。広島から博多までは、「ひかり」が走るほどのこともないので、逆にJR九州が「こだま」を2本乗り入れます。
車両については、まずJR東日本が「のぞみ」用に700系をJR東海から借りる。見返りにJR東海は東日本から2階建てのE4系MAXを借りて「ひかり」で運行します。
JR西日本の「ウエストのぞみ」700系は16両も必要ないので、4両減らして12両編成。余った4両は逆に、現在8両編成の「ウエストひかり」に増号します。「ウエストひかり」は2+2シートですが、増号車両は2+3とシート配列が違うので、100円引きとかのサービス調整は必要かもですね。
と、まあこんなところです。
【よしなしごと0060/0061・2005年3月 1日 (火)/ 2日 (水)掲載】
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