お天気お姉さんの憂鬱
よしなしごと【気まぐれ選59】
5月の連休は概してよく晴れる。今日5月3日も、全国ハレーッ!と、天気予報は太陽マークが並んでいる。
・・・と、こういう場合、天気予報をお知らせするアナウンサーはつらいだろうな、と思うわけです。
なぜなら普通、「○○地方、晴れ時々曇り。○○地方は晴れ。○○地方は晴れのち曇り、山沿いではにわか雨でしょう・・」などと原稿にバリエーションがある。
ところが、予報はすべて「晴れ」なのである。
一般人なら、「明日は全部晴れです、以上!」と言い切って終わってもいいが、アナウンサーだとそうもいかない。
もちろん、「○○地方晴れ、○○地方晴れ、○○地方晴れ、○○地方晴れ、○○地方晴れ、○○地方晴れ・・」とオウムのように繰り返すのも、プロとしては抵抗がある、というかそれをやったら大バカである。
したがって、こうなる。
「○○地方、晴れ。○○地方は晴れるでしょう。○○地方の予想は晴れ。○○地方は晴れの見込みです。○○地方、晴れでしょう。○○地方の明日は晴れ・・」
持てる限りの語尾バリエーションを駆使してアナウンスする。
厳密に言うと「晴れ」と断言するのと、「晴れるでしょう」では若干意味が違う気がするし、アナウンサー本人もそう感じている(と思う)。
もし、天気予報の途中で段々声が細く、暗くなってくるように聞こえたとすれば、上記のような事情によるものである。
【よしなしごと0150・2006年5月 3日 (水)掲載】
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