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忘れられていたJR東海をどうするか?

よしなしごと【気まぐれ選129】

 さて前回の続き。JR東海をどうするかです。(すみません、前回ではありません。ずーと前の話題、すっかり忘れ去られていたのですが「なぜ、のぞみは名古屋に停まるのだろう?」問題の続きです)

 もともとは国鉄が分割されるとき、本州はJR東日本と西日本の2社にすればよかった(NTTはそうなっていますね)。のだが、鉄道会社の地域密着性と、他の九州、北海道、四国と比べて東日本・西日本が大きすぎるという理由で、まあいえば無理にJR東海を作ったわけです(と思う)。
 で、会社を作るにあたっては、JR東海の経営基盤が弱いので、大盤振る舞いで日本最大の稼ぎ頭、東海道新幹線をおまけにつけた。
 ところがその結果、JR東海は新幹線を主体に経営を進めることになったわけです。ダイヤもJR東海の意向で組めるようになった。在来線に投資するより、新幹線で稼いだほうが経営効率が良い(楽に稼げる)と考えるのは当然です。だから、その結果「のぞみ」が名古屋に止まる。
 もう一度原点に返るために、東海道新幹線に依存しないJR東海を作ることが必要です。つまり東海版「アーバンネットワーク」、東海地方のエリア鉄道会社としてのJR東海へ生まれ直さなくてはなりません。誰に頼まれたわけでもないのだが、話の成り行き上、考えてみた。

■東海道・中央線は新快速でさらにパワーアップ
 まず、主力となるのはもちろん東海道線です。現在でも新快速2本・快速2本・普通4本(平日データイムで見ていきます。以下すべて)となっていますが、JR西日本を参考に新快速をさらに充実させたい。
 1時間に4本。上りは2本が浜松行き、2本が豊橋止まり。下りは2本が米原行き、2本は岐阜止まりくらいでいいでしょう。
 中央線は、愛知万博でシャトルが走ることになって、時刻表はにぎやかです。ここでは万博後を想定して、新快速2本・快速4本・普通4本でセットします。新快速は中津川行き、快速2本は多治見止まり、あと2本は高蔵寺から愛知環状鉄道に入って岡崎行きとします。快速エキスポシャトルを発展させるわけですね。新快速については、理由があって後述します。

■問題は関西線、これを何とかしなくては
 関西線(JR東海区間)は、かつてのJR西日本の福知山線のような有様です。福知山線は阪急宝塚線にライバルとも思ってもらえない存在でしたが、懸命のてこ入れのおかげで今ではちゃんと競合路線と呼ばれています。
 現状の関西線と並行して走る近鉄線を比べてみましょう。関西線は快速(鳥羽行き)1本・普通2本(しかもワンマン)の計3本です。近鉄はといえば、特急4本(難波2本・伊勢方面2本)・急行3本・準急3本・普通3本で計13本走る。
 まったく勝負になりませんが、ここはがんばりたい。せめて四日市まで何とかしましょう。名古屋・四日市間を快速2本・普通3本。快速2本はそのまま鳥羽まで走る。で、紀勢線の「特急南紀」を、四日市までは快速扱いにして1時間に1本。これで計6本。で、とりあえずはこんなところでしのぎます。

■中部国際空港に乗り入れる
 中部国際空港が開港した、というのにアクセスは名鉄におまかせ状態。JR東海はさびしく「直行バス」である・・。そこで、どうしてもJR東海を空港に乗り入れたい。
 空港に一番近いJR駅は、知多半島東岸を走る武豊線の半田である。そこから空港まで直線距離約10km。そこに新線を引く・・。
のではない。そんな馬鹿なことはしない。
 空港には名鉄常滑線が乗り入れている。その常滑線は(名古屋に少し詳しい人なら誰でも知っているが)、神宮前から名古屋までJR東海道線と併走する。名古屋の一つ手前、金山駅などは、何とホームの構造は南からJR東海道線・名鉄常滑線・名鉄本線・JR中央線となっている。
 ということは、金山駅の少し東側で100mほど渡り線を作れば、JRと名鉄は楽勝で乗り入れ完了。名鉄は嫌がるだろうが、ここはごり押しする。
 さて、そこでJRはめでたく空港へ新快速を乗り入れる。名鉄の快速特急は1時間に2本なので、その隙間にJRも2本。利用者にとっては空港アクセスがさらに快適になりますね。
 そのJR空港直通新快速は、空港から金山を経て名古屋へ、その後、中央線に乗り入れて新快速となる(中央線のところで、後述すると言ったのはこのことです)。名鉄は名古屋から岐阜方面へ走る。JRも東海道線で岐阜まで行ってもいいが、それはあまりにも名鉄に悪い。だから名鉄と競合しない中央線方面へ延ばす。

■城北線を生き返らせる
 実は名古屋から中央線に入るには、スイッチバックしてもう一度金山を通ることになる。それでもいいのだが、ここではJR東海の子会社「東海交通事業」の城北線を有効利用する提案を行う。
 この線は元々国鉄時代鉄建公団が建設したもので、全線複線高架の立派なものだ(電化はされていない)。東海道線の枇杷島と中央線の勝川を結んでいるが、ワンマン列車が1時間に1本さびしく走るだけ。
 もちろん現在JRとの乗り入れはない。これを使わない手はない。線路はいいのだから、電化して中央線から空港新快速を走らせる。

 とまあ、以上です。妙に力作になってしまった。
 参考に下図をご覧ください。新しいJR東海「アーバンネットワーク」です。

【よしなしごと0062・2005年3月 8日 (火)掲載】

2025注記:
20年前に書いた記事なので、現在とは異なる状況があるかと思います。さらに私は「鉄オタ」でもなく素人考えなのですがそこはなにぶんご容赦のほどおねがいいたします。
なお、この記事は「なぜ、のぞみが名古屋に停まるのか」があくまで主題です。下記をご参照いただければ幸いです。

【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。

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