小さな羽
遠くまで飛ぶには心細い
羽をひろげて
どこにいく
あちらこちらで見える光景
誰も気にしちゃいない
ある時はビル街に迷い込み
ある時は人の足に踏み潰され
ある時は土に根付く
風がないと飛べない子たち
小さな羽をめいいっぱい広げて
どこにいく
一つの小さな小さな種を背負って
どこにいく
私の頭の上を通り過ぎていく
前を歩くサラリーマンの肩を通り過ぎていく
そんなに小さな羽で
どうしてそんなに早く飛べる
私は昨日の私よりも一歩下がっただけ
小さくとも
いずれ踏み潰されようとも
一つの希望を持って飛ぶ
羽が私も欲しい
今日も見かけた小さな綿毛
私の隣に根付いて咲きますように
tanpoponico