毎週ショートショート【残り物には懺悔がある】
「私、結婚する前に貴方に懺悔しなきゃいけないの」
箸を置くと、ーーの目を僕に向け、視線が重なった。
「何だよ。急に懺悔なんて、少し構えちゃうじゃんか」
うん。っと彼女は頷き、ーーの目に力を込め言った。
「最後だったの」
「最後?何の?」
「初めて私達が出会った時の合コン。貴方が最後まで残ってたの。だから、私が貴方と連絡先の交換をしたの」
「えー。最後だったの?何で?」
「だって貴方、サカバンバスピスに似てるじゃない?顔が⚪︎▽⚪︎じゃない?」
少しショックだった。
彼女はーーの目は/ \になり涙を浮かべると、更に言葉に熱を込めた。
「ずっと、黙っていようって思ったけど、隠し事をしているのが嫌だったの。貴方とはずっと一緒にいたい。サカバンバスピスに似た⚪︎▽⚪︎の顔も今では愛おしいから」
彼女はそう言う人だ。芯が通っている素敵な人。そこが僕も愛おしい。だから僕も彼女に懺悔する事にした。
「君も合コンで、最後まで残っていたんだ……。顔がー◇ーでヒヨコに似ていたからね」
おしまい
-tano-
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