谷郁雄の詩のノート36
お知らせです。まもなく発売になる「地球が廻っているということ」(みらいパブリッシング)という星の写真集に、星のポエムを4つ提供しました。Amazonでは予約が始まっています。いまこのときも、地球は廻り、星たちは旅をしています。そのことを体感できる素敵な写真集です。ぜひ読んでみてください。そして秋の夜空を旅する星たちを眺めてみてください。(詩集「詩を読みたくなる日」他、好評発売中)
「たかが詩」
たかが詩の
たかがを
つい
忘れそうになる
詩よりも
大切なことは
他に
いくらでもある
風に押されて
ふわふわ
旅して
思わぬところに
落っこちて
見物人を
笑顔にする
手作りの紙飛行機
そんな詩が
あと
いくつか
書ければいい
「練習問題」
じゃあ
みなさん
練習問題を
やってみましょう
先生は
笑顔で
ぼくらに言った
もう
間に合わないよと
ぼくは思った
ぼくらを乗せた
バスは出発し
どこかに向かって
走り始めているのに
「生きる理由」
死にたくなる理由は
たくさんあるのに
生きる理由が
見つからない
理由もなく
人は
生きている
友達が
好きだから
ケーキが
おいしいから
明日の世界を
見たいから
まだ読みかけの
本があるから
生きる理由は
何でもいい
できれば
小さなこと
忘れても
かまわないようなこと
©Ikuo Tani 2023
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