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31.スタッフの「自己肯定感」を高めるアプローチ方法
スタッフの自己肯定感を高めるために意外と効果的な方法は、「スタッフ自身に“誰かを褒める役”を任せること」です。
普通、店長がスタッフを褒める場面が多いですよね。でも、「人を褒める行為自体が自己肯定感を高める効果がある」ということが研究の結果わかっています。ということは、店長以外の人も褒め役に回ってもらうとより効果的ですよね。それは、人を認めることで「自分も誰かにとって価値のある存在だ」と自然に感じられるようなることでもあるのです。
自己肯定感が高い人は、「自分はチームの一員として必要な存在だ」と感じるため、仕事に前向きに取り組む傾向があります。自分の価値を実感しているスタッフは、失敗をしても「次はどうすればうまくいくか」と建設的に考え、改善に取り組みます。その結果、職場全体の雰囲気も前向きになり、連携がスムーズになって定着率の向上につながるのです。
一方で、自己肯定感が低いと「自分は何をやってもダメだ」と感じ、仕事に消極的になったり、必要以上にストレスを感じたりします。その状態が続くと、職場に対する愛着が薄れ、離職の原因になりやすいのです。
自己肯定感を高めるためには、日々の業務の中で「人を褒める役割」を取り入れてみてください。たとえば、シフト中に「今日は誰かの良いところを一つ見つけて声をかけてみて」とお願いするだけでも効果があります。スタッフ同士が良いところを認め合う習慣ができると、職場には「認められている」という安心感が広がります。
自己肯定感は特別な制度ではなく、日々の小さな言葉の積み重ねで高まります。スタッフ自身が褒める役を担うことで、「ただの作業員」ではなく「価値ある存在」として働く喜びを感じられるようになります。それが結果として定着率を高め、チーム全体の成長を促すのです。