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『坂道と転び方』 《完結》

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【あらすじ】 「君たちの言う正常で正しい動作は私にとっては呪いの言葉でしかないんだ! 正常から逸脱した私はもう普通じゃない。私はもう普通に生きることはできない! それに・・・歩か…
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【『坂道と転び方』ティザーPV】

—note創作大賞応募作品。表題左下のハートマークをぜひチェック!現在無料公開中!- 「君た…

【『坂道と転び方』ティザーPV 第二報】

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『坂道と転び方』 《書き下ろし》「呪われた私と、私が呪った理学療法士」 (0/4章) …

《書き下ろし》「呪われた私と、私が呪った理学療法士」  朝焼けが終わったというのに遮光カ…

『坂道と転び方』 -1- 世界から逸脱した暗い部屋 (1/4章) / 小説 【#創作大賞2024…

-1- 「世界から逸脱した暗い部屋」  僕の住む街は小高い丘の真下にあって、見上げるとゆる…

『坂道と転び方』 -2- 正しくも正常ですらない生きる美しさ (2/4章) / 小説 【#創作…

-2-「正しくも正常ですらない生きる美しさ」  僕が岬の家に通う日々が始まってしばらく経っ…

『坂道と転び方』 -3- 些細で深刻な生涯を縛る傷跡 (3/4章) / 小説 【#創作大賞20…

-3-「些細で深刻な生涯を縛る傷跡」  四月に入るとなぜか気持ちが浮き足立つものだ。年度末…

『坂道と転び方』 -4- 私を呪った坂道と私を救った転び方 (4/4章) / 小説 【#創作大賞2024】 《完結》

-4-「私を呪った坂道と私を救った転び方」  不思議と眠れない夜はいつだって唐突に訪れる。あんな夢を見たからだと僕は自室のベッドから天井を眺めた。時計を見ても深夜を超えたばかりで、朝まで程遠い。  岬のリハビリを終えて自宅へ戻り、他愛もない両親との会話を終えて眠りに就く。いつもと変わらない夜だった。  僕と岬はなぜか海辺にいた。暗い砂浜で打ち寄せるさざ波が、白い泡を浮かべては消えるのを眺めている。  赤く重たい月が夜空に浮かび、ぬらりとした黒い海はどこまでも広がってい