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台湾ひとり研究室:翻訳編「#11《大港的女兒》翻訳作業のリアル、そしてサポートの現状です。」

台湾書籍《大港的女兒》 の翻訳者が、日本版の刊行前後の進捗をリポートしていくnote連載です。第11回となる今回は、翻訳作業のリアルをお届けします。

ヤバい…
ぜんっぜん進まないんだけど、どういうこと…??

正式な翻訳依頼を受けたのは今年4月のこと。当初、自分でざっくり計算し、8月の時点で翻訳は終わっているつもりでいました。

《大港的女兒》は全体が78節から成る小説です。章立ては特になく、時間の経過とともに主人公が成長し、さまざまな出来事に遭遇。その都度、多様な人物が登場しては、思いもかけない場面や歴史的出来事がありながら、物語が進んでいきます。そこはさすが元新聞記者、著者の筆の運びは緻密です。ぐいぐい読んでいました。

ところがどっこい……

告白しますが、現在地は78分の40。やっと半分を越えたところで、初回の通し翻訳さえ終わっていません。ここから推敲を重ね、注釈のための史料確認を行い、そのあとネイティブチェックを入れてまた精査……などと考えているので、全体工程の3分の1といったところです。

編集者でもある身としては、作業時間の読みがここまでズレるなど、由々しき事態です。なぜこんな読み違えが起きたのか。実に情けない話ではありますが、いくつか明らかな誤算がありました。以下、包み隠さず告白することにします。

誤算1:「読む」と「翻訳」の距離

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2,764字

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勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15