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台湾ひとり研究室:翻訳編「#15台湾語の訳出しに方言を使う話で思い出した、台湾と西日本のかかわり。」
台湾書籍《大港的女兒》 の翻訳者が、日本版の刊行前後の進捗をリポートしていくnote連載です。第15回となる今回は、翻訳に使う方言の話の補足と、そこから思い出した台湾と西日本とのかかわりについてご紹介します。
前回は、本書翻訳の基本方針を3つご紹介しました。公開前の段階で、原稿を担当編集さんに見せたところ「そういえば『本の雑誌』11月号の特集が「方言と小説」で、鴻巣友季子さんが翻訳と方言の関係について書かれておりました」と教えてくれました。
英文学とはいささか縁遠い私が鴻巣さんを知ったのは、今年最初のNHK「100分de名著」の新春特番「100分deフェミニズム」でした。番組はあまりにもおもしろくてオンデマンドで繰り返し視聴し、番組に出演された方々のご著書だけでなく、のちに発売されたムック『別冊NHK100分de名著 フェミニズム』も購入して、読み進めています。
おっと、脇道に逸れました。今回の翻訳と方言の話に戻します。
前回ご紹介した基本方針のひとつに「台湾語への対処法」として、本書では愛媛の方言を使う、と表明しました。冒頭の鴻巣さんの記事には、こんな一節があります。
勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15