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可愛い字を書く文化
ひらがなの「お」を可愛く描いたら?そんなことを思いついて、生まれたのが「おいぬ」です。「おぃ!」と吠えます。
「い」をモチーフにした犬ならまだ子供のお勉強材料にもなったのに、なぜこんな訳の分からないものに時間を遣ってしまったのか。それは可愛い字を書きたいという発想と、字を可愛いと感じる感性に感動したからです。私も可愛い字を書きたい。そして少しだけ道を外れてしまったのです。
ことの発端は先日、妻の過去を掘っていた時にでてきたギャル文字です。文字を可愛く書くという特有の表現手法、ギャル文字。ギャルというわけではない彼女自身も10代の頃に練習したそうです。可愛い字を書きたくて練習するけなげな中学生の女の子を想像すると、なんとも愛くるしい気がしました。同時に「可愛い」に敏感な日本の女子力のようなものを感じたのです。
そもそも可愛い字を書く文化は、日本でしか生まれなかったのではないでしょうか。字を綺麗に書くという習慣や文化は世界各国で見受けられます。しかし日本のように、可愛く書くことが流行するほどではないのです。
書道教育によって培った、書いた文字の価値を認識し魅力を感じるチカラ。そしてそこに、日本の女子の世界トップレベルの可愛いセンサーが合わさって初めて生まれたのだと思います。
今やオックスフォード英語辞書にも載っている「kawaii」という言葉。「cute」を超越した言葉として、また日本のポップカルチャーの象徴として世界中で認知されています。そんなkawaiiカルチャーの一つといえるギャル文字、またはその発展形に可能性を感じずにはいられません。
私は、日本の可愛い字を書く文化を世界中に「おぃ!」と発信したくなったのです。