お客の立場を利用したパワハラのカスタマー ハラスメント

カスタマー ハラスメントとは

カスタマーハラスメント(Customer harassment)。略して、カスハラ。和製英語です。

マーケティングより広い範囲の用語につき、ご存じの方は多いでしょう。カスハラとは、

お客様、取引先の立場を利用した理不尽な言動。たとえば、

  1. 配達ドライバーに消毒スプレーを噴霧(コロナを疑っての行為)

  2. 接客スタッフのネームプレートを見、個人を特定し、SNSで中傷。待ち伏せ

  3. ICカードが切符投入口に入らず逆ギレ、駅員に暴行

  4. 深夜に酔っ払いが弁当店で暴言を連発

  5. 「税金泥棒」「この無能」など住民からの暴言電話に苦しむ県庁職員

さらに具体的には、

UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)が、2017年10月に発行した「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果」によると、

・商品不良のため返金を実施した際、丁寧に謝罪しても納得されず、土下座での謝罪を要求された

・商品の場所を案内したら、遠回りさせられたと怒りだし、「バカ、死ね。辞めろ!」と怒鳴られた

・商品の在庫を尋ねられ、在庫が無い旨をお伝えしたところ、「売る気がないんか?自分が店長だったら、お前なんかクビにする」と延々怒られた

・惣菜の価格が間違っていると言われ確認に行こうとしたら、待たせるなと怒鳴られ、3時間、説教され続けた

・お客様が購入した包丁の切れ味が悪いとのことで返品対応した際、「高い商品買ったのに研いでも切れない」と、その包丁をむきだしでこちらの顔まで近づけてきた

以上5年前の調査結果です。今や社会に根付いたかも知れません。

一方、カスハラされる側の声(Twitterより引用)

(ホテル)久々に部屋がない状態。客から罵声、マジで疲れた。。。上司が客の前で泣いて、ビビった

(小売店)あるドラッグストアが「カスハラは許しません」というポスターを貼ったら、かえってカスハラが増えた

(コールセンター)コルセンのオペレーターが守られる世界になって頼むから

・50代以上の老害
・40代主婦
・36歳~45歳くらいの男性

は経験的に悪質な人が多い印象。精神壊された。1度壊れたものは簡単に治らない


具体例を上げようとすれば、まだまだ挙げられます(他に掲載しているサイトは沢山あります)が、

カスタマー ハラスメントといっても、新しくも難しくもありません、昔から
あるクレームです。クレームというと、

東芝クレーマー事件が衝撃的でしたよね。

クレーム対応はすそ野が広く、専門性が高く、マーケティングとは直接無関係ですが、

(サービス業)顧客満足主義がカスハラを増長させた気がします

という声があるのは確か。

ご存じ、顧客満足は、マーケティングの領域です。

クレームとマーケティングは直接無関係と先述しましたが、

マーケティングとカスタマー ハラスメントを間接的につなぐキーワードが
「顧客満足」であることはおわかりになるでしょう。

特に、前号「顧客の十戒」を書いた筆者(苦笑)のようなマーケティングの
プロにも責任の一端はあります。

マーケティングのプロ達が(論文まで出ているくらいですから)顧客満足を
制御不能にしたのかも知れません。

悪い意味ではありません、良くしようと追求した顧客満足が逆手に取られた
といっていいでしょう。

なので、マーケティングのプロを自負する人は、カスハラ対策を考えようと
いう提案です。

【筆者案】

「カスハラは許さない」と対決姿勢に出るより

「スタッフは、神様ではなく、人間。お客様も、神様ではなく、人間」

であることを、得意のコピーライティングで伝えると良いでしょう。

カスハラという否定行為は「ある」と思って危機管理しておきましょう。

こういう書き込みもありました。

「在宅してるのに、ドアベル鳴らさず、いきなり不在票入れて行くのは怠慢だ!ヤ○トさん、配達員教育ちゃんとやって下さい!」

この意見を分析すると、不在票をもとに投稿者は、

・届けに来た配達員へ、面と向かって言うか

・ヤ○トの当該部門へ、連絡すればいい

だけの話ですから、SNSに書き込む必要はありません。

これは、SNS上でヤ○トにクレームをつけているようで、実はヤ○トの評価を貶める一方的な攻撃。

SNSに代表されるネットの書き込みがフェイクかどうか読む側はわかりませんので、法で守られて然るべしでしょう。

東芝クレーマー事件という古き見本があるのですから。


仮に、いきなり不在票を入れる書き込みが、事実だったとしましょう。

そう考えれば、同じ轍を踏まないため、たった二行の書き込みは、お宝の山。しかも、無料の情報。

もちろん、定性情報を、どう扱うか、企業によりけりですし、筆者の体験からすると、定性調査は、気が滅入るものです(苦笑)

だから、定性調査しない。それは、その企業の社風というか、考え方ですら、否定されるものではありません。

なので、ヤ○トさんが定性情報をどう扱うか存じませんが、改善するのは簡単ですよね。

・これからは「いきなり不在票」入れます制度にする

だけでいいのですから。

不在の再配達が50%を超えるそうなので、理解して頂けると思いますが。


まとめますと、クレーム改めカスハラは「ある」と思って、予め危機管理しておくほうがよいでしょう。

大なり小なり加虐性がある人は、誰かを、いじめて喜びたいものですし、

厄介なことに、それ(加虐性)を本人は自覚しておらず、また、

加虐性がある人、攻撃的な人は、意外と多数派かも知れません。

SNS上で自決事件が起きていますし、

カスタラーハラスメントが社会問題になっているくらいです。

転ばぬ先の対策が必要です。まずはブレイン ストーミングから始めませんか?

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