(13)通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした
通勤時間を利用した読書の記録です。chelmicoの新しいアルバムめっちゃよくないですか? 「全員殺すぞ」と思っていると、「全員殺す」みたいな内容の本ばかり読みたくなる。(ひとつの喩えです。)
67. 沈黙
前回『海と毒薬』を読んだから、引き続き遠藤周作を。『沈黙』は実は読むのがはじめて。凄惨ながら面白すぎて、またしても「遠藤周作は大天才であるのだな」としみじみ思った。
人を苦しめるには、その人の大事にしているものを殺したり壊したりするのが一番効率的だと思うのだけど、こういう「自分のために本来は罪のない人(々)が苦しめられて死ぬのを見せられる」というのを何回も繰り返されるというのは、その最たるやり方のような気がする。近い例としてパッと思いつくのは、北九州監禁殺人事件とか。『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』は読むのマジできつかったなあ……。
最後の展開はかなりしんどかったけど、巻末の「切支丹屋敷役人日記」を読むと、少し救いがあるのかな。ちゃんと読めてるか分からないけど。こういうメタっぽい終わり方が好きすぎて大興奮してしまう。『侍女の物語』でもあったよね、ああいうの。
68. セックスボランティア
ずっとamazonのほしい物リストに入れていた本が偶然図書館にあるのを見つけて、借りた。障害者の性にまつわるルポ。NHKのバリバラだったかな、知的障害のある人が「俺も彼女が欲しい!!!」みたいに叫ぶネタをやっていて、正直いってドン引きしたんだけど、それは「障害者だから」ではなくて、「自分もこんなに頑張っているのだから女が手に入ってもいいのに」的なニュアンスを感じてしまったからだった。まあ〜でもこうして読んでみると、欲しいわな、彼女。わかるけど。わかるけど読んでいて苦しくなるのはなぜだろうか……。
あと、『聖なるズー』でも思ったんだけど、こういう本で著者の性のエピソードが絶対に出てくるのはなんなの。わたしもこういうのを書かなきゃいけなくなったら、自分のセックスや性被害のことを一緒に書くんだろうか。(書くかもしれないな)
69. 無差別殺人の精神分析
朝6時に起きなきゃいけない日があって、クソじゃんと思って読んだ。思っていたよりもかなり勉強になった。拡大自殺、投影、コピーキャット、喪失などなど、専門的な用語がたくさん出てくるので、まだ中身をきちんと理解するには数回読まなければいけないと思う。犯人の生い立ちや環境や証言などからどういう精神状態を経て無差別(大量)殺人を起こすようになったのか、実に簡潔に書いてあって読みやすい。殺人本(そうまとめるのやめろ)は結構「お涙頂戴」ではないけれど、いかに凄惨なことをされたか、いかに周囲の人や社会が傷ついたかということを延々と書きたがるものも多いんだけど、これは事件は事実を羅列しているだけで読みやすかった。前者は殺人ポルノであるから、ポルノを見たいときに見るべきなのだ。
全体を通して論が一貫していて面白かったけど、最後のペニス羨望みたいなところに関しては、「あ〜はいはい、精神分析(笑)」とどうしても思ってしまった。性愛が引き金になっているというのも果たしてどうなんかなと思った。
関連図書として『十九歳の地図』読みたい。
これは余談なんだけど、5月くらいから今までYoutubeにハマってて、特にヒカキンの動画をめちゃくちゃ観てたんだけど、ついに結構飽きてきて(2000本くらい観たから)、風呂でも本を読んでる。最近は『ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間』っていうのを読みました。通勤電車で読んでない本は感想がかけなくて勿体無いなー、などと思いながら、通勤時間でももそれ以外の時間でもいつも何かしらを読んでいる。あるいは数独をしている。
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