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悩みこむ人は読んで──『アーティスト・クリエイターの心の相談室』の感想文

報復性夜ふかしが、やめられない止まらない~
そんな自分を変えたくて読んだ本の紹介です。

↑読んだのはこれ。
主に、音楽業界で活躍するカウンセラーが、ありがちな悩みや不安に関して書いた本
流石に本職の方が書いただけあって、実用的というか、これを読むことで、自分の悩みが少し軽くなった気がする

優しい口調で、文字もそこまで詰まってないので、読書がが苦手な人もぜひ

↓以下雑多な感想


"仲良し"は別に正義ではない

『第1部 メンバーとの話し合いが難しくストレスを感じる』より

チームで何かを作るってなったときに、意見がぶつかるのは当然起きること
チームの成熟のためには、多少の軋轢や葛藤は必要らしい

しかも、それを裏付けるような心理実験が引用されていて(これマジ?)
何やら友達同士を組ませるよりも、他人同士組ませるほうが、殺人事件を解決する課題の成績が上がったとか

まぁ、心理的安全性云々でも、気軽に改善点をぶつけ合える方が良いとされていたり

私の大好きな、『映像研には手を出すな!』も「友達」ではなく「仲間」と呼んでいて、お互いのこだわりをぶつけ合っている

似たようなことは↓の起業家に関する本でも出てくる
"ガチ"でやるなら、どこかしらで意見の相違は出てくるし、それはちゃんと話さないと致命的な亀裂になってしまう

過度に人の顔色を気にしていてもやりたいことはできないとかなんとか


プロであることが常に良いわけではない

『第1部 生活と創作活動のバランスがとれない』より

これは本当に良い考え
アーティストであるために、本気で目指すために、アルバイトをしながら頑張る……よくある光景……でも、それが正解とも限らない

生活の中心に音楽を置かないといけないわけではない

働きながら、副業的に、あるいは、売れることを考えずに創作をしても良い
バランスは人それぞれ……

みたいなこというと、本気な人に冷水をかけてるみたいだけど
兼業の方が良いって場合もある

目からウロコだったのは
アイスランドの例で
『「2万枚売れればメガヒットという国ではマーケティング先行で曲をつくることにほとんど意味がありません」』
という言葉

そもそも、人口が少ない国では、全国的に流行るものを作っても、たかが知れていて、だから副業として音楽をやる
無理に売れようとしても対して意味がない
でも、それは本気でやらないってわけじゃなくて、そういう土壌だからこそ生まれる音楽があって、それが世界で評価されることもある

同人文化に親しんだ自分としても、逆張りオタクの自分としても、売れるために作られたものは、ついつい避けがち

自分が観測した範囲でも

『機械人形ナナミちゃん』の作者、木星在住は、持ち込みでボツになった漫画を作るためにバーを開店したり色んなことに手をだしていたりする

あと、ヒットした例だと、『シロナガス島への帰還』(鬼虫兵庫)

500円でありえんクオリティーのノベルゲーム
これも、本人に本業の収入があり、好きなだけこだわれたから、出来たらしい

それと、単純に「へー」と思ったことで
ユネスコによる芸術家の定義に、芸術で稼いでいることが含まれていないというのが良かった

結局、良いものというのは、必ずしも専業のプロしか作れない訳じゃない

創作を続ける道は1つじゃないというのは、色々救いのある話だなと思った


その欠点は直すべきなのか

『Interlude 1 「医学モデル」「社会モデル」「文化モデル」という考え方』
『第4部 周囲にLGBTQに関する理解がない』
より

性同一性障害の脱病理化が進んでいるらしい
それと、障害を考えるときに、「医学モデル」「社会モデル」「文化モデル」という3つの考え方があるらしい

センセーショナルな例としては
耳が聞こえない人が手話を使ってるけど、その人達に対して、耳が聞こえるように治療して、手話をやめさせることは、正しいことなのかという話

障害を治療する、ないしは、それを受容するように社会を変えるというスタンスは、無意識のうちに、その人達を下に見てはいないかという問い

それ自体、対処すべきものではなくて、1つの異文化として認識するという考え

だいぶ理想論的とはいえ、真にダイバーシティと言うならば、そこを目指すべきだと思う
ただ、そんな社会は人類の分断と紙一重かなとも思う

これから読もうと思ってるけど↓の本もその立場から書かれた本らしく、読むのが楽しみ

もっと詳しい部分は、これ読んでから考えよう

少なくとも今の私は、悪人であっても生きる権利はある
というところで


最後に

ここまで読んでくださってありがとうございました。
正直、アーティストと題がついてる一方で、全人類に当てはまる内容なのではと思ったり

いやほんとに、読んでくださいな

あと、過去にアーティストのためのハンドブックって本も読んだんですけど、まぁ一見相反するようで、意外と衝突しないなと

いずれにせよ
クリエイティブ=無理無茶、精神的に不安定なんてことはないわけで
あなたの歩幅で進んでいけたらいいですね

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