![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86187734/rectangle_large_type_2_f41063eb903fce7c06c9d41515f0a397.jpeg?width=1200)
落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『復活への底力』出口治明著~
ライフネット生命創業者の出口さん。その後、立命館アジア太平洋大学(APU)の学長になられたことまでは知っていたが、まさか2021年に脳卒中で倒れられたとは知らなかった。
出口さんの著書は過去2冊ほど読んだ記憶はある。「メジ・フロ・ネルから、旅・人・本へ」というフレーズが印象深く、今日の自分の読書活動の遠因にもなっている。
この本の内容は、「大学の学長に復帰する! という強い思いがご自身の今日の回復につながった」というもの。「具体的にどうしたい! 何をしたい!」という思いがあれば、回復への道のりはおのずと見えてくる、というものであり、当事者だけではなく、家族介護者にも通じるメッセージであると感じた。
特に読書家でも知られる出口さんのお話には、ところどころにご自身の知見が感じられる。
決して独りよがりではなく、引用を通じてさらに強いメッセージ性を感じる。だからとてもわかりやすい。参考にもなったし、とても勇気づけられた。
例えば、「進化論を確立したダーウィンがいっているように、(人生は)運次第であり、人間にできることは適応だけ」という話から、「人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」と説いている。
さらには「リハビリ中も、僕は『つねに勉強を忘れず、自分の体を知り、しっかりコントロールし続ける。このようにI’m readyの状態にしておけば、自分にいい流れがきたなと感じた時、全力で走ることができる。そして運命が微笑んでくれたら、見事にチャンスをつかむことができるはず』と学生に伝えたい、そのような思いで日々トレーニングをしていました」とある。
これこそが、出口さんのいわれる「川の流れ理論」の真髄なのだろう。
「力むな。焦るな。あきらめるな」
「運命を受け入れ、前向きに考えろ」
「チャンスは必ず来る。悲観的になることなく日々学んでいこう」。
この本の中から、そんな出口さんの声が聞こえるようだ。
「強い思い」・・・・・・・。
障害の有無に関係なく、誰にでもあてはまる大切なメッセージであると感じた。
とても励まされた一冊だった。