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落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『日本の森のアロマ~人と地球の未来を結ぶ』稲本正著~

「おおい元気ぼっくす」で、毎月『和のアロマ』のワークショップの講師をされているめぐみ先生。
飛騨高山の森の手入れの際に出る間伐材や枝葉から生まれたアロマオイルを用いて、バスソルトやルームスプレー、保湿ジェルなどのアイテムづくりの講座を開催されている。
この本は、いわゆる「和のアロマ」を楽しむための参考書であると思う。
 
「プルースト効果」という言葉を聞いたことはないだろうか。
フランスの小説家マルセル・プルーストがあらわした『失われた時を求めて』に起因する。
マドレーヌと紅茶の香りと味の体験から、世界的な反響を呼んだ大作である。
(引用はじめ)
「陰気に過ごしたその一日と、明日もまた悲しい一日であろうという予想に気を滅入らせながら・・・・・・ひと切れのマドレーヌごと、ひと匙の紅茶をすくって口に持っていった。ところが・・・・・・自分の内部では異常なことが進行しつつあるのに気付いてびっくりした。素晴らしい快感、孤立した原因不明の快感が、私に中に入り込んできたのだ。おかげでたちまち私には人生で起こるさまざまな苦難などどうでも良く、その厄災は無害なもので、人生の短さも錯覚だと思われるようになった」
(引用終わり)
 
この作品は文学的な評価だけに終わらない。『プルースト効果』という嗅覚や味覚が記憶に与える影響を示すことで、各分野において大きな注目を浴びることになる。
 
そもそも視覚や聴覚で受信した情報は、合理的で分析的な思考や言語機能をつかさどる「大脳新皮質」に届く。一方嗅覚で受信された香りの信号は、情動の表出、意欲そして記憶や自律神経活動と深く関係する「大脳辺縁系」につながる。
つまり、香りは無意識を刺激し、人間の深層心理と結びつき、深い記憶を呼び覚ますとともに、人間の心身のバランスにも大きな影響を与え、暮らしに潤いをもたらすものということができる。
 
めぐみ先生のワークショップには毎月家内と参加。毎回、家内の足湯用のバスソルトを作っている。クロモジ、スギ、ヒノキ・・・・・・。いろいろな種類のアロマがある。香りは自然そのもの。まさに「家にいながら森林浴」を楽しむことができる。
「和のアロマ」の「香りの世界」。
さらに深く味わってみたい。

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