教育現場は実力主義と相性が悪い?
もしも学校の先生の人事評価を完全に実力主義にした場合、一体何が起きるのでしょうか。
この場合の実力とは、生徒からの人気と雑務の処理速度、それから担任時の進学実績とします。
ちなみに、私立の学校では生徒からの人気投票なんてものも存在します。しかし、果たしてその指標は本当に教員の実力を正確に測ることができるのでしょうか。
というのも、学校には直接お金にならない仕事もたくさんあるからです。
例えば、文化祭実行委員の仕事などはやりがい以外何の見返りもありません。むしろ、疲労と時間不足で授業の質が落ちることが懸念されます。
学校に実力主義の指標を持ち込んでしまうと、教科指導以外の部分が蔑ろにされ、全体の業務の押し付け合いが発生する可能性が高まります。
そうなると新人や、新人に辞められると困る中堅教諭に全体の業務が集中します。それにより彼らが離職したならば、学校の見えない部分はどんどん悪くなっていきます。
私が思う実力のある教員とは、例え生徒に嫌われてでも正しい行動を心がけ、他の教員との調和を図り、全体の業務を積極的に引き受ける教員です。
私立の学校においても、そういった先生方が公正に評価され、感謝されるようになることを切に望みます。