「わたしとそれ」から「わたしとあなた」へ
わたしの実家では、細く長く、飲食店をやっています。
今は年の離れた兄夫婦も加わり、わたし以外の家族がみな同じ仕事をしている状況。
両親も年金をもらう生活に入り、口を開けば体が痛い・疲れた、早く兄に引き継いで引退したい、と。でも、両親曰く、兄はのらりくらりで全然仕事ができないんですって。(こういうことを妹のわたしに言うのもどうかと思いますけど)
こんな愚痴を、毎年言ってるんです。笑えない…😂
家業の後継者問題
母の日の電話をした際、また「早く引退したい」と言ったので、しびれを切らして言ってしまいました。
「それ、10年前から同じこと言ってるよ・・・」
二人っきりで、かなりの時間をかけて電話をしたので深い話になったんです。こっちもつい本音で、こう言ってしまいました。
まさかの展開
先日、弾丸で単身帰省したんです。むすめの入園グッズを作ってもらいにね。←
どうせって言ったらアレだけど、結局なんも進展してないんだろうな…と思い、お店のことはこちらからは一切触れませんでした。
すると、母が突然
「7月で引退することになったよ」
と!え!!??まさか!?!??
つい、「どうせなんも変わってないと思ってたからお店の話をわたしから振らないようにしてた」と伝えたら、
「どうせ変わってないって思ってるって思ってた」とまでw
母の方が一枚上手でしたw
自宅に兄夫婦を呼び出し、お店の今後について話し合ったそうです。「もう引退しようと思っている」と告白された兄は、まさかの寝耳に水だったようで。わたしは毎年毎年聞いてたから、両親の気持ちは兄も伝わってるもんだろうと思ってましたが、兄はことごとく「何も知らなかった」と言っていたそうです。
そうか、両親は兄と将来の話を全くしてなかったのか。そりゃ、言われなきゃ知らないよ。兄も辛かっただろうに。。
両親の苦悩を配慮できない言動もあったそうですが、ゆっくり、ていねいに話を重ねているうちに兄も前向きになったようです。
主人公になった兄夫婦
6月は発注・会計などの作業を引き継ぎ、7月は完全に兄に任せて走らせ、両親は7月末に引退という計画。
なんと、ここ最近兄の態度がちょっとずつ変わってきたそうです。
値上げの金額を考えてきたり、食洗器の導入を検討して調べていたり。今までじゃ全く考えられないこと(のよう)。
やはり、経営者というバトンをはっきりと認識して、自分がお店の主人公になったんだと思います。常に守られる存在から、自分が守る存在に。選手交代。おめでとう。
道具的関係から固有の関係へ
まさにこの話を抽象化したドンピシャな本がありました。宇田川元一さんの「他者と働く」です。(ママボランのアウトプット部で紹介してもらった✨)
課題には、知識やスキルで技術的に解決できるものと、できないものがある。後者は、ほとんどが適応を要する課題であって、この解決には「対話」が必要とのこと。
実家の後継者問題は、まさにこの課題でした。
話し合う前のかれらは、「わたしとそれ」の関係。経営者であるわたし(両親)と、それを手伝う人(むすこ)。後継者らしい振る舞いを期待するけど、それにそぐわないため勝手にショックを受ける。お互いの間に溝がありました。
しかし、話し合った後は、「わたしとあなた」の関係に。両親たちは兄が替えの利かない存在であることを認め、これからどうしていこうか、ともに歩み考える関係。お互いの間にある溝に、橋が架かった状態。
※ちなみに、課題の分類に関して、成人発達理論とかなり似通ってると感じました。あちらの「知性」、「垂直的成長」を具体的にどう実現していくか、その手段がこちらの本に繋がりました。
対話のプロセス
じゃあ具体的に「対話」ってどうやるのよって問いの答えが、しっかりありました。4ステップです。
STEP1の準備が、いっちばん大切だと思いました。そもそも溝に気付かないとはじまらない。けど、自分のナラティブ(物語、解釈の枠組み)を捨てたことのない人は、溝に気付けない。
誰がどう考えても正しい!って自信あふれる意見なのに、全く賛同されなかったり足を引っ張られたり。そんな経験のあるひとはいませんか?(わたしです)
もしかすると、自分と相手の間に溝があったかもしれませんよ。溝の存在に気付くためには、自分のナラティブを一旦横に置くことらしい。まず、ここから始めようと思いました。むすこ(4)とのやりとりからだな…😶
上司、組織を悪者にする逃げ道はダサい
実家とは対照的に、わたしは比較的大きな企業で勤めてます。
今のところ←平社員のひとりなので、世知辛い思いをして愚痴ることもちらほら。。
でもね。大企業病を揶揄する自分こそ、大企業病に加担してるってことです。
せっかくなら奇抜な提案をしたい✨と思ってても、「どうせ上司に蹴られるんだろうな・・・」と思い込み、対話もせずに最初からアンパイな案を見せる。この判断こそ、わたしが妥協してるってこと。
そのくせ、「うちは保守的なんで~」と会社・上司を道具的に扱い、自虐的にけなす。
自分、だっさ・・・( ^ω^)
ママボランのチェックアウトカウンセリングでも同じような助言をいただきました。もう、背中から刺された感覚です。対話もせずに逃げるのはやめよう。戒めを込めて。
「対話」について詳しく知りたいかたはこちらをどうぞ↓
最後までお読みいただきありがとうございました!
おしまい