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弊社の数少ない恒例行事、"合宿"に行ってきた。

弊社の年度はじめは7月です。

2021年に創業してから3年とちょっと、周囲の方々に救われながらなんとか生き延びてきました。

恒例行事のようなものはほとんど無い我が社ですが、毎年7月は期初ということで、いつもと違う場所で丸一日かけてミーティングを行います。

おしゃれなカタカナ用語で言うと「オフサイトミーティング」、ベンチャー企業っぽく言うと「合宿」でしょうか。

ところで、ベンチャー企業がやたらと一日かけて行う全社会議のことを「合宿」と言うのはなぜなのでしょう。

コロナ禍なんて、「オンライン合宿」という完全に意味が破綻している言葉をSNS上で何度も見かけました。
パソコン上でどうやって宿泊するの・・・?

弊社はBBQ事業以外にも屋外空間を活用したサービスを展開していますが、自社のオフサイトミーティングはアウトドアではやりません。

あまりにアウトドアが日常になっているため、「逆に今日くらい室内にいさせてくれよ」という無言の圧力を、メンバーであるワタルとよっしーからひしひしと感じるためです。

創業間もない一昨年の"合宿"(もちろん宿泊はしない)では、さすがにアウトドアと全く関係ない場所でやるのはちょっと・・・という謎の遠慮があり、「室内がキャンプ仕様になっているカフェ」でお茶を濁しました。

それから一年が経ち、「アウトドア要素はなくて良いから、一日中快適な空間にして!」という二人の強いリクエストにより、去年の"合宿"は、万葉の湯で実施しました。

ランチはお座敷、終了後は温泉。最高でした。

そして今年は、ワタルが前々から気になっていたという「木更津にある廃校を会議室にしたスペース」に行くことにしました。

合宿当日の朝9:00。
よっしーの自宅近くのコンビニで集合し、そこから車で向かいます。

ワタルが運転、よっしーが助手席、私が後部座席に座るのが定位置です。

道中はなんだかんだ会話が絶えないのですが、何を話したかはあまり思い出せません。
おそらく、生産性皆無の低俗な会話をしていたのだと思います。

唯一覚えていたのは、アクアラインを通りながら「海の中にトンネル作るってほんとすごいよね」という話になり、そこから深海の話題になったときのこと。

我が子の影響で深海にハマっている私。
しんかい6500という深海探査船が、なぜ水圧で壊れないのかをよっしーに聞かれたので、私は「これまで得た知識を存分にひけらかそう」と得意げに

「しんかい6500が船丸ごと水浸しだからだよ」

と答えました。

私の答えに、よっしーはしばし無言でした。

よっしーは助手席、私は後部座席にいるので、私からよっしーの顔は見えません。

それでも、よっしーが明らかに混乱していて、彼が私に対して「お前は何を言っているんだ」と思っていることが伝わってきました。

「目は口ほどに物を言う」といいますが、目すら見なくとも、人は背中だけですべてを語ることができると知りました。

【補足】深海探査船のしんかい6500が水圧でつぶれない理由はこちら。「水浸し」という表現がおおむね間違っていないことを理解していただきたい。

そうこうしている間に会場に到着しました。
外観はまさに、学校!懐かしい気持ちになります。

が、中に入ってびっくり。
校舎の中は、とんでもなくおしゃれな空間でした。

私たちのミーティングスペースは「校長室」だと言われていたのですが、本当にこんな校長室があったら仕事なんて絶対しない、ボードゲームだらけのおしゃれな空間でした。

ここが校長室。いろいろと信じがたい

さっそくよっしーがふかふかなソファに腰を下ろすと、「あ、このソファやばいっすね」と一言。

その瞬間、校長室に緊張が走ります。
ワタルも私も、その意味を一瞬で理解しました。

このソファ、腰にくるやつだ。

弊社メンバーは全員が腰に爆弾をかかえていますから、腰痛への危機意識は人一倍高いのです。
腰をいたわりながら一日を過ごそうと、皆で誓いあいました。

まずは長時間移動の休憩がてら、「校舎内を探検しようか」と散歩して回りました。

校舎の外には、バーベキューができるエリアがありました。頑丈そうなタープの下、机やバーベキューコンロが置いてありました。

「いいなあ、構造物をおいたままにできるなんて」

タマリバーでは河川敷の制約上、利用の都度機材一式を片付けるスタイルなので、設備を常設できるバーベキュー場への憧れがとにかく強いのです。

羨望の眼差しでバーベキューエリアを散策していましたが、あまりの暑さに散歩もつらくなったので校長室に戻り、「ぼちぼちやりますか」とミーティングが始まりました。

まずは、私から昨年度の実績を共有しました。
もともと資料なんて用意する気はなかったのですが、当日の朝、なぜか6時に目が覚めてしまいました。

ふと「資料つくっちゃうとか、合宿っぽくてかっこよくない?」と思い、家族が起きてくる7時までの1時間で作りました。

「てきとー」と言いながら職人並にこだわって備品をつくるよっしーと異なり、私のてきとーは本当にてきとーなため、私のパワーポイントはこんな仕上がりになりました。

ただの文字の羅列。

さらには「計上漏れがあるはずだからきっと最終数値は変わるよ☆」と記載し、予防線を張りまくっています。

実績と今後の見通しについて皆でディスカッションし、次はワタルのターンに。

今回の合宿の肝である「今後会社で注力したいことをディスカッションする」時間になりました。

きっと社長であるワタルから、メンバーの気持ちが奮い立つような、そんな話があるのだろうと思っていました。

そんな彼の第一声は、

「おれさー、もう体力に限界が来てるんだよね」でした。

え・・・?

今後3年の事業プランとか、ビジョンとか、パーパスについて話すんじゃないの・・・?

若干面食らいましたが、三人しかいない会社だからこそ、今後のことを話す前に「まずは正直に現状の課題や辛いと思ってることを吐き出そう」ということだそうで。

すると、以下のような意見が出ました。

・体力に限界が来ている
・提供するサービスのクオリティ(=お客さんの満足度)が気象条件に大きく左右されることにストレスを感じる
・明らかに体力に限界が来ている
・たくさんいただく新規事業の種になりそうな話に注力したいので、既存事業はできるだけアルバイトや業務委託メンバーにサポートしてもらいたい
・想像以上に体力に限界が来ている
・BBQ事業以外も基本的にスポット案件がメインなので、年間を通して安定した売上を確保するために固定案件を増やしたい
・すでに体力の限界を超えているかもしれない

要するに、「体力に限界が来ている」ことが全員の共通見解になりました。

大きなビジョンももちろん大事ですが、私たちのような小さく、かつ上場!的な勢いのある会社でもない場合、目の前のしんどいことが少しでも減るのは、それはそれでメンバーが安心して働くうえで大事なことだとも思います。

そしてみんなの辛さが共有できると、「じゃあこれらを踏まえて今後どんな仕事をしていきたいか?」という話になり、「こんなことをやってみたい」「この事業とこれを組み合わせたら、こんなことができるんじゃない?」といった、前向きな話が自然と生まれてきました。

ランチ休憩になりました。
併設のカフェでお昼ご飯をゆっくり食べて、午後は、事業ごとにどんな企画を作っていくか等、具体を詰めていく時間になりました。

がっつりとした話し合いの末、本日のミーティングは無事終了。
終了後は、会場の近くのとある施設を視察してから帰ることにしました。

施設の視察が終わり近辺を散歩していると、海に出ました。

散歩していたら海だなんて、なんだかエモくなりそうな展開でしたが、ものすごい強風と強い日差しに体力が限界を超えている私たちは耐えきれず、そそくさと退散しました。

そして行きと同じく、特に何の生産性もない話を永遠として帰路についたのでした。

でも、エモさがどうしても欲しかった私たちは、後日よっしーの動画編集の力によって「イケてるベンチャー風の動画」の制作に成功しました。
こちらです。

最後に、今回の合宿で気づいたことがあります。
私たちの会話が一番盛り上がるのは、車の中だということです。

3人そろって外食をすることがたまにありますが、レストランや居酒屋では、なぜか全然会話が弾みません。ぼそぼそと途切れ途切れに話すくらい。

「最近何してるの?」といった雑談は、日々タマリバーや事務所で散々しているので、もう話すことがないからだと思っていました。

でも、車の中では会話が止まらない。なぜか。
今日、その謎が解けました。

レストランや居酒屋は、向かい合わせになります。
でも、車は、全員が同じ方向を向いています。

つまり、車の中では目が合いません。

目が合わないから、話しやすいのではないか。
つまりは、ただのコミュニケーション下手疑惑。

それでも、「私たちは同じ方向を向いて頑張っていく」という綺麗な話にしてまとめたいと思います。

今年も1年始まります、今後ともよろしくお願いいたします。