<首痛><腰痛><骨折>満身創痍の弊社スタッフたち(平均年齢37歳)...
私には保育園児の子どもがいますが、彼は赤ちゃんの頃から、「眠くなると人の髪の毛を触りたがる習性」がありました。
それは今でも健在で、寝かしつけの時は必ず親の髪の毛を触りたがります。一度「なんでそんなに髪の毛を触りたいの?」と子どもに聞いたところ、若干キレ気味に「おちつくからだよ!」と言われました。
スヌーピーに出てくるライナスが手放さない毛布のように、精神安定的な意味合いがあるのかもしれません。
となると気になるのが、保育園のお昼寝時間。
もしや先生の髪の毛を触っているのか・・・?と尋ねると、
「まさか。じぶんのかみのけをさわってるよ」
と、謎に上から目線な感じで言われました。
「なぜ私がマウントを取られるの・・・?」と思いましたし、それならいつも、自分の髪の毛を触っていてほしい。
先日も外出先からの帰宅途中、車中で子どもが眠くなり、いつもの「髪の毛触りたいモード」に突入しました。
車の後部座席でこのモードが発動されると大変です。
「自分の髪の毛を触ってよ」と伝えるものの「ね、すこしだから!ちょっとだけ触らせて!!一生のお願い!!!」と懇願されるので、私の体は通常ではありえない、こんな体勢になります。
そして、翌日。
目が覚めた瞬間、「やっちまった・・・」と思いました。
左側の首から下が、まったく動きません。
少しでも後ろを振り返る仕草をしようとすると、激痛が走ります。
でも、私は決して慌てません。
何度も腰痛を経験している私にはわかるのです。
こういうときは、むやみやたらに動いてはいけないということを。
ベッドに横たわったまま夫を呼び、非常事態が起きたことを伝えます。そして、いきつけのA整骨院の営業開始時間を調べてほしいと簡潔に伝えます。
A整骨院は、当時2歳だった子どもを抱いてトランポリンを飛び、着地に失敗してぎっくり腰になった時以来、定期的にお世話になっています。
そして、A整骨院は私だけでなく、会社のメンバー全員が御用達。社員利用率100%。いわば弊社の保養所みたいなものです。
首に細心の注意を払いながらA整骨院にいくと、なんと午前中は満員。
私はもう見返り美人になれないのかしらと絶望しかけましたが、午後はガラガラと言われたので、昼過ぎに再訪することに。
ただ、こまったことに午後は夫がBBQスペースの仕事で不在です。この日は祝日だったので、保育園もお休みです。
つまり、整骨院に子どもを連れて行かねばなりません。
A整骨院は子連れOKとうたっている場所ではあるものの、不安に感じながら午後の診察開始に合わせて訪問すると、午前中とは打って変わって誰もいない院内。
すこしホッとしました。
子どもに船の図鑑を渡し、受付エリアで待っていてねと伝え、私は施術エリアに入りました。
いつもの整体師さんに「今日はどうしましたか?」と聞かれ、首が動かなくなった旨を伝えました。
「思い当たることはありますか?」と言われたので、「車内で子どもに髪の毛を引っ張られて、変な体勢になっていて」と伝えると、整体師さんは「・・・なるほど」と一言。
この整体師さんは、「トランポリンの着地に失敗して腰をやった」と伝えたときとまったく同じ、何とも言えない顔をしていました。
「首、ずいぶん痛めているようですね」と言われながら施術の激痛に耐えていると、遠くで子どもがなにやら喋っているのがきこえます。
どうやら、受付の方がお話しの相手をしてくれているようです。
本当にありがたい。
耳をすますと、
「そうそう、これが飛鳥Ⅱでさ、1000人くらい乗れる豪華客船でさ、このあいださ、大さん橋で見たんだよ」
「ぼくがいつか乗りたいのはこの船でさ、プールもついてるんだよ」
「冬になったらお父さんと乗ろうと約束した船があってさ、えーっとなんて名前だっけー、えーっと、えーっと・・・」
嫌な予感がしました。
そして的中。
受付エリアから院内に響き渡る声で、
「おかあさーん!こんどのるっていってたふね、なんだっけ!」
と聞かれました。
こちとらうつぶせになり、歯を食いしばっている状況。
ろくに話せません。意識も半分飛んでいます。
「ご・・・ごめん・・・いま思い出せないから、後で調べる・・・」
と消え入る声で答えると、「わかったー!」という声が。
その後はしばらく静かだったので、「よかった、集中して読んでるな」と安心し、引き続き痛みに耐えていると、また
「おかあさーん!わかったー!"さるびあ丸"だった!!!」
と、思い出した船の名前を報告いただきました。
「ああ、そうだったね・・・」と消え入るようなこえでつぶやきながら、わたしはとにかく一刻も早く帰宅したい気持ちでいっぱいでした。
その後、首付近の施術に入り、その日一番の痛みに耐えていると、なぜか受付にいたはずの子どもが目の前に立っていて、
「おかーさんだいじょーぶー?でさこのふねがうんたらかnt」
お願い・・・お願いだから・・・もう話しかけないで!!!
そんなこんなで二重に疲れましたが、信頼と実績のA整骨院のおかげで、だいぶ後ろを見回すことができるようになりました。
私は運動部経験が一切ないので初めて整骨院の門をたたいたのは大人になってからですが、整体師さんって本当にすごいですね。
なぜ、首とは違う部分を触っているのに首が治るのか。
魔法としか思えない。
週明け、私はさっそく「ナミキは首をやりました。諸君も日々の行動にくれぐれも気をつけるように。ご安全に!」と社内に注意喚起を行いました。
それにも関わらず、その週末よっしーは登山中に足を滑らせて肋軟骨を三本折り、その三日後にワタルはタマリバーの草刈りで腰痛が再発。
弊社は満身創痍です。