甘味がやめられない!その裏に見えるもの
「お菓子は洋菓子ではなく和菓子を選んでいますよ」
「バナナは身体にいいから毎朝食べてます」
甘いものをつい食べてしまう話、本当によく耳にします。しかも毎日のように。チョコの1粒2粒では済まないといった感じ。
この言葉の裏から「本当は糖質の食べすぎはよくないんだよね」という隠れた思いも伝わってきます。
意志が弱いから、と自分を責めているんだろうな。わかっちゃいる。けど、やめられないーー。ある意味本能的な欲望。
こういった話を聞くたびに、彼女たちの身体から悲鳴のようなものが聞こえてくるようです。本当に欲しいのはコレジャナイ……。みたいな。
そう。身体が欲しているのは糖ではなく、それ以外のビタミンだったり、ミネラルだったり。そんな思いが膨らんでしまうのです。
糖質がやめられない理由
糖質がやめられない理由にはいろいろあります。ストレスだったり、病気が潜んでいたり。
そのひとつとして栄養不足が隠れていることも少なくありません。
まずは、糖が体のなかでどうなっているのか、掘り下げてみましょう。
そもそも私たちの体は、食事でとった糖をそのままエネルギーとして使っているわけではありません。それぞれの細胞のなかで、体のどのパーツでも使える共通エネルギー(ATPといいます)に一旦作り替えられ、使われています。
ATP製造ルートには大きく分けて2つあります。
酸素を使わずに作る方法と使って作る方法。そう、あの、呼吸によって肺から調達されてきた酸素です。
前者のルートの場合。
腸から吸収されて血管をめぐり、細胞に入った糖は、さまざまな変化を経てピルビン酸という物質に変化します。そして2個のATPが作り出されます。酸素がいらない分手軽ではありますが、できる量としては少なめ、といった印象。
後者のルートの場合。
前者ルートで作られたピルビン酸は、細胞内にあるミトコンドリアというところに運ばれます。
ここは細胞内のエネルギー生産工場。ひとつの細胞のなかには、数百〜2000ものミトコンドリアがあり、酸素を使ってせっせとATPを作り出しています。ここで作られる数はなんと36個(ブドウ糖)。数の多さは圧倒的です。
このとき、ピルビン酸がミトコンドリアにスムーズに入ることができるよう、手助けしてくれるのがビタミンB群。工場内でスムーズにATPを作るために、鉄やマグネシウムといった栄養素も活躍しています。
しかも、前者のルートは糖しか材料としか使えないのに対し、後者のルートは脂肪も使うことができます。するとATP量は爆増!
本来ならミトコンドリアでじゃんじゃんATPを作り出したいところですが、ビタミンB群や鉄などが足りないと、それも叶わないことに……。
そこで身体はたくさんのATPを作るため、酸素なしで作る方法を懸命に動かそうとします。そこで糖が必要になってくるわけです。
そう。栄養が足りない状況でも、必死にATPを作り出そうとひたすら甘いものを口に入れてしまう、ということが考えられるわけです。
細胞たちのニーズを満たそう
ミトコンドリアにたくさんはたらいてもらうためには、ビタミンB群や鉄などビタミン、ミネラルをしっかりとることが第一。そのためには肉や魚などのおかずをたっぷり食べることです。
個人的にはサプリメントもかなりおすすめ。しっかり使うと変化を感じます。
栄養を満たしたことで糖質中毒から脱した人は、異口同音にこう言います。
「なぜか甘いものを欲しなくなった」
そう。糖質をガマンするのではなく、一心不乱に食べる必要がなくなる感じ。糖の力を借りずともエネルギーを作ることができるのだから、そりゃそうか。
こうなると、スイーツを食べるときも、ちゃんと選び、楽しく食べることができます。本能の暴走とは離れた、コントロールできる安心感。
毎日口にするものが、未来の自分の身体に貢献しているという心地よさ。
ガマンや後ろめたい思いがないって、最高かも。と思うわたしです。