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いざひとり立山室堂へ!

ひとりで北アルプスの山へ登ろう、なんて数年前には考えも及ばなかった。

初めての北アルプス登山はひとりでは心細くて一緒に行く人を探していた。幸い一緒に登ってくれる友と出会い、ここ何年かで北アルプス経験も少しずつ積みつつある。

もともとご近所低山は一人歩きが多いし、推し活(髙木竜馬さんのピアノコンサートへ行くこと!)で兵庫県へ遠征した際はソロで六甲山へ登ってきた。  

そして、今年は畑仲間で山好きの人たちと知り合い、彼女たちが気負わずにひとりで山へ行っているのを目の当たりにし、私もひとりで行ってみようと思い始めた。

立山を愛してやまないKIyocaさんの記事にも触発され、立山へ行きたいなぁと思って、ふと雷鳥荘の宿泊予約サイトを見てみたら、仕事休みの日になんとわずかに部屋が空いているではないか!

どうしよう、、、と迷って一旦サイトを閉じた。でもやっぱり行きたい!と思って再びサイトを開けると、まだ部屋があった!もう予約しちゃおう。

北アルプスの初ソロ登山へ。といっても初心者向けのコースで、地元の小学生が遠足で登るという立山の雄山へ登る。前日に雷鳥荘に一泊してゆっくりしよう。予約して行くと決めてしまえば、もう迷いもなく計画を着々と進めて行くだけだ。

Kiyocaさんから行き方のアドバイスをもらい、黒部アルペンルートweb切符秋の早割チケットをお得にゲット。電鉄富山から扇沢までの富山長野横断チケットだ。新幹線もトクだ値10%オフで富山まで買えた。順調、順調。強いて言えば、立山駅発のケーブルカーの時間が希望していた時間より遅めのものしか予約できなかった。現場で早めのケーブルカーに乗れるか聞いてみよう。

あとは天気と自分の体調。一週間前くらいからソワソワ。天気はなんとか大丈夫そう。体調は左足の爪が気になるが他はまずまずまぁ大丈夫だろう。

心配なのは、熊出没情報。立山の一ノ越で熊が出たニュース画像に驚きを隠せなかった。熊と対峙した際の対処方法など書かれた冊子を読んだり、熊よけの鈴と小さな熊よけスプレーを一応持っているのでそれらをリュックのポケットに詰めた。

夫には「生きて帰ってくる予定です」といつも山へ行くときにいうセリフを言う。「行かない」の選択はない。できる範囲の準備と知識を身につけて、今しか行けないから、行きたいから行く。生きて帰ってくる、と家族に約束する。

大袈裟だけど山は何があるか分からないし、私の父は朝元気にゴルフに出かけていき、プレー中くも膜下出血で倒れて、その日の夕方には意識不明の重体となった。当時56歳。今の私と同い年だ。その後一命は取り留めたものの、意識は混濁したまま一年半後58歳で亡くなった。

やりたいことをやって、行きたい場所に行き、会いたい人に会う。今しかできないことを今やろう。

そして当日。
新幹線に乗り遅れないように、地元駅の始発電車に乗る。飛行機に乗り遅れ経験があるので、乗り遅れだけはもう御免被りたい。東京駅で新幹線のシートに座って発車すると少しホッとする。

富山駅に近づいてくると山々が見えてくる。あれはどこの山かな?立山かなぁなんて思いながら見ていると、もうワクワクしてきてしまう。

新幹線の窓から
そろそろ富山駅に着く頃

電鉄富山駅では、予約したweb切符のQRコードを機械に読み取らせると切符が出てくる。ちょうど特急に乗れる時間だ。特急券は別途400円を現金券売機で買う。特急といってもローカル線そのもの。約50分くらい乗ると立山駅に到着。

初めて乗る富山電鉄
こちらからの車窓もなかなか良いです

立山駅で私がweb予約したケーブルカーの時間まではまだまだ1時間以上もある。案内の人に聞くと、空きがあれば、予約変更手数料500円を支払って早いケーブルカーに乗れるという。平日でも紅葉シーズンが始まり混雑しているため、臨時便が増発されている。ラッキーなことに早めの臨時便に乗ることができた。
500円支払っても秋の早割チケットだったのでまだまだお得だった。

急勾配のケーブルカー
富山発web切符では立山駅発のこのケーブルカーの時間指定をして切符を予約する
良い時間はすぐに満席

満員電車のようなケーブルカーだが、7分間乗れば美女平駅に到着する。そこからは高原バスに乗っていよいよ目的地の室堂へと向かう。

事前リサーチで高原バスからの車窓がいい、とのことだったのでこの高原バスからの車窓が楽しみで仕方なかった。

まずは落差350mの日本一を誇る「称名滝」が見えた時は「おーっ」となり

称名滝
バスの窓ガラス越しなので青っぽいが
見えて感動!

立山が見え始めてくると、「うわぁーっ」となり、

テンション上がる!
この天気に感謝!

剱岳が見えると「なんと!ありがたや〜」となった。

奥に見える剱岳
姿を見せてくれてありがとう!
右手前の棒は雪がここまで積もる印

隣の席になった方ともつい盛り上がってしまった。その方は昔の同僚たちと、ずっと室堂に行こう、行こうと言っていたことがようやく実現して来ているとのこと。皆、色々な思いを持って室堂を訪ねてくる。

そしてついに、、、室堂へ到着。

この景色!
もう言葉になりません。
美しい…


実は4年前に夫と室堂に長野側から来たことがあった。その時は室堂山の展望台までハイキングをしようと計画していたが、10月中旬の頃で初雪が室堂に積雪してしまい、天気は良かったが展望台までは登れず散策のみだった。でもその景色の美しさに心を奪われて、いつかまた来よう、と決めていた。いつかは今だ。

雪の室堂
2020年10月
雪と紅葉と緑の三段紅葉
絵のような景色に魅了された
2020年10月


今回はその展望台へ初日に登ることにしている。

展望台へ向かう人はあまりいなくて、時折挨拶する人がいるものの、ほとんど私独り占めの景色に「あーきれいだなぁー」なんてずっと言いながら歩いていた。

若い二人のウェディング写真撮影風景 
立山バックにいいなぁ
明日登る雄山が見える

しかし午後からの曇り予報が当たってるのか、雲がどんどんと流れてくる。早くしないとガスっちゃう。早る気持ちを抑えて慎重に歩く。整備されて歩きやすいと言いつつ石畳の道は歩きにくい。

雲がどんどん湧いてくる


浄土山への分岐点
浄土山方面は晴れている
浄土山へも登ってみたい
この分岐点から展望台まではもうすぐ

室堂山展望台にようやく到着!

標高2668m
室堂山展望台


やはりガスってきてしまっているが、なんとか立山カルデラを望むことができた。
浄土山から降りてきた人が「あーガスってきちゃったねー。浄土山頂からは山も五色ヶ原もカルデラも全部みえたよ」と。羨ましい〜!

立山カルデラの山肌が少し見える

でもこれだけでも見せてくれて、ありがとうございます。

さて、ここから宿泊先の雷鳥荘まで歩きます。
あらら、すっかり雲隠れしてしまいました。

あっという間にガスってくる
ミクリガ池での眺望も雲多め
雷鳥荘が見える

雷鳥荘に向かう道途中は紅葉が進んでいて赤い色が出ていて美しい。

雲間なら差す光が雷鳥沢を照らしている

しかし硫黄臭がすごい。ちょっとむせてしまう。

こちら側も綺麗!
青空がときどき見える

雷鳥荘到着。とても居心地の良さそうなラウンジもあり、素敵!まずは温泉を。
そうここでは温泉が楽しめるのです。しかも夜中もずっと。こんな山の上でお風呂があるだけでもありがたいのに温泉に浸かれるのです。展望風呂からは奧大日岳などの山々が見え眺望も素晴らしい。リンスインシャンプーもボディソープも置いてある。ドライヤーまである。なんてありがたい、、、。しかもお手洗いもウォシュレット付き水洗トイレでした。

落ち着くラウンジ


8人相部屋

温泉に浸かって部屋でごろっと休んで、さて夕陽でも見に行きますか、と思って外を見るとなんとザーザー土砂降りの雨。ラウンジで夕陽待ちの方たちと一緒になり、山の達人のような女性と山好きで立山にも何度か登っている女性と山話に花が咲く。私はまだまだ初心者なので聞いていているだけだったけど、楽しかった。

そうこうしているうちに雨が止み、外へ出てみようということに。

オレンジ色に染まる雲がきれい
日が沈んで雲が滝のように流れていく様子は幻想的

これでも十分。もうありがたい。神秘的な景色をありがとう。
そこから夕飯を食べて、暗くなったので夜空を見に。

そこでは満点の星空が見られた。三脚を立てて星を撮影している方が
「この縦の白っぽいのは天の川だよ」と教えてくれた。
天の川、ちゃんと見たのは久しぶり。すごーい。iPhoneのナイトモードでも結構良く撮れる。三脚立てたらぶれないでもっと綺麗に撮れるんだろうな。

ナイトモード10秒
どうしても手ぶれする。
星の形が変形しでしまうが、上出来!
天の川も写っている
こちらは3秒だったかな?
こちらの方がまだ星の形が丸いが
画面は暗め

夜空を見ていたら冷えてきた。寝る前にもう一度、温泉に浸かる。
あー幸せ。ひとり旅だけど、色んな人たちと話せて楽しいし、新たに知ることも多くて為になる。

明日は雄山に登る予定。
午後からやはり曇ってくる予報なので朝早く出発する。朝食はお弁当にしてもらった。今日も一日良い日だった。明日はもっと良い日になる。おやすみなさい。

続きは次の記事で。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

#挑戦してよかった

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