会って、話すこと
「今度会おうよ!」
コロナ禍を経て、オンラインで人とコミュニケーションを取ることも増えて、そんな約束をすることも気づけば減った日常生活。
子どももいるし、仕事もある。
毎日時間がないと感じている。
それでも私はやっぱり「会って」話をしたいと感じることがあります。
そんなある日、ネットサーフィンをしていて、SNSで知った一冊の本。
おじさんふたりが世間話のように話すこの本は、気づくと私の暮らしにすっかり染み込んでいました。
今日はそんな本から私が感じたことのお話。
会って話すことの難しさ
現代ではメールやチャットなど、話したい時や伝えたい時にすぐテキストで連絡が取れるようになりました。
またコロナ禍を経て、遠方の友達ともオンラインで飲み会をしたり
現地に行かずともセミナーを受けることも増えました。
それでも私は直接会いたいな〜と思うことがあります。
オンラインでも事足りるのだけれど
会って、一緒にお茶でもしながら話がしたいと思うのです。
けれど
「これ!」っていう話があるわけでもないければ
わざわざ出かけて、時間を取ってもらうほどではないのです。
会って話をするってこんな難しかったっけ?
選択できる手段が増えた今だからこそ改めて難しさを感じています。
私的この本の魅力
この本のすごいところは
大切なことや重要なことが何気なく書かれているところだと感じています。
普通のビジネス書や実用書、教科書や参考書って大切な部分や重要な箇所は大きな文字や太字で強調してある。
ここが大切ですよ!って言ってくれていることがほとんどです。
そこだけ覚えれば、テストで困らない。
斜め読みでも、大体内容がわかるようなつくりになっている本が多いように思います。
けれど、この本はあらゆるところに名言が飛び散っているのです。
太字はもちろん大切なのかも知れないけれど
うっかりしてたら読み飛ばしちゃうところに、名言が落ちていました。
本文じゃない、コラムや何気なく話されている対談の一文の中に
ぐさっと刺さるワードがある。
そんな宝探しのような感覚でした。
そんな、読者に委ねられている自由度、熱すぎない温度感が非常に心地よかったです。
本が日常に染み込んだ体験
この本を読んだ直後、面白かったなとしか感じていませんでした。
けれど、時間が経つごとにこの本がじわじわと自分に染み込んでいて、日常の隙間に顔を見せていることに気がつきました。
そのひとつにこの本の中で
「会話はまず謝意から始めよう」
というものがありました。
読んでいた時は「はいはい、よくあるやつね」的に思っていたのです。
しかし、人にメールやチャットを送る際などにこの一文が頭をよぎりました。
そこに一言謝辞を挟むだけで、なんということでしょう!
非常に優しく、マイルドな文章になりました。
ビジネス書や実用書のように強制力がある書き方はされていないのに、自分自身の日常に気づくとこの本は自然と染み込んでいました。
学んだことを活かす、それは当たり前のこととしてありましたが
学ぶつもりなく読んでいたことが自分の実生活に染み込んで生かされる。
それは私に取ってすっごく不思議な感覚だったのです。
会って話すは尊い
話すって難しいし、悩んでる人って多いよね。
だからこういう本が必要になるし、流行るんだよね。
そんな風に私は思っていました。
コミュニケーションや人との会話、人間関係はストレスの宝庫
だと私が感じていたからです。
けれど、この本を読んでからは
「人と会って話すことを怖がらなくても大丈夫なんだ」
という気持ちになりました。
私は人と話すことが好きです。
自責したり、卑下したりもするけれど、人と話すことが好きです。
傷ついても、嫌われても、嫌な気持ちになろうとも。
それでも話したい、人に会いたい。
それがどれだけ尊い感情であるかをこの本で改めて教えていただいたような気がしています。