高齢化社会と向き合う花教室
クリスマスツリーやリースに彩られ、街は年末の顔をしている。
そして、私のリースレッスンは半分を終えたところです。長く教室をしていると、自分と一緒に生徒さんたちも歳をとります。
毎年、悩ましいのはお声掛けのタイミングです。毎月来る方々は良いのですが、クリスマスリースやお正月のお飾りを毎年作りに来る方々をお誘いする場合。
今年も、色んな方々がいらっしゃいました。大病を患い療養中の方、離婚協議中の方、ご家族がコロナに掛かった方、ご両親の介護中…などなど。
昨日は、現役時代に素晴らしいキャリアを築いた方が、のんびりとリースを作りにいらした。今年80歳を迎えられて、実は少し気弱になっていたのだと、ポツリポツリお話しくださった。
実は、彼女にリースレッスンのお誘いをして良いものか、迷っていました。毎年、作りに来ているのに、お声掛けしないのも変だろうし…でも、無理にお誘いしても…と。
「やっぱり生のリースはいいわね〜。香りが素晴らしいわ!」と、手作業に没頭する姿を見て、来年もお誘いしようと思うのでした。
さて、リースの完成を見届けた頃。気を利かせた夫が急に鯖を焼き始め、先日の旅で買って帰った納豆をかき混ぜる。
あたり一面、森林の香りが、焼き鯖にかき消されて行く…
しかしゲストは「嬉しい!鯖ずっと食べたかったのよね〜。納豆も大好き!」と、一気に花より団子モードへ(笑)。
私は急いで、辛口のクレマンダルザスの栓を開ける。
シャンパーニュというのは、シャンパーニュ地方で作られたものに限られます。クレマンは、シャンパーニュと同じ製法で作られる高品質のスパークリングワイン。フランスの一般家庭では、シャンパーニュよりこちらの方が人気なのです。
おいおい、焼き鯖にクレマン合わせるのもうちくらいだろう〜と、思いつつ、「こういうのが嬉しいのよ」っておっしゃった。
リースを作って、食べて飲んで笑って。そうして気力を漲らせ「そうね、もうあと10個リース作りに来たいわ!」と、元気に帰っていかれた。
恵比寿ガーデンプレイスには毎年恒例のバカラのシャンデリアが登場し、キラキラしています。希望の光です。