美とは、生と死のハイブリット
香り、質感、色、その全てが並外れた花、芍薬。
特に今回は、芍薬と牡丹のハイブリット種である「コッパーケトル」という品種が悩殺レベルで参りました。
花仕事というのは死を生きるテーマにするようなものです。私など、死について考えない日はありません。それは子供の頃からずっとそうだった。
ゆえに、天職ってことかもしれません。
香りはいつか死臭に変わるし、張りのあった花びらや葉も瑞々しさを失い、ある日パラリと散っていく。
大地から切り離されたこの切り花は、特に、老化のスピードが加速する。
花の延命はビジネスチャンスとなってきました。
それは、質より量の消費社会が編み出したあれこれです。
芍薬の花の前では、耽美主義にならざる得ない。
美こそ生きる価値と思えてくる。
死と共に生きる希望がそこにあるから。