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甘くてしょっぱい春

生徒作品

今朝は随分と道が空いていて、祝日なんだったと気付く。生花市場は祝日関係ないので、みな曜日で動く習性になっています。

今月のレッスンテーマは「春のファンタジー」。柔らかい色調のラナンキュラスをメインにアレンジします。

オンライン参加の方は、メキメキと写真撮影が上手くなってきて、頼もしい限り。

写真を撮っているそばからどんどん蕾が膨らんで、心躍る瞬間を楽しまれたそうです。

今日が春分の日。すると明日は父の命日。

だんだんと記憶が薄れて行くけれど、沈丁花の甘い香りが強烈に記憶に刻まれています。

ああ、それから私の喪服のすそ。

義姉が全員の(兄を除く)喪服を自宅に忘れて来て、「たまきちゃん!後お願い!」と、慌てて取りに帰った為、まだ幼かった3人の甥と姪たちに泥んこ靴を履かせなければならなかったのだ。

新調したばかりの喪服のスカートが、粉が吹いたように薄汚れてしまって、ガムテープを探したなんてつまらないことばかり覚えている。

当時はびっくりしたけれど、今ではすっかり笑い話です。

甘い香りと、笑える思い出だけを残して去った父なのだ。


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