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2024.10月 第2週の日記


10月6日(日曜日)

昨日はずっと雨だった。
多摩川の花火大会は行われたのかなぁ。

昨日は色んな方とお話して楽しくて胸がいっぱいになったので、
今日はあたまやからだを休める時間。
そしてまたしばらく本を読む時間が続きそう。

『男子ごはん』を観ていたら、太一くんが
人見知りはしないけど、ふたみしりはするんだよね、と話していて
私もそうそう、とテレビの前でうなずきまくった。
人見知りにそういう数え方があったのは初めて知ったけど。

初対面のほうがこわいもの知らずで話しかけたり、
思うままに話したりできる。
また会いましょう、と二度目に会うほうがあれこれ考えてしまい、
会う前から緊張が始まる。
関係を持続したいと思うほど却って固くなってしまう、というか。

母がスーパーで買ってきた、鮭とイクラのルイベがとても美味しかった。
麹のつぶつぶも入っていて、とろんとしている。
あつあつごはんに乗せたり、大根おろしと食べたり。
お正月の味がした。


▶︎いただきものの
ほうとう

10月7日(月曜日)


ときどき日が射してなんとなく蒸し暑い。
起きてもスイッチが入らず、あたまがぼーっとしている。 

朝、家のドアに入っているはずの新聞の朝刊がまだ届いていなくて、父がそわそわしていた。
あとで電話して訊いてみよう、と母と話している。

お昼を買いに外に出たら、だいぶ蒸し暑かった。
午後は先週の仕込みが功を奏して、スムーズに作業が進んだ。
余った時間、少し眠くなった。

帰りの電車に乗り込む瞬間に、会社でお世話になっている警備員さんとすれ違い、どうも、という感じで会釈をされた。
よく気づいたね、という距離だった。
昔からなぜか、会社のお掃除の方や警備員の方とわりとすぐ親しくなる。
といっても挨拶程度なんだけど、親切にしてもらうことが多くて感謝している。

帰り道、『三』みたいな三段重ねの雲の横に三日月があった。
まだ細かった。
くどうれいんさんの『日記の練習(NHK出版)』という新刊が届いていた。

晩ごはん後に眠たくなり、30分くらい横になっていた。
目が覚めるとテレビが付いたままで、九重部屋のまかないの特集をやっていたので、すかさず観る。
あのお料理上手な板長さん(千代青梅 関)が調理する様子が大好きで。
大鍋に業務用のお醤油など大きいボトルでとぷとぷとぷと回し入れて、
味付けは豪快と思いきや、
お肉は下茹でしてアクをあらかじめ出してから、うま味をとじこめておくとか、繊細なひと手間が加わって本当に美味しそう。
見ていていつも幸せな気分になる。


10月8日(火曜日)


朝から雨。
上着がないとこりゃ寒いな、という感じ。

イベント以来まだ余韻をひきずっていて、あたまがぼーっとしているけど、
みんな散り散りに元の生活へと戻っているのだろうな。
猫村さんなら、こんなんでプロの仕事が務まりますかっての、と自分を鼓舞するのだろうな。

母が朝ドラに見入っているので、小さな声で「行ってきます」と声を掛けて家を出た。
しばらく歩いて角の所でうしろを振り返ってみると、
2階の通路から飛び出るようにして、こちらへ手を振っている母の姿が見えた。
曇り空に母の鮮やかな黄色いTシャツ。
そんなに慌てんでも、と思うとなんだかちょっと泣きそうになった。

今日はずっと雨と聞いていたから、大きくてしっかりとした傘を持って出たのに、
カバンの中には折りたたみ傘も入ったままになっており、傘を二本持ち歩いていたことになる。
あぁ、無駄にカバンを重たくしてしまった。

電車は少し混んでいた。
「もしもピアノが弾けたなら」の
♪ 雨が降る日は雨のように~、というメロディがあたまの中で流れる。
(私は大抵、あたまの中で唄をうたっている)

来週の月曜日(祝日)は、いつも会社に出入りしている集荷のお兄さんが来られないそう。
単純に相槌を打ったら、
稲刈りなんです、いやこれマジな話、と
何も突っ込む前からおっしゃるので、
どこで?と聞いたら
秋田で毎年5月と10月は稲刈りなんですって。
なんだかうれしそうな、笑いをこらえているような表情をされていた。
がんばってください、と伝えた。

帰り道の途中からだんだん雨脚が強くなり、心なしかさらに傘が重たく感じた。

帰宅すると、雨天続きで散歩へ行けない父がオーディオのスピーカーの位置をあれこれ調整している。
ときどきガタッと崩れる音がして、何やら手こずっている様子。
スピーカーの前面を持ち上げて、より音が良く聴こえるようにしたいと考えているみたい。
(途中、ラジオでエアロスミスのライブが放送されたそうでパワフルでカッコよいと、いたく感激していた)

母が「もう何回やったって変わんないのよ」、
父は「いーーのっ!」って、
そんなやりとりが続いている。

私は両者の気持ちがわかるから、なんとも言えない。
私の本質は父に似ているから、いいからほっといてくれ、
と思っているんだろうな、多分。


10月9日(水曜日)


雨で地面がじゃばじゃば言っている。
駅まで歩くと15分くらいあるので、バスに乗ることにした。
上着も着たけど、なにか首にも巻きたいような寒さ。
バスを待っている間も早く来ないかなぁ~と。
私の撥水スニーカーでは雨は凌げず、足も冷えた。

いつだったか、前にも大雨の日にバスに乗ったら、私の腰くらいの身長の小さな女の子がどこかの制服を着て
混んだ車内で両手で手すりを握りしめて、お母さんと一緒におとなしく立っていたことがある。
小さな手がきゅっとしている。
あんなに小ちゃけりゃ、外の景色も見えないし。
えらいな〜良い子だなあ〜と胸がきゅっとした。

駅に着くと、ホームに靴下が落ちていた。
濡れたときの履き替え用かな。
ふたつをゴムのところで、くるんと返してひとつにまとめてあった。
落としたひと、あとで困っているだろうな〜

午後、上司と面談があった。
日頃気になっていることを一部話した。

いつの間にかまたふくらはぎを蚊に刺される。
蚊はふくらはぎが好きだなぁ。
こないだ刺されたところの跡もまだ治っていないというのに。
たぶん会社の机の下にいつも隠れているんだろうな。

帰り道、久しぶりに晴れ間、夕焼けが見える。電車に乗っている間にすぐ暮れてしまったけど。
車内では長靴を履いているひとをよく見かけた。

家にもうすぐ到着する頃、まぶたを閉じる寸前みたいな、
細い夕焼けが雲の隙間から見えた。

食後、エイトジャムの2000年以前と以後の名曲サビ特集を見ながら、
一緒に歌ったり踊ったりして、洗い物も同時に片付けた。


10月10日(木曜日)

10月10日は一年で最も晴れる回数が多い日と聞いたことあるけど、
朝からもやーんとしている。

秋の方が花粉症を感じやすい。
何度も鼻をかむ。

お昼休み、パートの河本さんと珍しくふたりきりだった。
なにを話そう、ってあたまの引き出しを一所懸命かき混ぜる。
でもそんな心配は無用で、河本さんは勝手によくしゃべる。
美味しい料理屋さんとか、私の隣の席へ移動してまで情報を見せてくれた。
そのあと、水戸さんに関する話題になり、ほんの少しだけ打ち解けた。
河本さんはあっけらかんとしていて、思っていることは大きな声で何でも口にするように見えるけど、案外そうでもないのかも。
(*個人名はすべて仮名です)

帰り道、ほわっと三日月が照らしていた。

昼間に録画してあった、映画『お早よう』(小津安二郎 監督/1959年)を母と一緒に観る。
集合住宅に暮らしている奥方は巧妙なうわさ話をしていて、こういう世界ってどの時代どこにでもあるのだなぁ、と感じる。
こんな表情のひと、私も見たことがあるような気がしてくる。
殿方はお酒を酌み交わして、静かに労い合っている。
こどもたちはみんなのびのびとしていた。
いろんないざこざが、特にがむしゃらにやることなく、いつの間にか片付いている。平和で呑気で胸がすかっとする映画だった。


10月11日(金曜日)


このところ雨続きだったので、
朝、陽が出ているだけでありがたい気分になる。

お昼、外に出てお蕎麦を食べた。
お蕎麦を食べると、なんか清々しく働いているサラリーマンの気持ちになる。白シャツのイメージ。おつゆの匂い、薬味のねぎの匂い。

夕方、とあるファーストフード店でお茶しようと着席したら、
お客さんのほとんどが高校生くらいの学生さんたちで、
それぞれのグループでぺちゃくちゃおしゃべりしていた。
ひとりの女の子がアルバイトを探していて、まわりの子たちが色々アドバイスをしている。面接のこととか時給とかマネージャーのこととか。
私は埋もれてこの日記を無心に書いていた。
16時半くらいになったら、急に静かになってみんな机で勉強をし始めた。チャイムも鳴っていないのに教室みたいだった。

帰り道、消しゴムでこすったら消えそうな月。
明日は病院だから早めに休もう。


▶︎私的には
宮崎アニメのような空のいろ


今週もおつかれさまでした。

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