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小学一年生と過ごした教員一年間を振り返って

教員一年目が終わろうとしている。

まだ実感はないがどうやら来年度がくるみたいです。

今年度一年間を振り返ると、本当に一年間なのか?と疑うような濃い日々でした。

教員になった喜びと不安に押しつぶされそうになりながら、結果コロナでよくわからない日々を過ごした四月

行われるかどうかわからない不安の中、緊急事態宣言に伴って、前日の急な予定変更で決まった青空入学式。

子供一人一人の名前を呼ぶも、会えたのはわずか30分

緊張もあったし、保護者からの若過ぎないかという不安の眼差しを浴び、ほとんど子供のことを思い出せない自分に苛立ちを隠せなかったことを覚えています。

入学式の次の日から学校には週に一度しか行けなくなり、なんとかできることがないかと若手でzoomの勉強会をしたり、管理職と職場でzoomを繋いでみたり、zoomのやり方の説明資料を授業作りと並行して行った休校期間。

緊急事態宣言が終わり、分散登校で子供達の会うことができるようになり、担任としての自覚と言葉に表しがたい感動を覚えた五月

ひらがなの勉強で言葉探しを取り入れて、子供達の語彙を増やそうとした実践は手応えがあった。

学校が始まり、一年生の担任として子供と楽しくやる中で、全校zoom集会に挑戦した六月

算数で問題作りをさせ、自分たちで問題を作り、解き合う喜びを噛み締めた子供の姿は今でも記憶に残っている

クラスの頑張っている子が損する姿を見て、学びやすさと過ごしやすさについて真剣に考え、学習規律と自由の間に揺れ、悩んだ七月

この時期は病んでるみたいでつらかったな〜

特別支援教育を学んでいた身として、特別支援教育のシステムと現状に対する違和感と、歯痒さを感じ始めたのもこの時期でした。

自分の力不足を自覚し、授業者としての視野の狭さを知って苦しみ、学校外の活動でもリーダーシップとは何か考えさせられた八月

算数の自由進度学習をプリントを用いてやろうとして、子供は楽しそうだったけど、学びに向かえていなかったこと、教科のねらいを明確にできていなかったこと、とりあえずやるで終わっていたことは大きな反省事項

自分に引きつけ過ぎない自律した集団作りをする力がないと自覚し、諦めて自分に引きつけながら褒めて褒めて子供を伸ばすことを決めた九月

初任者研修の研究授業でやった道徳は内容は個人的にはそこまでだったけど、子供たちが一年生なりに頑張ってくれて、周りの先生方からの評価が変わり出したのを肌で感じた。

授業者としてこなしている自分に気づき、教員としてこのまま公立で働いていくのか悩み、本気で転職も検討した十月

漢字の広場の実践は言葉探しと相性が良く、漢字テストは裏側にテストに出た漢字を使って言葉を書けば書くほど点数が伸びるスタイルを導入。漢字の勉強が好きな子が溢れたのは幸せだったと思う。

子供たちの可能性に圧倒され始め、ワクワクしていることを抑えきれなくなった十一月

道徳の授業で、円形を用いた対話を開始し、一年生なりに「どうして誰とでも仲良くするのか」「ルールは守らないといけないのか」みんなで考える姿に、圧倒され始めた。

子供の可能性を広げることに注力し、教育者として充実感に溢れていた十二月

係の複業制度を導入。やりたいだけ係をやることができ、二週間に一度の発表、やりたいとクラスのみんなを笑顔にすることが実現する係がいくつも生まれ、働くとは何か、やりたいこととは何か多くの子が考え、感じている姿を見て目の当たりにした。

子供たちに教室の主導権を委ね過ぎて、自由と自分勝手のバランスが取れなくなって悩んだ一月

ルール作りに挑戦し、扉に入口と出口を作り、本当にぶつかる人が減るのか検証した。練り消しをどうするかはクラスみんなで話し合い、結果的にうちのクラスなりのルールを作って、誰一人不満を言うことがなかった。クラス遊びは一人の子の想いから、何度も話し合い、やり方も頻度も何もかも変えたが、話し合いの目的はズレることはなく、みんなで納得できているように見えた。

もう一度規律に立ち返り、来年度に向けて、動き出した二月

挙手のない授業では、挙手して発言する力と、挙手がない中で自分から動くことができる力の違いを肌で感じ、子供達だけで物語をまとめるように話し合いに取り組む姿勢に、一年生だからできないなんてことはないと痛感させられました。

保護者と子供から来年の担任の話をされることが増え、どんどん別れが惜しくなってきて、実はクラスの子が好きだったことを自覚してしまって涙脆くなった三月

体育の自由進度学習を取り入れ、自分でも目標を設定しながら取り組むことで、比べないで自分の限界に挑戦できる姿に感動を覚えました。

サッカーでは、毎時間めあてを決め、シールで貼る方法を取り入れました。自分なりに視点を絞って活動することができ、子供たちが成長していることが目に見えてわかるのが楽しかったです。

最後の学級会は、子供たちが自分たちが司会で話し合いを進め、工夫まで決めることができました。もちろん課題はありますが、一年生でもアイデアを出せること、自分たちで決めて、集会で形にしていけることを教えてもらいました。

そして、最後の日

子供たち一人一人に言葉を送り、似顔絵付きの下敷きをプレゼント

みんなで寄せ書きを書き合い(一年生でも書けるんですよね)、僕から最後の言葉を伝えてもらって、クラスの子が5分の1泣くという想定外の展開で、涙ながら一年間を終えました。

僕は、あの子達に先生にしてもらいました。

「僕を先生にしてくれてありがとう。」
「僕の初めての担任したクラスの子になってくれてありがとう。」

本当に子供に保護者に周りの先生に助けられた一年間でした。

今年度は慣れることに精一杯でした。

来年度は、もう少しマシな教育実践家になりたいなと思いつつ、学校外でも新しいことが始まるので、「始める一年」にしていきたいと思います。

こんな僕ではありますが、今後とも温かく見守って頂けると幸いです。

最近、こんな若手を見つけたので、応援しておきます。負けてられない。

教員一年目が民間人と起業して、せんせいとみんなと混ざり合う場作りに挑戦!!(クラウドファンディング)
https://camp-fire.jp/projects/409797/backers

では

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小泉しのぶ(小学校教諭×起業家→教育委員会×起業家 )
サポートして頂いたもの、全て教材の作成費用等の子供たちのために使わせて頂きます。

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