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ガラスコップシリーズ

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ガラスコップを割ってやった日記。

ガラスコップを割ってやった日記。

開いた傘をそのままに、坂を下る。宛ら追っ手から逃れんとする犯罪者のように。

 今日は早朝から、雨が降っていた。雨の日。雨音も鉛空も、嫌いではない。然し、軋むような偏頭痛があるから、どうしても好きにはなれない。一層の気鬱さから、私は二度寝に耽る。二度目の起床は、比較的早く覚めた。今日の目的を思い出したからだ。
私は起き上がると、身体に纏わりついた倦怠感を振り落とすべく、挽きたての珈琲豆を使った珈琲

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鬱病患者、ガラスコップの旅にでた。その日記。

鬱病患者、ガラスコップの旅にでた。その日記。

旅というか、家出というか。何というのか。

夕方突如思い立った故の一人旅。直前に予約して素泊まりできるのはこんな山奥にしかなかった。帽子に長い髪を丸め込み、男装ぶった格好で歩く道すがら。街頭の少ない峠を上り、漸くして辿りついた宿舎。いやはや、それにしても…着いてしまった。途中道の暗さに身も震えたが、月を見上げては安堵と感嘆。                                    

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海から帰った後。眠る前に綴じる日記。

海から帰った後。眠る前に綴じる日記。

前途多難ながらも、何とか海に辿り着いた私。そして、ガラスコップに言葉を綴った私。というのが、今日旅もどきを試みた私の成果。

以下に残すは、その成果の日記。誰に届けるわけでもないが。達成感を忘れないために日記の続きを書いておく。

まず、海は案の定、寒かった。
吹く風は強風だ。潮の匂いを纏う強風に水飛沫が霧となり我が身を襲う。そして何より海は、酷い。荒波に白泡を吹かせ、青や透明より黒に近い水が押し

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海に向かう道にて。雨宿り中の日記。

海に向かう道にて。雨宿り中の日記。

これまでの日々が嘘のように、寒い今日。
昨夜の雨が熱を奪ってしまったらしいと、朝方から珈琲を入れながら。
薬を飲み、思考の安定を待つこと数時間。はたと、旅に行く練習がてら散歩に行くことを閃いた。
目的地は、海。以前の散歩をSNSで呟いたとき、「海に行きたい」という同胞の呟きが流れたのを思い出したから。家族には寒いだろうと笑われたが、だからこそなのだと息を巻いて荷物を抱えた。
寒い海は人が少ないから

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ガラスコップの旅に出たい。

ガラスコップの旅に出たい。

そうだ、旅に出よう。

陳腐で安直な発想が、今日一日の成果。

莫大で不毛な自問自答は、やめれば終わることだが、終わらせるには惜しいと思うのが、今日この頃。態々精神を壊してしまったのは、諦めたつもりで諦めない自分がいることだと思うのだ。一度諦めたはずだった自己と向き合う最後のチャンスはこれだ。これさえ脱却すれば、何かしらを得るはずなのだ。模範解答とまではいかずとも、大幅な変化とまではいかずとも、今

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