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障害者雇用と障害受容 ~個性を大事にする就労~

「みんなほんもの」

トマトがねえ
トマトのままでいれば
ほんものなんだよ

トマトをメロンに
みせようとするから
にせものに
なるんだよ

みんなそれぞれに
ほんものなのに
骨を折って
にせものに
なりたがる

引用:「いのちいっぱい」相田みつを

僕の1番好きな相田みつをさんの詩です。


難病患者の就労や障害者雇用で最も大切なものは「自分らしさ」ではないかと思っています。


「個性」を大事にできる就労支援を行いたい。


かつて、短い間ですが、僕も障害者雇用で就職したことがあります。
ですが、その就職活動に「自分らしさ」なんてものはありませんでした。

僕は行政書士の資格を所有していたので、法務の仕事を希望していました。
しかし、障害者雇用の転職エージェントには、法律の仕事では障害者の求人はあまりないから、プログラミングやITの資格を強調してくれ、一般の事務職で就職してほしいと言われ、あまり納得できないまま就職活動が進められ、就職することに至りました。

試験の難易度で言えば、1ヵ月程度の勉強で取得できるプログラミングの資格より行政書士の資格のほうが難しい試験なので、価値があると思っていました。
だけど、「障害者雇用においては高度なスキルより軽易なスキルで雇いやすいほうがいい」、「職場で活躍することより、職場になじむことを考えたほうがいい」と言われたことがショックだったのを覚えています。

大学の専攻も法律でしたので、門外漢のできもしないプロミラングをできるような履歴書を作らされたり、知りもしないITの知識で人を騙すような面接の練習も辟易しました。


この経験から。


「自分らしくあること」より「企業に求められる障害者像」に人間を矯正するかのような転職市場には、疑問を持ちました。


難病患者や障害者に限った話ではないのですが。

現在の就職活動は、ダメ出しの連続で自己肯定感が削がれることは社会課題であるように感じます。

「できない」ことを「できる」よう見せかける就職って意味があるのかな。
まやかしのような気がして。

小手先の誤魔化しで就職しても、その後のワークライフの質が上がるとは、僕にはどうしても思えないのです。

だから。
僕がひとりひとりの「働く」の質を上げるようなオーダーメイドの就労支援を創り上げたいと考えています。

そこで。
皆さんに知ってもらいたいことがあります。

「障害受容」についてです。

障害受容とは。
病気や障害をありのまま受け入れて、自分の不幸と折り合いをつけながら共存していくことです。

とは言っても。
自分の病気や障害、困難をありのまま受け入れる、向き合うことはとてもつらいことです。

実は、僕も、この障害受容がず~っとできませんでした。てへ。

23歳でクローン病になってから、30代前半まで自分の病気とは向き合えませんでした。
病気のせいで、みんなと同じものが食べられないことが悔しかったし、みんなといっしょに遊びに行きたいところに遊びにいけないこともイヤだった。
だから、ず~っと好きなゲームをしたり、ず~っと好きな音楽だけを聴いて1日を何も考えずに感じないように過ごしてきました。


そうしたら。


あっというまに、おっさん!

ほんと、あっというま。


何にもできないおっさんが完成してしまった!


自分の人生に焦りを感じたのは、障害者雇用の就職先で失敗したあたりだったかな。
新しい仕事なんて見つからなくて。

追いつめられて、どうしていいかわからなくて、怒ってみたり、泣いてみたり、メンタルクリニックにも行ってみたり。
メンタルクリニックには一時的な適応障害で、なんでもないって言われたけど。


お金も稼げないし、もうダメだ、生きていけないと思った。


でも、俺もどこかノー天気な性格なところがあって。

どうせ生活保護になるなら、最後にできるかぎりの力を尽くして、新しいことをやってみようって思えた。

どんなに泣いたって、怒ったって。
もう病気になる前の自分は帰ってこない。
だったら、過去を振り返っているだけの日々に意味はないかなって。


失敗したって、もう失うものはないんだし。
失敗する未来でも、後悔する選択はしたくないじゃん?


それこそ、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、みたいな。


すると。
自分の病気も不幸も、いつのまにか、ありのまま受け入れられてた。

まあ、僕の経験は、みんなの参考にはあまりならないかも。ゴメン。


言いたいのは。


昼夜逆転してネットゲームばかりやってて、2ちゃんねるで叩かれまくってたどうしようもない奴でも、障害受容できれば、社会保険労務士にだってなれるぞっていうこと。


「自分らしさ」って、自分の見て欲しいところだけ、都合のいい自分だけを見てもらって「自分らしい」とは言わないと思うんだ。


良いところも、悪いところも、すべてを含めて「自分」。


「自分らしく」あるためには、まず「自分を知る」こと。


そのためには。
すごく悲しいことだったり、苦しいことだったりするかもしれない。
大変なことかもしれないけど、自分のありのままを受け入れて欲しいと思うんだ。



自分の「できること」と「できないこと」の見極めができるようになるから。


困難を抱える人間には、このことが本当に大事なことで。

自分の「できること」と「できないこと」の見極めができるようになれば、自分の可能性が広がるから。


障害を受け入れる、受け入れない、それはその人の自由。


ただ僕は、障害を受け入れたら、より良い生き方ができるようになった。

「サポート&サクセス」


多摩平あおぞら社労士事務所の理念です。


就職氷河期もあって、僕が失敗つづきの人生だったからかな。

相談者には、小さな成功を重ねていけるように。
それが、大きな成功につながるように。

ひとりひとりのための支援を一緒に考えていきたいと思っています。


今までの僕は、失敗ばかりの人生だったけど、それも悪くなかったというか。
ピラミッドのように、10の失敗の上に、1の成功が出来上がってくるものだと思っています。
「失敗から学ぶ」ということは、とても大切だと実感しています。


トマトはメロンにはなれない。
だけど、ピザにはトマトが欠かせない。
高級なデザートではないけれど、みんなが集まるホームパーティーのメイン料理になれる。


だから、僕はそれぞれの素材が生きるように。
個性を大事にした支援をしていきたいと思っています。


就労支援において。
相談者の踏み出す1歩の勇気には100歩分の価値がある。


挑戦することそのものに意味があるんだと思います。

そして、その一歩を無駄にさせない仕事をしたい。

つまずいたっていいじゃないか
にんげんだもの

引用:「にんげんだもの」相田みつを

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