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自分のパンツは自分で洗え

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〜34歳恋愛小説家が全力で婚活した一年間〜 婚活といえば何を思い浮かべますか? 街コン、婚活パーティー、マッチングアプリ、結婚相談所……それぞれの活動を赤裸々に綴ります。 …
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自分のパンツは自分で洗え~3、あなたの精子は老化しないんですか?②

自分のパンツは自分で洗え~3、あなたの精子は老化しないんですか?②

「普段、あまりカフェには行かれない感じですか?」
「そうですね、缶コーヒー飲むだけで」
「缶コーヒーも美味しいのたくさんありますよね」
 プライドを傷つけないよう、コーヒーの頼み方は自分もわからないふりをしたのだが。Dさんは「いやー、わっかりませんね」と鼻で笑うばかり。
 やがて運ばれたコーヒーは、こだわりの店だけあってとてもおいしかった。素直においしいと感動する私と対照的に、Dさんは無言で口をつ

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自分のパンツは自分で洗え~3、あなたの精子は老化しないんですか?①

自分のパンツは自分で洗え~3、あなたの精子は老化しないんですか?①

 プロフィール写真を変更してから、会員サイトのマイページにお見合いの申し込みが続々と届いた。
 入会してすぐ、天童よ〇みの写真の時期とは申し込みのペースが違った。その露骨さに、嬉しさは感じない。
 プロフィールが公開されたのは10月下旬、本格的に活動が始まったのは何の偶然か34歳の誕生日一か月前だった。仲人からの紹介と自分からの申し込みは月が替わるとリセットされてしまうため、残る10日でこちらから

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自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み④

自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み④

『田丸さんがどうしてもお写真に納得できないというのなら、プロのクオリティには及びませんが、わたしがあらためて写真をお撮りしましょうか?』

 天童よ○み写真への嘆きメールを確認した桜田さんから、その提案が来た週末。私は再び結婚相談所のオフィスを訪れていた。

 相談所の活動は担当仲人との二人三脚だが、対面でやりとりする機会は限られている。活動中の主なやりとりはメールや電話。あとは1ヶ月、3ヶ月と定

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自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み③

自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み③

            ○

「それで、写真はどんな感じにできあがったの?」

 休み明けの月曜日。昼休憩でお弁当をつつきながら、先輩の甲斐さんが言う。

「撮影前、スキンケアとかエステとかいろいろ頑張ってたじゃない。メイクで綺麗にしてもらえた?」

「……こんな感じになりました」

 私が差しだしたスマホの画面を見て、甲斐さんが「へえ」と声を上げる。

「いいじゃない、プロに撮ってもらった写真っ

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自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み②

自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み②

 くどいようだが、私は地味顔だ。

 離れ眉に小さな奥二重、白玉を丸めて乗せたような団子鼻。唇はおちょぼ口であり、全体的な印象は市松人形に近い。肌の白きは七難隠すと言われるが、若い頃はニキビ肌でいつも真っ赤だった。

 思春期で自分の顔にコンプレックスを抱き、大人になって化粧を覚えると少しでもマシに見えるよう努力した。メイク教室を利用して離れ目を寄せて見せる技を覚え、奥二重は成長とともに幅が広がっ

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自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み①

自分のパンツは自分で洗え〜2、お見合い写真は参観日の天童よ◯み①

「たくさんお話を聞かせてもらいましたが、田丸さんって本当に頑張り屋さんですね」

 紹介文用の対談時間が終わり、仲人の桜田さんがメモをまとめながらそう言った。

「お仕事も遅くまで大変なのに、帰ってからスポーツジムで運動するなんて。お料理やアロマの勉強に、俳句の勉強もしたんですよね? お休みの日も着物でお出かけされて、旅行で本州に行って……パワフルというかアグレッシブというか」

「よく、フットワ

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自分のパンツは自分で洗え〜1、誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ②

自分のパンツは自分で洗え〜1、誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ②

     ○

 私が小説を書くことに対して、かつて恋愛関係にあった男性の反応を思い返してみる。

 新人賞投稿時代、最終選考に残り喜びに震える私を見て「なにニヤニヤしてんだ気持ち悪い」と一蹴した元彼。本命の新人賞の〆切が迫り、この期間は小説に集中したいと伝えると「俺と小説どっちが大事なの?」と言われた。

 同じく新人賞投稿時代。最終選考に残る頻度が上がり、俄然頑張る私が付き合っていたのは自称経

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自分のパンツは自分で洗え〜1、誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ①

自分のパンツは自分で洗え〜1、誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ①

 OL業と小説家の二足のわらじを履く生活と、結婚出産家事育児の両立は可能なのか。

 この悩みを打ち明けると、決まって返される言葉がある。

『稼ぎの良い旦那さんを見つけたらいいんだよ』

 このアドバイスを受け、素直に行動に移せる人はいるのだろうか。

 少なくとも私は、この言葉に対して引け目とも後ろめたさともいえない気持ちを抱くタイプだった。

 たとえばデビュー前から付き合っていた相手だとか

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自分のパンツは自分で洗え〜34歳恋愛小説家が全力で婚活した一年間〜序②

自分のパンツは自分で洗え〜34歳恋愛小説家が全力で婚活した一年間〜序②

      ○

 日曜日に3件のお見合いを終え、気疲れを引きずったまま月曜日が始まる。土日休みであれば片方の休日を自分の時間に使えるだろうが、医療の片隅で働く私は二連休も少なく、休日がすべて婚活で潰れることもままあった。

「それで、昨日の婚活はどうだったの?」

 職場には年上の先輩がいる。少数精鋭でまわす職場のため、同じ業務をするのは彼女だけだ。ふたりで働くうちに姉妹のような感覚になり、午後

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自分のパンツは自分で洗え~34歳恋愛小説家が全力で婚活した一年間~序①

自分のパンツは自分で洗え~34歳恋愛小説家が全力で婚活した一年間~序①

「自分のパンツくらい自分で洗えばいいんじゃないですか?」

 アラサーの枠が居心地悪くなりはじめた34歳。わたしは何度この言葉を飲み込んだことだろう。

 女子アナのような清楚なワンピースに身を包み、ナチュラルメイクに控えめなアクセサリーをつけ、コーヒーカップについた淡い口紅を指で拭う。喫茶店のテーブル席、正面に座る男性が話す内容に、笑顔を貼り付けひたすら相づちを打っていた。

 男性が着るのはジ

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