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【書評】暮しの手帖33 winter 2024-25 12-1月号
ほねの芯まで寒さが届くような、冷たい空気が漂う季節がきました。
最近は、年中自然の厳しさを感じるようになりましたが、冬は別格ではないでしょうか。
太陽のひかりが届く時間が短くなるだけで、こうも心とからだに強張りが出るのかと思わずにはいられません。
そのような季節を、暮しの手帖はどうあたためてくれるのでしょう。
わくわくとしながら、さまざまな青色があふれる表紙をめくります。
今回の内容は?
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ひと言にすると、「つながり」がしっくりときます。
これから人の行き来が多くなる季節を、どのような気持ちですごしていこうかと、じぶんの心のなかを翻訳するような感覚で読みすすめました。
人とのつながりや、いつかの思い出とのつながりを、ゆっくりと思い返したくなる内容です。
つぎの新しい一年に、どうつないでいこうか。
そんな、前向きな気持ちになります。
* * *
「わたしの手帖」というコーナーの阿川佐和子さんのインタビューからは、仕事をとおして、人はこんなにも学べるものなのかと驚かされました。
「気楽なおもてなしはいかが?」のタイトルには、迷わずチェック。
たびたびある、わが家のおもてなしのテーマは、相手側に気楽にすごしていただくことです。
しかし現実は、見なおすことが山のようで悩んでいました。
そんな矢先のこの内容。
年末年始にむけて、メモの手が止まりません。
料理の内容は、子どもたちもいっしょに楽しめるメニューがあり、冬休みのイベントのひとつになりそうです。
「手作り」の特集では2つ紹介されていて、そのどちらも今の季節を楽しめる内容でした。
いつもの「エプロンメモ」「暮らしのヒント集」「目利きの本屋さんに聞いてみた」から、「家庭の書類をすっきり整理」という特集まで、数えると31もの目次があります。
冬の長いおうち時間を充実させてくれるなにかが、きっと見つかるでしょう。
見つけた名言
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長い人生、前なんて向けない、もう立ち上がれない、と思うことはあるものです。そんなときは存分に悲しんで、怒って、感情を露わにして構わない。でも、さんざんやったら、いつかどこかで必ず笑い話になる。
それはね、わかってるんです。
家族や友人と心ゆくまでおしゃべりしたり、のんびり映画を観たり、本を読み耽ったり。体の栄養だけでなく、心の栄養もたっぷりとりましょう。
毎年、家族と食卓を囲んで楽しく過ごせることが大事で、時の流れとともにその形が変わってもいいと、わたしは思っています。
「感謝祭の過ごし方(U)」より
まとめ
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今号の表紙画を担当されたjunaidaさんのことばが、印象的でした。
『目にすることも触れることもできないけれど、「暮らし」はいつも自分のそばに居て・・・』
忙しくても、のんびりでも、「暮らし」はわたしたちをそっと包み込んでくれています。
いろんな暮らしがあって、それでいいと、教えてくれているかのようです。
師走を駈けぬけることは、想像を超える苦労があります。
どうぞ、こころも体も労わって、労わりあって、あたたかい冬になりますように。
次号の発刊日は、2025年1月24日です。
こんなひとにおすすめ
・年末年始、暮らしを見直したいと思っている
・穏やかな気持ちで、この冬を過ごしたい
・子育て中の日々の癒しに、なにか読むものを探している