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雑とよばれる小さき花たち
外を歩くのに寒さや暑さのストレスのないこの気候は一年の中でわずかで貴重である。
この季節の楽しみは、雑草といわれる草花を見ること。花屋の商品のように美しくあるために丁重に育てられ壊れ物のように扱われてもいないのに、誰も関心を払わない古い石垣の隙間や次の建物が建つまでの束の間の空き地にこんなに綺麗な花が咲くことに感動を覚える。
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実家の庭なぞ大して関心も払っていなかったけど、両親が年老いて私もそれに続き将来住む人もいなくなるとここはどうなるんだろう、庭の植物はどうなるのだろう、と感傷的になりしゃがんで背の低い植物を眺める。
庭にはレンガで囲んだ小さな池があったけど今は埋めてしまっている。そこに細長い茎の先端に紫みのピンクの花がついた花が並んでいる。いつの間にか生えた雑草といわれる花。
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今はGoogleカメラという便利なものがあり、名もないと思っていた雑草といわれる植物の名前が簡単に分かる。ミミカキグサという名前らしい。確かに細長い柄の先に小さなスプーンがついているようにも見える。“チャシャクグサ”とかいえばいいのに。
この花は自分が可愛いということも知らずに、私が感慨を持って眺めて想いに耽っていることも知らずに、ただ風にそよいでいるのだと思うとまた切ないようなそれでこそ雑草といわれる植物の妙なのだ、というような気持ちが胸の中に広がってくる。