【CS読書note】佐藤可士和の超整理術
こんにちは、浜内たるぼです。
今回は『佐藤可士和の超整理術』を読みました。
ベストセラーらしいので、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。
佐藤可士和さんは、ユニクロや楽天、Tポイントカード、セブン&アイのロゴなどを担当されているクリエイティブ・ディレクターさんですね。その佐藤可士和さんの頭の中を覗ける本という事で、楽しく読み進めていきました。
内容のまとめ
「超整理術」というタイトルですが、この"整理"というのはコミュニケーションをする上で何を伝えるかのコアを引き出すための手段としての"整理"という意味合いです。
ここで語る整理とは、巷にあふれる細々した生活の知恵ではありません。伝えたいことを明確にするという、コミュニケーションの本質に迫るアプローチなのです。
ご自身の仕事についても、"コミュニケーションデザインの仕事"と形容されていらっしゃいます。
整理することでいちばん大切なものを見つけ、磨き上げてデザインする。それがうまくいけば、見る人にメッセージを限りなく完璧に伝えることができる。つまり、僕のやっていることは、ブランドや商品と世の中とを結びつける、コミュニケーションデザインの仕事なのです。
僕が行っていることは、"コミュニケーション戦略を総合的に立案し、デザインの力で目に見えるかたちにしていく仕事"なのです。一見アーティスティックに自己表現をしているのではと思われがちですが、実はドクターのようにクライアントを診療し、問題を解決していくといったほうがふさわしいのです。
どう整理していくかというプロセスは以下の通り。
1.状況把握/対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る
2.視点導入/情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を
突き止める
3.課題設定/課題の解決のために、クリアすべき課題を設定する
1〜3のプロセスを「空間」「情報」「思考」を対象に置き、佐藤さんの仕事での実例も織り交ぜながら本書の中で解説しています。
この対象となっている「空間」「情報」「思考」は、整理を行うプロセス上で繋がっています。
・空間の整理:整理するには、プライオリティを付けることが大切
・情報の整理:プライオリティをつけるためには、視点の導入が不可欠
・思考の整理:視点を導入するためには、まず思考の情報化を
これらをできるようになることで、快適に生きていきましょう!という内容でした。
この本で僕が述べる整理術とは、整理のための整理ではなく、快適に生きるための本質的な方法論。ですから、デスク周りなどの空間から仕事上の問題、人間関係に至るまで、あらゆる場面に応用できるのです。
感想
"こう考えれるようになりたいな"と強く思える内容でした。いかに対象の本質に迫り、魅力を引き出し、社会とコミュニケーションを取っていくか考える。流行り廃りのないパブリックリレーションの思考だなと思いました。
この本で述べられている「超整理術」はカスタマーサクセス的な視点でもとても役に立つスキルだと思います。以下のフレーズでビビッときました。
「いろいろなジャンルのプロジェクトを数多く手掛けていて、アイディアが尽きることはないのですか?」。こう聞かれることも多いのですが、その心配は全くありません。なぜなら、答えはいつも、自分ではなく相手のなかにあるからです。
対象をねじ曲げて自分に引き寄せるのではなく、対象と自分との接点に近づいていくことでリアリティが生まれるのです。
そう、答えはユーザーさんの中にあるのです。
仕事をしているとよく見る場面ですが、いつの間にかお客さんの事を置いてけぼりにして、提供者側の勝手な妄想を押し付けたりしているような場面が発生することもあると思います。
そうではなく、しっかりお客さんに向かい合った上での対応や施策実行を常に志していきたいですね。結局、ユーザーファーストが全てにおいて一番n近道なんだろうなと思います。
また、3つの「状況把握」「視点導入」「課題設定」の中では特にのが「視点の導入」。視点の持ち込み方によって問題解決に向けての大枠の方向性が定まるため、ここはすべての核になると言及されています。
自分なりの視点を持ち込んできっちり筋を通すこと。大切な情報をしっかり見極め、情報同士の因果関係をクリアにしていくことで、進むべき道が見えてくるのです。
ここの筋の通し方がいわゆるセンスになると思うのですが、これは色んな例を見ながら養っていきたいなと思いました。
ちなみに本書の中では、明治学院大学のブランディングプロジェクトや国立新美術館のデザインコンペの話が例に出され、クライアントの伝えたいことをいかに整理してきたかが具体的に記載されています。
国立新美術館のロゴコンセプトついては国立新美術館のホームページ上に佐藤さんの文章が掲載されているので一度読んでみるといいと思います。
まとめ
200ページ弱の薄い本でしたが、とても読み応えのある本でした。ベストセラーなのも納得です。
激動の時代になりそうなこんなご時世では物事の本質を掴んでいくスキルはますます重要になっていくだろうと思うので、何回も読み返し血肉にしていきたいですね(・∀・)
そうそう、今年の9月から国立新美術館で『佐藤可士和展』が開かれる予定ということです。
こんなご時世なのでなんともですが、9月には落ち着いているといいなと希望を込めてカレンダーに予定を登録しました。楽しみだなぁ。
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