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石徹白Life1669日目【全校児童13人の郡上市立石徹白小学校にて、石器で魚捌きや火起こし体験ほか】

本日は「自然教室」と題して、朝8時30分から午後まで、1日まるごと体験授業です。

受け身になりがちな「授業」という言葉の響きもありますが、なんのその。

子どもたちが司会進行をしたり、それぞれの係にわかれつつも、
試行錯誤する姿の中に、苦労や楽しさを発見してくれていたようです。

講師は2名です。

郡上市和良の池戸さん。
そして石徹白の大西。

石徹白地区で親子山村留学を担当している地域おこし協力隊の
加藤けんぴもサポートしてくれました。

まずはキャプテンジョージこと池戸さんによる、自然観察です。
カワゲラや魚など生き物を探したり、川をまるごと体験する時間。

嬉々として向かった子どもたちも、存分に楽しんできたようです。

戻ってきて、魚のつかみ取りです。
プールに放たれた岩魚やアマゴなどをひとり1匹ずつ、手づかみします。

なかなか捕まらずに、苦労していたり、
周りから応援があったり、びしょ濡れになりつつ、
なかなか盛り上がりました。

さて、次は魚班と野菜班で下ごしらえになりました。
私は魚班と一緒にいました。

子どもたちは魚の頭を叩いて気絶させます。
これが、なかなかどうして。

ビクビクして弱くたたけば、魚は元気なまま暴れます。
当然ながら、ニュルリと魚体が手から零れ落ちることもしばしば。

さて、どうするかと見守っていれば、
慣れている子が手伝ったり、少しずつ手際がよくなります。

1匹でハイ!おしまい。。。ではないので、
1人につき5匹以上は経験したと思われます。

息の根を止める。
そのことの残酷さと衝撃と感謝が伝わっていきますように。

次は肛門から鋏をいれてハラワタを出します。

「うぇええー気持ち悪い」、「苦手なんだよな~」と言う正直な声も聞こえます。

希望者は、私が持参した黒曜石のナイフで腹を裂く体験もしました。

私たちの親の親の親の親のずっと先の世代が使ってきた石器。
道具の原点ともいえるものですが、
どんなことを感じたでしょうか。

本来、生き物は電気がなくても大丈夫。
便利さの海で溺れることがないように、と願っています。

さて、いよいよ火起師(ひおこし)大西琢也による、
「火起こし体験ワークショップ」です。

石徹白小学校では3年目になります。
同じ内容のようでいて、違う問いかけや仕掛けを準備して臨みました。

子どもたちは正直なので、飽きたり、つまらないものには無関心です。
ボタン一つで答えが出たり、遠いどこかとつながることができる時代だからこそ、
自分の体感や同じものから学べる多様性や深さを知ってほしいと思っています。

ま、そんなこんなは、ほぼ口頭で伝えません。

見るのと自分でやってみることは、
大きく違います。
誰かに言われたことではなく、自ら気づいたり感じたことは、
生涯の宝物です。

棒1本で火を起こす。

それこそ、失敗しても成功してもいいのですが、
その過程を十分に経験してもらうには、時間が足りないなあと感じました。

それでも、炊きあがったご飯をもりもり食べて、おかわりをする。
燻された魚の香りを喜びに満ちた顔でほおばる。

そうした姿の中に、
いろんな「種」や「きっかけ」は見ることができました。

最後に、火の片づけと「花咲かじいさん」をからめて話しました。
「枯れ木に花を咲かせましょう!」の灰は魔法だったのか?

どうでしょうね。

午後は雨模様のため、池戸さんによるネイチャーゲームは中止。
郡上カルタで楽しい時間をすごしたようです。

私は世界中の小・中・高・大学・専門学校だけではなく、企業でも、
火起こしだけでなく、野外活動や有機農業や盆踊り、建築などなど、
大地に根ざした学びが選択必修になったらいいなあと思っています。

思い通りにならない自然に触れて、
苦労するチカラをつける。

ヒトが作った仕組みの愚かさも愛しさも、
まるごと味わってみることができるように。

生態系の中で生かされていることを体感してほしいです。
きっと自他の現在地や懐の深さも感じることができるでしょう。

防災減災の道具を実践的に使い、
大人と子どもではなく、共に生きる仲間として。

共に育むキョーイクが広まっていきますように。

夏休み前の風物詩な授業。

「薪割りをまたしたい!」とか、
「違う方法の火起こしもしたい!」という声もあり嬉しかったです。

私自身も、様々な試行錯誤と学びをさせてもらって、
次への元気をもらいました。

ありがとうございます!おつかれさまでした!

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大西 琢也  TAKUYA ONISHI
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