Is "more" better?
英語科教育法IIIの授業ログ。
ライティングに焦点を当てた模擬授業の回。
早速余談だが、この回から2名の4年生がゲスト参加してくれた。
4年生は昨年度までに英語科教育法を全単位取り終えているので当然私の授業に来る義務はないのだが、教員採用試験に向けて色々と協働的にやっていく中で私の英語科教育法の授業の話になり「行ってみたい」と言ってくれたので、ありがたく来ていただいた。
2人とも本来この日は全休のはずなのだけど、ありがたい。
3年生の学生らとも模擬授業で同級生役を一緒に演じるところからの出会いだったことも手伝ってか、すぐに打ち解けてくれた。
サークルや部活に入っている学生以外はなかなか縦の繋がりを感じられていないこの学部において、数少ない教職の先輩・後輩を繋げていくことは私の大事な仕事の一つだと思っていたので、とても嬉しい展開。
模擬授業の概要
模擬授業は高校2年生を想定し、以下のトピックでの英文ライティングを書くのがゴール。
生徒達はこのトピックを提示される前に以下の二つのことを順に行った。
① 今入っている部活など、これまでのスポーツの経験について日本語でクラスメイトと話す。
② [sport]を出発点とするマインドマップを一人一人自由に書く(描く)。
②の後、上のトピックが提示され、その後先生からはライティングで使える表現が賛成・反対の表明、理由、具体例、追加などの機能別に複数提示される。時間にして約15分、盛り沢山のレクチャーだった。
事前活動の産物が使えない
ここまで①、②の活動、そして表現の学習をしてきた生徒達はいよいよライティングを始めるのだが、ここでなかなかペンが動かない生徒が多い。
先生や周りの友達の助けも借りながら段々と書き進めていき、ようやく全体が大体書き終わったところでライティングを回収して授業は終了した。
振り返りではまず先生側のWANTから聞いていくのが私の定番の流れなのだが、そこで先生役の学生は「リラックスしながら、スポーツに関する視点を多様に持ってほしい」「英文をより良くする表現を使ってみてほしい」という二つのWANTを明らかにした。
前者の「リラックスしながらスポーツに関する視点を…」という願いはトピックを提示する前の①と②の活動に込められ、後者についてはライティングをさせる前の15分程度のレクチャーに表れていた。
一方で生徒側はと言うと、まず①の部活動等を起点として友達と話すという活動では、先生の「何でも話して!」という言葉に甘えて女子達は気づけばメイクの話に。②のマインドマップでは「スポーツ」「テニス」「ボール」「黄色」「レモン」「すっぱい」「梅干し」「赤い」「いちご」とほとんどマジカルバナナ状態になっている生徒も。
そんなこんなで15分のレクチャーを聞いた後に書いてみたわけだが、検討会では「全体構成のイメージが湧かない」「情報量が多かった」「マインドマップ使えなかった」との声が聞かれた。
先生役の学生としては、確かに関係ない方向に矢印が伸びたり、教わる表現が多すぎて全ては使えないということもあるだろうけれど、「何か一つでも英作文に活かしてほしい」という想いがあったことが分かった。
「スポーツ」という実際のライティングのトピックよりかなり抽象的なことについて、自由に話させたりマインドマップを書かせたりするという選択自体が妥当だったのかということはもちろん振り返りの視点としては挙げられたし、そこも是非学生のみんなには考えてみてほしい。
ただ、模擬授業から少し時間が空いた今私が思うのは、情報が多ければ多いほど良いのかということ。
これについては私自身の中にも答えはないし、授業の中では提示できなかった視点なので、本当はもっと書くつもりだった、というか色々書いたのだけど、今ここで自分の考えを見せ過ぎない方が少なくとも私の学生達にとって良い気がしてきたので、ここで止めておこうと思う。
とりあえず今気になってるのは、Is "more" better?ということ。
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