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作曲家・音楽関連の名前のバラ3-4
近代音楽 4
(冒頭画像 'Rhapsody in Blue' Wikimedia Commons)
ジャック・イベール
Jacques Ibert
1890 - 1962 フランス
ドビュッシーやラヴェルの後継世代にあたり、印象主義音楽の影響を受けつつも、もっと洒脱で衆人受けする軽妙な作風の作曲家である。
ローマ賞留学時代に書かれた『寄港地』は初期の代表作品であり、絶妙な和声とオーケストレーションがローマ〜パレルモ、チュニス、ヴァレンシアの(フランスから見た)異国趣味を描く。
また『フルート協奏曲』はフルート奏者の重要なレパートリーである。
他にも『バッカナール』や、地下鉄やモスク、セーヌ川観光船など現代的なパリの日常を描いた『交響組曲パリ』などが有名である。
映画音楽も多数作曲した。
Ibert - 'Escales'
イベール - 寄港地
Rosa 'Escale parfumée'
バラ 'エスカル パルフュメ' (香りたつ寄港地)
![](https://assets.st-note.com/img/1652957858495-9o64k5M57p.jpg?width=1200)
(画像 roseraie-guerinais)
作出:Virginie Simon (フランス)
作出年:2015年
登録名:SIMteacla
系統:フロリバンダ
色:ライトレッド
香り:強香
咲き方:カップ咲き
Ibert - Concerto pour flûte et orchestre
イベール - フルート協奏曲
Ibert - Trois pièces brèves pour quintette à vent
イベール - 木管五重奏のための3つの小品
Ibert - Jeux, Sonatine
イベール - 遊び、ソナチネ
第1楽章の諧謔的な雰囲気から一転して第2楽章の流れるような美しさが際立つ。
Ibert - Histoires
イベール - 物語
初級者〜中級者向けのピアノ小品。タイトル表記はドビュッシーの「プレリュード(前奏曲集)」にならって、…つきで末尾に小さく表示されている。
ジョージ・ガーシュウィン
George Gershwin
1898 - 1937 アメリカ
20世紀初頭にアメリカで、酒場の大衆音楽であるケークウォーク、フォックストロット、ブルースなどを元にして、ジャズという新しい音楽が生まれた。最初は1900年代にニューオーリンズジャズというスタイルから始まり、主に黒人の音楽バンドによって演奏された。これをすぐに白人のバンドも真似たが、そちらはディキシーランドジャズと呼び倣わす。
やがて第一次世界大戦後の1920年代にビッグバンドジャズとなり(白人のバンドはスウィングジャズと呼ぶ)、1940年代に名人芸を披露するビバップが生まれた。第二次世界大戦後はクールジャズ、ウェストコーストジャズなどを経て、現在のジャズの主流であるハードバップへと発展していく。
クラシック(伝統的な西洋音楽)のあらゆる作曲家たちもジャズの影響を受けた。ラヴェルも晩年はジャズに影響を受け、またショスタコーヴィチも初期の交響曲第1番でジャズの語法を取り入れた。その中で最も顕著にジャズの申し子と見做されたのが、アメリカのジョージ・ガーシュウィンである。代表作「ラプソディ・イン・ブルー」は、ガーシュウィンがジャズにインスパイアされたピアノ協奏曲を作曲中だと新聞で宣伝され、慌てて書き上げたものの、オーケストレーションは別の作曲家ファーディ・グローフェが担当し、初演のピアノパートはほぼ即興だったと言われる。
ガーシュウィンはフランスに渡りラヴェルに弟子入りしようとしたが、ラヴェルは「二流のラヴェルになるよりも、一流のガーシュウィンであれ」と言って弟子入りを拒んだ。
Gershwin - Rhapsody in Blue
ガーシュウィン - ラプソディ・イン・ブルー
Rosa 'Rhapsody in Blue'
バラ 'ラプソディ イン ブルー'
![](https://assets.st-note.com/img/1652974649592-uhY5MA26dT.jpg?width=1200)
(画像 Wikimedia Commons)
作出: Frank R. Cowlishaw (イギリス)
作出年:1999年
登録名:FRAntasia
色:ブルーパープル
香り:中香
バラは青色の遺伝子を持たず、真に青色のバラはまだ生まれていないが、紫色で青っぽく見えるバラのことを通称「青バラ」と呼ぶ。ブルームーン、ブルーランブラー、ブルーフォーユー、青龍、レイニーブルー、ラピスラズリ(青い鉱石)など、何らかのブルーにまつわる名前が付けられている事が多い。本種 'ラプソディ イン ブルー' もその一つである。日陰の方がより青く見えることから、半日陰の環境に好んで植えられる品種でもある。
なお、サントリーが遺伝子操作をおこなった切り花用の青バラ 'アプローズ' を開発している。遺伝子操作に拠らない通常の育種による青バラは、2022年現在では2020年発表の木村卓功/ロサオリエンティス作出 'ブルーグラビティ' が最も青に近い品種と謳っている。
Gershwin - Porgy and Bess
ガーシュウィン - ポーギーとベス
3:18 - サマータイム は冒頭に歌われるアリアで、単独でも頻繁に演奏される。
黒人社会を扱った異色のオペラ。
Rose 'Summer Time' (Summertime)
バラ 'サマー タイム'
![](https://assets.st-note.com/img/1652962745914-ALF622lm0I.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作出: Eugene S. Boerner (アメリカ)
作出年:1957年
系統:ハイブリッドティー
色:ピンク
香り:強香
花弁:ダブル(17-25枚)
日本での入手難易度:3(希少)
フランス六人組
Les Six
ダリウス・ミヨー Dalius Milhaud
アルテュール・オネゲル Arthur Honegger
フランシス・プーランク Francis Poulenc
ジョルジュ・オーリック Georges Auric
ルイ・デュレ Louis Durey
ジェルメーヌ・タイユフェール Germaine Tailleferre
批評家のアンリ・コレによって「六人組」と名付けられたが、ミヨーによれば偶然仕立て上げられたもので、「たとえばこの面子にジャック・イベールがいても全くおかしくない」と言っている。イベールは軍役のため、この6人と一緒に活動する機会は多くなかったが、六人組及びラヴェルやサティも交えて「ジャンヌの扇」「エッフェル塔の花嫁花婿」を共作している。一方デュレは早くにグループ活動から離れた。詩人のジャン・コクトーも頻繁に六人組と共作した。
ダリウス・ミヨー
Darius Milhaud
1892 - 1974 フランス 〜 スイス
戦後現代には珍しい多作家で、400曲以上の作品を残した。複数の調性が同時に重なり合う多調の書法を多用した。
ユダヤ系で、第一次世界大戦前後にはブラジルへフランス大使の書記官として随行し、第二次世界大戦ではナチス・ドイツの迫害からアメリカに逃れた。足が不自由で、車椅子を使うことが多かった。自伝「幸福だった私の一生 Ma vie heureuse」を書き、弟子の別宮貞雄によって日本語訳も出版されている。
Milhaud - Création du monde
ミヨー - 世界の創造
複数の調整の和音が縦に重なる多調性の理論を独自に展開させた若年期の作品。大御所作曲家となっていたサン=サーンスは「精神病院行きの代物」と酷評した。
Milhaud - Le bœuf sur le toit
ミヨー - 屋根の上の雄牛
ジャズの元祖であるニューオーリンズ・ジャズの影響を受けた作品。
Milhaud - Scaramouche
ミヨー - スカラムーシュ
サクソフォンのレパートリーとして重要な曲だが、2台ピアノのための版もある。スカラムーシュとは、スカパンやスガナレルなどと同様にイタリア古典喜劇で共有される登場人物名であるが、本曲はイタリアというよりもむしろブラジルの影響が強く、20世紀初頭にブラジルで流行したギターやタンブリン(ポルトガル語でパンデイロ)を軸にフルートなど管楽器ソロが加わる室内楽編成の庶民的な音楽であるショーロの影響を強く受けている。
Rosa 'Scaramouche'
バラ 'スカラムーシュ'
![](https://assets.st-note.com/img/1652966450293-2EYzdpE8fh.jpg)
(画像 Rosebook.ru)
作出:George Delbard (フランス)
作出年:2007年以前
登録名:Delmigre
系統:ミニアトゥーラ
色:レッド、ホワイトストライプ
アルテュール・オネゲル
Arthur Honegger
1892 - 1955 フランス
ミヨーと同様に多調を多用するが、より辛辣な響きを好んだ。
フランス生まれだが、両親がスイス人であることからスイス国籍を持ち、2015年までスイスの20フラン紙幣の肖像画に使われていた。
自伝「私は作曲家である Je suis compositeur」は吉田秀和による日本語版が出版されている。
Honegger - Symphonie n. 3 « Liturgique »
オネゲル - 交響曲第3番『典礼風』
Honegger - Symphonie n. 5 « Di Tre Re »
オネゲル - 交響曲第5番『三人の王』
上述の自伝では、交響曲第5番というのは記念碑的な番号で「もう一つの第5番と同じくらい演奏されますように!」と言っている(ベートーヴェンのことを指している)。続けて「何か表題が欲しいと言われたので、全3楽章で各楽章の終わりにティンパニがレの音を鳴らすから、イタリア語でDi Tre Reとした」と皮肉的に書いてある。このため日本語文献では「三つのレ」などと訳すものがあるが、大きな間違いである。「三人の王」とはキリスト教のエピファニア(顕現節)で、生まれたばかりの幼子イエスに三人の王(賢者)が宝物を持って訪れることを意味している。
第2楽章には十二音技法風のメロディが現れる。とはいえ反行形や逆行形を用いるシェーンベルク流の十二音技法とは異なる。
Honegger - Pacific 231
オネゲル - パシフィック231
蒸気機関車の機械的運動を音楽で表したもの。
Rosa 'Pacific Blue'
バラ 'パシフィック ブルー'
![](https://assets.st-note.com/img/1652966168643-hN6wStcUlW.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作出:Hans Jürgen Evers / Tantau (ドイツ)
作出年:2007年
登録名:Tan98485
系統:ハイブリッドティー(フローリスト)
色:シルヴァリーブルー
香り:微香
切り花用。
Honegger - Jeanne d’Arc au bucher
オネゲル - 火刑台上のジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルクは舞台女優が演じ、常に語り声であり、歌わない。電子楽器オンド・マルトノを編成に含む。(オリヴィエ・メシアンの項で詳述)
Rosa 'Jeanne d’Arc' (Vibert)
バラ 'ジャンヌ ダルク' (ヴィベール作出)
![](https://assets.st-note.com/img/1652968944519-Y5aWmq4ZYl.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作出:Jean-Pierre Vibert (フランス)
作出年:1818年
系統:アルバ
色:ホワイト、ライトピンクシェーディング
香り:強香
Rosa 'Jeanne d’Arc' (Verdier)
バラ 'ジャンヌ ダルク' (ヴェルディエ作出)
![](https://assets.st-note.com/img/1652969421219-U968PIbU4O.jpg?width=1200)
作出:Victor Verdier (フランス)
作出年:1848年
系統:ノワゼット
色:ホワイトブレンド
香り:強香
Rosa 'Jeanne d’Arc' (Levavasseur)
バラ 'ジャンヌ ダルク' (ルヴァヴァッスール作出)
![](https://assets.st-note.com/img/1652969605859-DsGk4C4Fro.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出:Ernest Levavasseur (フランス)
作出年:1909年
系統:ポリアンサ
色:ホワイト・クリーム
香り:中香
Rosa 'Jeanne d’Arc' (Spek)
バラ 'ジャンヌ ダルク' (スペック作出)
![](https://assets.st-note.com/img/1652969777211-HIHycqB5g3.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出:Jan Spek (オランダ)
作出年:2006年
系統:ハイブリッドティー
色:イエロー
香り:強香
フランシス・プーランク
Francis Poulenc
1899 - 1963 フランス
フランス六人組の中の一人で、その中でも最も個性的な作曲家とされる。また近代以降のフランスの作曲家にしては珍しく作曲は独学であり、パリ音楽院を出ていない。
軽妙・洒脱というより、無垢・天真爛漫な作風が多い。一方で宗教的な題材に作曲するときには別人のように真摯な作風となる。
戦後に発表された作品の多くは前衛現代音楽とは真逆の保守的な調性音楽であるが、本人はブーレーズの運営するドメーヌ・ミュジカルの現代音楽演奏会の常連客であり、自分の行けない時は小切手で寄付金を贈るなど、前衛現代音楽の良き理解者でもあった。
Poulenc - Sonate pour flûte et piano
プーランク - フルートソナタ
戦後に作曲された作品としては珍しく、フルートのための不可欠なレパートリーとなっている。
Poulenc - Nocturnes
プーランク - ノクチュルヌ(ノクターン/夜想曲)
ショパン、フォーレの系譜を受け継ぎ、ドビュッシーやラヴェルの次の時代に位置するフランス・ピアノ音楽の傑作。
Poulenc - Aubade
プーランク - オーバード
Concerto coreographique (振付を伴う協奏曲)と題され、バレエ音楽であり、また実質的なピアノ協奏曲でもある。室内オーケストラであり、編成は18人と少ない。
プーランクは「ピアノ協奏曲」「2台のピアノのための協奏曲」とともにこの「オーバード」も作曲し、合計3曲のピアノ協奏曲がある。
Rosa 'Aubade'
バラ 'オーバード'
![](https://assets.st-note.com/img/1652970154495-lyxMsOc5lM.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出: Gysbert Verbeek(オランダ)
作出年:1963年
系統:ハイブリッドティー
色:オレンジレッド
香り:強香
花弁:最大30枚
Poulenc - Concerto pour piano et orchestre
プーランク - ピアノ協奏曲
プーランクの作品の中でも特に大衆好みの叙情的な旋律が前面に出た曲。第3楽章は「スワニー川」のメロディに基づく。
Poulenc - Concerto pour orgue, cordes et timbales
プーランク - オルガン協奏曲(オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲)
教会楽器のオルガンとなると、従来の俗物さとは打って変わって真摯な曲調となる。音色の決定は、オルガニストで作曲家のモーリス・デュリュフレとの共同作業で行われた。
Poulenc - Stabat Mater
プーランク - スターバト・マーテル(悲しみの聖母)
Poulenc - Dialogues des Carmelites
プーランク - カルメル派修道女の対話
ラストシーンで修道女たちが聖歌「サルウェ・レジーナ(めでたし天の女王)」を歌いながら一人ずつギロチンで処刑されていく部分の音楽は特に圧巻である。
Rosa 'Carmelita'
バラ 'カルメリータ'
![](https://assets.st-note.com/img/1652970589849-uq0NY4Fzo2.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出: Frank Spanbauer (アメリカ)
作出年:1933年
系統:ハイブリッドティー
色:赤
香り:強香
ジョルジュ・オーリック
George Auric
1899 - 1983 フランス
フランス六人組の一人。純音楽は今日あまり顧みられず、主に映画音楽で知られる。六人組の他のメンバーや同時代の作曲家と同様に、軽妙で洒脱な表現が特徴である。
Auric - Trio pour hautbois, clarinette et basson
オーリック - オーボエ、クラリネットとファゴットのためのトリオ
(film) La Belle et la Bête (musique : George Auric)
(映画) 美女と野獣 (音楽:ジョルジュ・オーリック)
監督:ジャン・コクトー、主演:ジャン・マレー、ジョゼット・デイ
ディズニーのアニメではなく、1946年制作の実写特撮映画。野獣の館の特撮がよく知られる。
(film) La Belle et la Bête (musique : Philip Glass) (extrait)
(映画) 美女と野獣(音楽:フィリップ・グラス)(抜粋)
この映画に全く違う音楽をつけた、アメリカのミニマルミュージックの作曲家フィリップ・グラスによる版もある。セリフ部分はオペラ歌手が歌う。楽器は全てシンセサイザーである。後年に打楽器アンサンブルによる編曲もある。
Rosa ‘Jean Cocteau’
バラ ‘ジャン コクトー’
![](https://assets.st-note.com/img/1688566041184-i2t4R5dv2f.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作出:アラン・メイアン(フランス)
作出年:2007年
系統:フロリバンダ
別名:チャールストン Charleston
日本での入手難易度:1(容易)
(film) Roman Holiday (musique : George Auric)
(映画) ローマの休日 (音楽:ジョルジュ・オーリック)
監督:ウィリアム・ワイラー、主演:オードリー・ヘプバーン
オーリックの音楽ではおそらくもっとも人口に膾炙している。
Rosa 'Roman Holiday'
バラ 'ローマン ホリデー'
![](https://assets.st-note.com/img/1652972759896-VlVtoPutYr.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出:Robert V. Lindquist (アメリカ)
作出年:1966年
登録名:LINro
系統:フロリバンダ
Rosa 'Audrey Hepburn'
バラ 'オードリー ヘプバーン'
![](https://assets.st-note.com/img/1652973161976-2zG7gyXHd5.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出:Jerry F. Twomey (アメリカ)
作出年:1991年
登録名:TWOadore
系統:ハイブリッドティー
色:ライトピンク
香り:微香(フルーティー)
「ローマの休日」の主演女優。
モーリス・デュリュフレ
Maurice Duruflé
1902 - 1986 フランス
セザール・フランク、ジャン=マリー・ヴィドール、シャルル・トゥルヌミールなどのフランスのロマン派から近代におけるオルガン音楽の系譜を受け継ぐ作曲家。
少年時代にルーアン大聖堂聖歌隊として宗教と音楽の手解きを受けるという、ハイドン、シューベルト、ブルックナーなどと同様の伝統的な教会式音楽教育により育った。パリ音楽院で作曲をポール・デュカスに師事し、6歳年下の級友にオリヴィエ・メシアンがいた。オルガンはトゥルヌミールを始め、ルイ・ヴィエルヌにも師事し、ヴィエルヌの後任としてパリ・ノートルダム大聖堂オルガニストのポストを期待されたが、政治的な理由により叶わなかった。しかし、デュリュフレがヴィエルヌの音栓助手(オルガンは音色を変更するときに傍に助手が必要である。これは21世紀現在も変わらない)を務めていた時、ヴィエルヌはノートルダム大聖堂のオルガン鍵盤の上で演奏しながら心臓発作で息を引き取り、それを側で看取ったのがデュリュフレであった。
その後、同じパリ市内のサンテティエンヌ・デュ・モン教会(パリのパンテオンの脇に位置し、1345年にノートルダム大聖堂ができるまではパリの大聖堂の役目を果たしていた由緒ある教会)のオルガニストのポストを得て、その死まで50年以上務めた。
同時にパリ音楽院で和声の教授職を得て勤めた。和声科の弟子に尾高惇忠がいる。ある日オルガン科教授で少し年上のマルセル・デュプレから声がかかり、デュプレがアメリカへ演奏旅行に行くあいだの半年間デュリュフレにオルガン科を代講するように頼まれた。そこでマリー=マドレーヌ・シュヴァリエと知り合い結婚する。二人はサンテティエンヌ・デュ・モン教会のむかいの建物の最上階に設えた個人用オルガン付き住居に住み、デュリュフレが教職で忙しい時にはマリー=マドレーヌが教会のオルガン演奏を担当するようになった。
ドビュッシーによって教会旋法が近代音楽において復権した同時代性に影響され、古楽研究所でグレゴリオ聖歌を研究した。グレゴリオ聖歌のレクイエムと全く同じ旋律を用いながら、それに近代フランスの和声とオーケストレーションを施した『レクイエム』が代表作である。
戦後の前衛現代音楽の潮流には背を向けたため、後半生における作曲活動はごく僅かしかなく、作品番号は14までしかない。オルガニストとしての演奏活動では、プーランクのオルガン協奏曲を初演したり、アメリカやソヴィエト連邦へ演奏旅行に出かけた。
1975年の雨の夜、夫婦の車に追い越し対向車が突っ込んで交通事故に遭う。加害者は即死し、二人は奇跡的に命は取り留めたものの全身骨折した。すでに高齢だったデュリュフレは手足の機能回復に至らず、オルガン奏者としてのキャリアを断念せざるを得なくなる。その後はパリ郊外の老人ホームで静かに生涯を終えた。
Maurice Duruflé - Requiem (full orchestra) op. 9
モーリス・デュリュフレ - レクイエム(フルオーケストラ版)op. 9
Maurice Duruflé - Requiem (organ accompanied)
モーリス・デュリュフレ - レクイエム(オルガン伴奏版)
デュリュフレの『レクイエム』には、オルガン伴奏版、室内オーケストラ版、フルオーケストラ版の3つの版がある。いずれも『ピエ・イエス(敬虔なイエス)』ではチェロの独奏を伴う。
フォーレのレクイエムと同様に続唱を省いているため、ディエス・イレ(怒りの日)などはないが、続唱の代わりにあたる『ドミネ・イエス・クリステ(主イエス・キリスト)』や、『リベラ・メ(我を解放したまえ)』での怒りの日に相当するテクストの部分では、劇的な表現が見られる。普通はレクイエムに含まれない、墓地での埋葬の際に歌われる聖歌『イン・パラディスム(天国にて)』を終曲に置いているのが特徴である。
Gregorian Chant - Requiem, Introitus
グレゴリオ聖歌 - レクイエム、入祭唱
聴き比べてみると、デュリュフレのレクイエムはグレゴリオ聖歌のメロディをそのまま用いていることがわかる。0:53の Te decet hymnus Deus in Sion の部分は、グレゴリオ聖歌では冒頭と同じF(ファ)音から始まっているが、デュリュフレの場合はA(ラ)に「移旋」しているのがわかる(移調ではない)。
Maurice Duruflé - Scherzo, op. 2
デュリュフレ - スケルツォ op. 2
デュリュフレのop. 1にあたる2台ピアノのための『トリプティーク(三連画)』は楽譜が紛失しているため、このop. 2のスケルツォが現存する最初の作品となる。すでに色彩感の溢れる和声や音栓(音色)の変化に富んだ、超絶技巧の作品である。作品の長さも6分程度と適当であるため、フランス国内ではミサの最中(入場、献金、退場など)に演奏される機会も多い。
Maurice Duruflé - Prélude, récitatif et variations, op. 3
デュリュフレ - 前奏曲、レシタティフと変奏曲 op. 3
パリ音楽院デュカス門下として、主に木管楽器のレパートリーの発展に寄与した「パリ楽派」の書法に則って作曲された、典型的なフランス近代音楽の様式である。レシタティフ(レチタティーヴォ、語り歌い)を挟んで後半の変奏曲では、グレゴリオ聖歌の韻律を思わせるメロディが採用されている。フルートとヴィオラという組み合わせはドビュッシーの「フルート・ヴィオラ・ハープのためのソナタ」を思わせるが、ピアノがより柔軟な動きと和声を彩る。
Maurice Duruflé - Prélude, adagio et choral varié sur le thème de “ Veni creator “ op. 4
デュリュフレ - 前奏曲、アダージョと『来たれ創り主なる精霊』によるコラール変奏曲
前奏曲とアダージョも精緻に書かれているが、圧巻なのはVeni Creator Spiritus (来れ創り主なる精霊)に基づくコラール変奏曲である。この聖歌は主に聖霊降臨祭(オリヴィエ・メシアンの項で詳述)で歌われるもので、この時期特に演奏の機会が多い。
Maurice Duruflé - Suite, op. 5
デュリュフレ - 組曲 op. 5
Prélude 前奏曲
Sicilienne シシリエンヌ
Toccata トッカータ
デュリュフレのオルガン曲の中で最も演奏頻度の高い曲である。
前奏曲では級友オリヴィエ・メシアンの提唱した「移調の限られた旋法」の複層的な使用が見られ、デュリュフレの楽曲の中では最も不協和音の使用率が高い。
シシリエンヌはフォーレの同名の曲と同じA, B, A, C, Aという単純化した構造が見られ、その中でディアトニックを逸脱した独自の旋法が絡み合い、近代的な和声を作り上げている。
トッカータはデュリュフレの全作品の中で最も超絶技巧に溢れた楽曲となっている。前奏曲 es-Moll, シシリエンヌ g-Moll, トッカータ h-Moll で、それぞれ長3度の関係になっているところは、デュカスのピアノソナタや、ベートーヴェンの後期ピアノソナタ群に影響を受けている。
多くのオルガニストが名人芸を披露するレパートリーにしているが、デュリュフレ自身はあまりトッカータの出来栄えを気に入っていなかったらしく、自作の録音はトッカータを省いている。
Maurice Duruflé - Trois Danses, op. 6
デュリュフレ - 3つの舞曲 op. 6
Divertissement ディヴェルティスマン(嬉遊曲)
Danse lente ダンス・ラント(遅い舞曲)
Tambourant タンブーラン(太鼓踊り)
第3曲タンブーラン(太鼓踊り)ではアルト・サクソフォンが入り、ビゼーやラヴェルのオーケストレーションを彷彿とさせる。全体的に精緻なオーケストレーションが施されているが、最後は意外なほどあっさり終わる。
Maurice Duruflé - Prélude et fugue sur le nom d’Alain, op. 7
デュリュフレ - アランの名による前奏曲とフーガ op. 7
第二次世界大戦で若くして戦死した作曲家でオルガニストのジャン・アランを追悼して書かれた。前奏曲の最後には、アランの代表作『リタニ』のメロディが引用される。フーガは精緻に書かれており、クライマックスには鏡像対位法(反行形)も駆使されるなど、20世紀前半においての最良の例とも言える対位法の妙義が展開される。
ジャン・アランの妹は世界的なオルガニストとして活躍したマリー=クレール・アランである。
Maurice Duruflé - Andante e Scherzo. op. 8
デュリュフレ - アンダンテとスケルツォ op. 8
(フランス語の et ではなくイタリア語の e と記載した)
この曲のみ出版譜がなく貸し譜管理のため、滅多に演奏されない。2曲目のスケルツォは同名のオルガン独奏曲op. 2の管弦楽編曲である(1曲目に相当するアンダンテももともとオルガン曲であった可能性を窺わせる)。コーダはオルガン曲とは異なる。
アマチュアオーケストラの稚拙な演奏動画ではあるが、巧妙なオーケストレーションの筆致が伝わってくる。op. 3と同じくヴィオラソロがところどころに聴かれるのは、デュリュフレの音色の特徴的な趣味であろう。
Maurice Duruflé - Quatre motets sur des thèmes de grégorien, op. 10
デュリュフレ - グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット op. 10
Ubi caritas 慈しみと愛のあるところ
Tota pulchra est 全く美しきマリア
Tu es Petrus 汝はペトロなり
Tantum ergo 大いなる聖餐の時のみに
レクイエムの作曲に際して古楽研究所でグレゴリオ聖歌を研究した成果を発揮させて作曲した作品。グレゴリオ聖歌のラテン語の韻律を熟知して書かれている。
Rosa ‘Caritas’
バラ ‘カリタス’
![](https://assets.st-note.com/img/1687847795078-ortuCCrIk2.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作出:アラン・メイアン(フランス)
作出年:2006年
系統:グランディフローラ、ハイブリッドティー
別名:キャンディ・ラブ、ピンク・フラミンゴ
Maurice Duruflé - Messe “Cum Jubilo” op. 11 (version pour orchestre)
デュリュフレ - ミサ曲『クム・ユビロ(喜びと共に)』 op. 11 (オーケストラ版)
Maurice Duruflé - Messe “Cum Jubilo” op. 11 (version pour orgue accompagnée)
デュリュフレ - ミサ曲『クム・ユビロ(喜びと共に)』 op. 11 (オルガン伴奏版)
単線律男性斉唱のためのミサ曲。オーケストラ版とオルガン版がある。1956年のヴァチカン第2公会議によってカトリックのミサはラテン語ではなく各国の言語で行われるようになったが、デュリュフレは「私は決してサン・サン・サンには作曲しない」(『聖なるかな』をフランス語では Saint, saint, saint と唱える。ラテン語では Sanctus, sanctus, sanctus となる)、「天のいと高きところにホザンナ Hosanna au plus haut des cieux などという2言語ちゃんぽんはちゃんちゃらおかしい」と公言し、ラテン語のミサにこだわった。
Maurice Dufurlé - Fugue sur le thème du carillon des heures de la cathédrale de Soissons, op. 12
デュリュフレ - ソワッソン大聖堂の時報の鐘の主題によるフーガ op. 12
ソワッソンはパリの北東にある街で、駅を降りると大きなゴシック様式の朽ちた廃墟がそびえる。これはフランス革命時に打ち壊された修道院で、現在の大聖堂はそれとは別に位置する。ここで毎時鳴らされる時報の鐘は Sol - mi - sol -re - mi - do - si - mi というもので、そのあとで do の鐘の音の数で時報が知らされる。
この作品では鐘の主題は冒頭で内声部で提示されたのち、デュリュフレの対位法を熟知したフーガが展開され、終結部ではテーマとして主旋律およびペダル声部で力強く再提示される。
Rosa ‘Triomphe de Soissons’
バラ ‘トリオンフ ドゥ ソワッソン’ (ソワッソンの勝利)
作出:フランソワ・フォンテーヌ(父)(フランス)
作出年:1866年
系統:ハイブリッド・パーペチュアル(オールドローズ)
Maurice Duruflé - Prélude sur l’Introït de l’Épiphanie, op. 13
デュリュフレ - 顕現節の入祭のための前奏曲 op. 13
エピファニー(顕現節)(アルテュール・オネゲルの項も参照)は、生まれてまもない幼子イエスのもとに、羊飼いに導かれた三人の王(賢者)が訪れ、没薬、沈香、黄金を捧げたという故事に基づく。1月6日(またはその近辺の日曜日)に祝われ、クリスマスの一連の行事の最後を締めくくる重要な行事である。デュリュフレがある年のエピファニーの入祭(ミサで司祭が入場する始まり)で弾いた即興をもとに書き起こして作品としたもの。
Maurice Duruflé - Notre Père, op. 14
デュリュフレ - 我らの父(主の祈り) op. 14
交通事故でオルガニストを引退したのちに唯一作曲された、ラテン語ではなくフランス語のテクストで書かれた平易な書法の小品。楽譜冒頭には à ma femme 妻へ という献辞が書かれている。ミサ中で歌われることを前提とした「主の祈り」の聖歌で、現在でもサンテティエンヌ・デュ・モン教会をはじめ、フランスの多くの教会で歌われている。
第2節 que ton nom soit sanctifié は2種類のリズムが楽譜に記されているが、サンテティエンヌ・デュ・モンで歌われているのは soit を伸ばす2番目のほうである。(動画では2番目の韻律に基づく)
Rosa ‘Notre Père’
バラ ‘ノトル ペール’
![](https://assets.st-note.com/img/1687848651539-3sGH35L3Un.jpg?width=1200)
作出:ポール・クロワ(フランス)
作出年:1982年
系統:フロリバンダ
エドガー・ヴァレーズ
Edgard Varèse
1883 - 1965 フランス - アメリカ
(渡米後はEdgarと綴った)
「早すぎた現代音楽の作曲家」として知られる。
ドビュッシーやラヴェルの少し後の世代として生まれ、イベールやミヨーよりも年上である。青年時代には先輩のドビュッシーと親交があった。ドビュッシーの書簡全集にはドビュッシーからヴァレーズへのドビュッシーの母の会葬礼状が残っている。
最初はいわゆるフランス近代様式の作曲をしていたが、のちにそれらの初期作品は一切破棄してしまい、唯一の印象主義様式の作品として歌曲『暗く深い眠り』が1曲残るのみである。
第一次世界大戦終戦(1918年)以降はアメリカに拠点を置き、1920年代より無調で前衛的な音楽を作曲するようになった。また科学用語を題名につけることを好んだ。ある一つの不協和音を延々と連打する作風を繰り返すのが特徴であり、管楽器や打楽器による強烈な不協和音や打撃音の集合体を積み重ねて音響エネルギーの音の流れの時間的推移を音楽作品として聴かせるヴァレーズの音楽美学は、アメリカの前衛現代音楽シーンのみならずクセナキスや湯浅譲二などの現代音楽作曲家に影響を与えた。
第二次世界大戦終戦後(1945年)以降、とくに1950年代になると電子音楽にも着手し、シュトックハウゼン、リゲティ、ブーレーズといった当時20代や30代の若手作曲家と並んで、70代の大家であるヴァレーズもまた前衛最前線の音響を切り拓いた。
Varèse - Un grand sommeil noir
ヴァレーズ - 暗く深い眠り
現存する唯一のフランス近代様式の歌曲。
Varèse - Amériques
ヴァレーズ - アメリカ
大編成のオーケストラ曲。アルト・フルートの出だしや不協和音の連打などストラヴィンスキー『春の祭典』の影響が随所に散見される一方で、打楽器としての手回しサイレンの使用など、独自の全く新しい音響への興味もみられる。
Rose ‘America’
バラ ‘アメリカ’
![](https://assets.st-note.com/img/1706682238081-QG9bK0pcXn.jpg)
(画像 HelpMeFind)
作出:ウィリアム・A・マリナー(アメリカ)
作出年:1975年以前
系統:ラージフラワードクライマー(つるバラ)
Varèse -Octandre
ヴァレーズ - オクタンドル(8つの花びらの花)
花を題名としたことから連想されるような愛らしさとは一切無縁の、即物的な音響に終始する。
Rose ‘Octandre’
バラ ‘オクタンドル’
![](https://assets.st-note.com/img/1706684487239-2L4llNKqmx.jpg?width=1200)
(画像 HelpMeFind)
作曲家エドガー・ヴァレーズに献呈されたバラ。ヴァレーズの作品「オクタンドル」から名を取った。
作出:ヴァルター・ビアンキ(イタリア)
作出年:1997
系統:ハイブリッドティー
Varèse - Arcana
ヴァレーズ - アルカナ
アメリカと双璧をなすもう一つの大編成オーケストラ曲。
Varèse - Density 21.5
ヴァレーズ - 密度 21.5
(比重21.5という訳題も少なからずみられる)
フルート・ソロのための曲。ジョルジュ・バレールというフルーティストが作らせたプラチナ製フルートのお披露目演奏会のために作曲した。当初は無題とする予定だったが、バレールが題名をつけるように求めたところ、プラチナの比重を題名に当てたという逸話が有名である。
前半に現れるキーパーカッションの使用や、後半の超高音域のモチーフを繰り返す部分はヴァレーズの作曲における特徴をよく表している。最初のF, E, Fisという音程進行がドビュッシーのフルート・ソロ曲『シランクス』のB, A, Hと共通しつつ、その音楽的特徴はドビュッシーの耽美の世界とは真逆の即物的で攻撃的な音響から、「アンチ・シランクス」とも呼ばれる。
Rose ‘Platinum’
バラ ‘プラチナ’
![](https://assets.st-note.com/img/1706683294164-9a51vbrV3x.jpg?width=1200)
(画像 Mattnews Nurseries)
作出:Mattnews Nurseries(ニュージーランド)
別名:MATtmilano
HelpMeFindではミニフローラでGreen Whiteとなっているが、明らかに画像はそれとは異なるため、別品種と混同したと思われる。
Varèse - Ionisation
ヴァレーズ - イオニザシオン(イオン化)
西洋音楽史上初めて打楽器だけのアンサンブルのために作曲された作品。
ピアノも含まれるが、不協和音を連打するのみで、メロディや和声は一切演奏せず、打楽器の一つとして扱われている。同様に音程を持つ楽器としてチューブラーベルも含まれるが、こちらもメロディや和声は一切含まれない。
Varèse - Poème électronique
ヴァレーズ - ポエム・エレクトロニーク(電子の詩)
テープ作品。テープ上で聴かれる音響のほとんどは発信音からなるいわゆる「電子音楽」だが、冒頭をはじめ数カ所で鐘の音の加工音も含まれる。
ベルギーのブリュッセル万博にに建造されたパヴィリオン「フィリップス館」で、天井に吊された450個のスピーカーから再生された。これの設計をしたのが建築家のル・コルビュジエであり、その助手として働いていたのが当時建築家を目指しのちに作曲家に転向したヤニス・クセナキスである。
Varèse - Déserts
ヴァレーズ - 砂漠
吹奏楽とテープを組み合わせた作品。生楽器とテープは同時には演奏せず、器楽の楽章とテープの楽章が交互に演奏される。テープは発震音やホワイトノイズといった電子音響と、生楽器の録音にフィードバックなどを繰り返して合成し、元の生楽器から大きくかけ離れた音響を組み合わせている。
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