プロダクトローンチから1年間での「成功」と「失敗」
こんにちは。
株式会社Rocketsの阿久津です。
本記事では、プロダクトローンチから1年での成功と失敗について書かせていただきます。
自己紹介
改めまして、株式会社Rocketsの阿久津と申します。
まずは簡単に自己紹介をさせてください。
セールスエンゲージメントプラットフォーム「LEADPAD(リードパッド)」を開発・提供する株式会社Rocketsにて、執行役員 COOを務めております。
経歴は以下の通りとなります。
趣味はバスケットボール観戦で、週末はBリーグの試合を見るのが習慣となっています。NBAも大好きです。
本当はバスケに関するnoteも書きたいのですが、今回は事業開発というテーマに沿った内容を書きたいと思います。
LEADPADについて
本題に入る前に、「LEADPAD」について紹介させてください。
LEADPADは『いまアプローチすべき「人」と「企業」がわかる』をコンセプトとするセールスエンゲージメントプラットフォームです。
見込み顧客の優先順位を可視化し、アプローチの自動化・最適化することで商談と生み出すことができることが強みです。海外では「Outreach」「Salesloft」などのプロダクトが浸透していますが、日本ではこれから市場を創っていくカテゴリーとなります。
2022年5月に正式ローンチし、既に100を超える企業様に導入いただいております。
2021年7月には「第1回 Salesforce スタートアッププログラム」採択され、「社会課題の解決や社会変革を主導するBtoB SaaSプロダクト」と認定いただきました。
2022年9月にはICC KYOTOにも登壇させていただきました。
さて、ここからは「LEADPAD」をローンチしてから1年間での「成功」と「失敗」について2つずつ紹介しようと思います。ぜひご一読ください。
ローンチから1年での「成功」
マーケティング戦略
主にリード獲得・商談獲得についてです。
成功内容は「展示会出展」と「オンラインカンファレンス・ウェビナーへの参加」です。
ローンチ当初はリード獲得施策として、Web広告出稿(Facebook、Google)を実施しており、一定のCPAで商談獲得や受注獲得はできていました。
一方で、プロダクトがアップデートすることにより訴求内容が少しずつ変わっていくため、ターゲティングやクリエイティブ作成などの工数がかかり、運用が難しくなるという状況でした。
他のマーケティング施策を考えながら情報収集していく中で「展示会はプロダクトとの相性が良いのでは?」という仮説の中、LEADPAD初の展示会出展をしました。そこでターゲット顧客やプロダクトで解決できる課題を持った方々と出会うことができ、想定以上の結果を残すことができました。(どのように運営したのかは別のnoteで書こうと思います。)
オンラインカンファレンスやウェビナーについては、月1回の頻度で登壇させていただきました。プロダクトやカテゴリーの知名度が低い中で、「認知」という観点で広げられたと思います。こちらで獲得したリードについては、すぐに架電アプローチはしないようにしているので、すぐに商談や受注に繋がることはないですが、メルマガやシーケンス(営業の自動メール)などを通じて長期的に顧客接点を持つことができています。
改めて、お声がけいただいた皆様、ありがとうございます。(来年も何卒よろしくお願いいたします!)
プロダクト戦略
主にプロダクト開発の観点で紹介します。
成功内容は「顧客起点での開発優先順位決め」です。
SaaSプロダクトでは、特定の顧客に合わせたオーダーメイドではなく多くの顧客の要望を満たすことが求められます。 つまり、多くの顧客に対して汎用的にメリットを生み出すことが重要になります。また、受注して終わりではなく多くの顧客に継続利用してもらうためには、継続的なプロダクトの改善が必要になります。
弊社では、まず既存クライアントからの要望把握を第一優先で行っています。我々が展開するセールス領域では、業界や企業規模によって業務フローや保持するデータが違うケースがほとんどです。そのため、カスタマーサクセスが定着・運用支援を行う中で「Must Have」「Nice to Have」の要望を一旦吸い上げ、全てプロダクトにフィードバックするようにしています。
セールスやインサイドセールスも顧客接点が多い役割ですし、マーケットからの要望という観点でフィードバックを上げるようにしています。
また、顧客起点での重要になるのが、顧客の要望を深堀りすることです。どこに課題があるのかを明確にし、本質的な解決策を見つけることができれば、自然と汎用的な機能となります。これをビジネスチーム、開発チーム、デザイナーが一体となって進めたことで、多くのクライアントさまに継続いただけるプロダクト開発ができていると感じています。
ローンチから1年での「失敗」
プライシング戦略
文字通り、「価格設定」についてです。
SaaSビジネスにおいて、プライシングは安定した収益を生み出すための基盤となります。価格設定が上手くできているかどうかで、会社やプロダクトの成長スピードに関わる重要なポイントとなり、収益に大きな影響を与えます。
価格を設定する際には大きく以下の3つの観点から考えることが重要と言われています。
上記3つの観点のうち、弊社では②からスタートしてしまったのが失敗要因となります。
「お客さまLEADPADに感じている価値は?」「LEADPADにいくらまでなら払うの?」という観点からではなく、導入ハードルを下げるために安価な価格設定をし過ぎてしまいました。
下記がローンチ当初と現在の価格設定になります。プロダクトのアップデートもありますが、価格は2〜4倍に上げています。
明確な数値は伏せますが、現在の価格でご利用いただいているクライアントさまのほうが、利用率・継続率は高いです。
SaaSの価格設定は、様々な機能が追加されたり、別のプロダクトが展開されたり、新しい業種がターゲット顧客層となるなど、スケールすると共に価格設定も変化するべきだと思います。
会社の成長率や利益率に大きなインパクトを与えるからこそ、価格の最適化については常に考えていかないといけません。
組織戦略
主にビジネスサイドの組織づくりについてです。
失敗内容は「セールスとカスタマーサクセスの分業体制」です。
インサイドセールス向けプロダクトということもあり、プロダクト開発の観点からもインサイドセールスの役割を置くことが必須でした。そのためローンチ前から「THE MODEL」といわれる分業制を敷いております。
分業制は役割ごとにKPIを設定して事業を推進する体制の一つですが、セールスとカスタマーサクセスを分けることで顧客解像度・プロダクト解像度が薄くなるという事象も起きました。具体的には、「受注時の期待値調整が上手くいかない」「お客さまはどのようにプロダクトを使ってくれているのかを把握できない」などがあり、最大限の価値提供ができているのか?と問題がありました。(もちろん社内でのコミュニケーションや商談同席などは行っております)
一方でセールスとカスタマーサクセスを一気通貫とした場合、商談〜受注後のオンボーディング&カスタマーサクセスまでを担当するので、新規商談の提案の幅や既存クライアントのオンボーディングの質も上がると思います。
(Salesforceさんも受注後はAEさんが担当してくれますよね。サポート部署もありますが。)
アーリーフェーズのプロダクトだからこそ、分業制で役割を決めるのではなく、幅広く担当することで顧客解像度・プロダクト解像度を上げることができるのではないかと感じました。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。
「LEADPAD」は『いまアプローチすべき「人」と「企業」がわかる』をコンセプトとするセールスエンゲージメントプラットフォームです。
などの課題を持っていらっしゃる企業さまにはお役立ちできると思うので、ご興味がありましたらぜひ一度お話しさせてください。(ざっくばらんに情報交換のイメージです)
また、弊社では採用も強化しています!
単なるSaaSセールス、SaaSカスタマーサクセスではなく、マーケットに向き合い、開発部門や他部署と連携しながら、事業開発を行っていくことが求められる仕事になります。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話ししましょう!
改めて最後までお読みいただきありがとうございました!!