見出し画像

アイデアの絞り込み方

 昨日、来年から社内で新規事業提案制度を始めたいと考えている企業の方から相談を受けた。社内でアイデア募集を進める際、どの観点で選び抜くと良いかという質問だったので、他の企業ではこういったポイントが重視されることが多いですよ、とお伝えすることに。

 もちろん、顧客の定義、課題の発見、解決策の構築といった基本を押さえた上で、その後にどこを見ていくと良いのかについて、今回は簡潔にメモを残していこう。

 一つ目のチェックポイントは市場。企業規模が大きくなればなるほど、優先順位が上がる項目の一つ。市場の大きさや成長性を評価し、そのアイデアで勝負した際に十分なリターンが得られるかどうかを確認する。

 例えば、ミカンの消費量が年々増加しているなら、ミカンを活用したアイデアを投入するのは理に適っている。また、ミカン市場がこれまで自社が手掛けてきた市場と同等かそれ以上であれば、新たな挑戦としても十分に納得できる。

 二つ目のチェックポイントは資源。これもまた、企業から相談を受けた際に重要な要素。これまで培ってきた販路や、社内で積み重ねてきた研究開発が新たなアイデアに反映されているかどうかを確認する。

 例えば、糖分が少ない原材料からお酒を造る研究開発を行っていた企業なら、ミカンの皮を使ったお酒造りのプロジェクトは、技術の応用という点で会社全体としてGOサインが出る可能性が高い。

 三つ目のチェックポイントはビジネスモデル。単なるマネタイズではなく、持続的にお金を生み出す仕組みを構築できるかどうかが重要。競合が参入した際に模倣されにくいか、成長戦略が描けるかといった点も含めて確認する。

 例えば、ミカン生産地のジュース工場と提携し、廃棄されるミカンの皮を使ってお酒を造り、地方のアンテナショップでお土産品として高単価で販売する。全国展開している大手酒造メーカーと無理に戦わない、といった風に筋道が立てられていれば説得力が増していく。

 以上のように、市場、資源、ビジネスモデルといった有名なチェックポイントがあるものの、企業内の評価基準で見落とされがちな重要なポイントとして「担当者の情熱」があることも最後に強調することに。

 何故、これまで携わってきた業務を離れ、新規事業に挑むのか。どうして、あなたがその新しい挑戦に従事しなくてはならないのか。といった風にしてアイデアの裏にある情熱や信念を、それを裏付けるエピソードと共に確認すること。それこそが諦めない姿勢と無限の行動を促し、結果的に事業立ち上げへと繋がっていくので、この点も見逃さないでくださいねとお話をさせていただくことに。

 これからアイデアを社内で集め、評価し、そして実現に向けて動かれたい事務局の皆様の一助となりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?