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組織の強みを活かす調達

 スタートアップの旅路において欠かせない資金調達。そのポイントの一つである「誰から調達すべきか?」について、とある先輩起業家からコメントをもらったので、それを紹介していきたい。

 そのコメントとは、「できる限り組織から資金を調達する心構えを持とう」というもの。その言葉の背景にはいったい何があるのか、早速背景を掘り下げていこう。

 組織から調達すると、どんな良いことがあるのか。その一つ目は、お金と感情が絡み合うことがないこと。個人が自分がの稼いだお金を投じると、どうしても感情的になりやすいもの。けれども、組織からの資金提供であれば、担当者のポケットマネーでないことから、冷静で合理的な判断が保たれるように。

 例えば、ある農家が自分で育てたミカンを手渡す場合、そのミカンには愛情や苦労が詰まっていて感情が揺れ動きがち。もし仮に全国のミカンを扱う商社からミカンが手渡される場合、その業務に携わる担当者はドライに対応できるように。

 組織から調達すると、どんな良いことがあるのか。その二つ目は、金額が大きくなること。個人が自分がの稼いだお金を投じると、提供される金額はその人の資産に依存するように。けれども、組織からの資金提供となると、会社が持つ巨大な資産の一部となり、遥かに大きくなるように。

 例えば、ある農家が自分で育てたミカンを手渡す場合、1,000個の提供が限界かもしれないものの、全国のミカンを取り扱う商社であれば、10,000個から相談しましょう、といった話も簡単に起こり得る。

 組織から調達すると、どんな良いことがあるのか。その三つ目は、専門的な支援が増えること。個人から資金を調達すると、その人のこれまでの経験や人脈に応じた支援を受けられるように。けれども、組織からの資金を調達すると、巨大な組織の中から幅広い専門的なサポートを受けられるように。

 例えば、ある農家からミカン提供で関係性を結ぶと、ミカンの栽培方法について学びが得られる可能性が高い。けれども、全国のミカンを扱う商社と関係性を結ぶと、販路構築やブランディングまで学べる可能性がある。

 もちろん、スタートアップの初期段階でエンジェル投資家と組み、専門性を活かしながらスピーディにアイデアをカタチにしていくケースも多い。けれども今回アドバイスをくれた方のように、大手と提携し進めているケースも存在する。

 どの道を選ぶにしても、必ず強みと弱みがある。それをしっかり理解した上で、自分たちにとって最適な戦略を組み立てていこう。これから資金調達を進める皆様の参考となりますように。

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