67.詐欺られたトラウマ
Q.こんにちは。拓郎さんの、人生で一番のトラウマは何ですか?よかったら教えてください。
A山E子(36歳・たぶん女子)
A.「まんじゅうこわい」という落語があります。
あるところに「まんじゅうこわい」と言った男がおりました。それでいてそいつはゴリゴリの嫌われ者でした。
村のみんなは大量のまんじゅうを購入し部屋に投げ込むことにしました。いくら嫌われているとは言え、この村民共も相当クレイジーです。
しかし実際は「まんじゅうこわい」というのは大ウソでした。男はなんと単なるまんじゅう好き、いわゆる糖質中毒者だったのです。なんと嫌なやつなのでしょう。みんなから嫌われているのも頷けます。
村民は村民で馬鹿なので、まんじゅうをたらふく食われた後に「あ、ウソやん」と気付いたのです。まんじゅうがこわい人間などいるはずありません。じつに嘆かわしいアホンダラたちです。
村のみんなは「ホンマに怖いものは何やねん!」と男に問い詰めます。
糖質デブは「この辺で濃いお茶が一杯怖い!」と言っておしまい。ズコー。
こんなあらすじです。
「まんじゅうこわい」はイギリスで総選挙のあった年に創られた話だそうです。日本で言うと江戸幕府十代目の頃です。色々とアレンジされたりパターンも多いのですが、まぁとにかく詐欺の話ですね。
「トラウマ」と聞かれて思い出したのが、昨年、僕も1000万円ほど詐欺られたことです。
手が込んでいたと言えば手が混んでいたのですが、大まかに言うと「まんじゅうこわい」とさほど変わりません。
犯人もかなりのデブです。完全に糖質中毒者だと思われます。
「この俺があんなデブに負けるなんて…!」と悔しい思いをしましたが、こういう『驕り』がいけないのです。
『驕れる人も久しからず』と言いますが、調子に乗っているとついまんじゅうを投げてしまうものですね。僕も村民たちとさほど変わらない知能でした。
弁護士やら何やらと手を尽くしておりますが、まったくガラは押さえられません。今ごろどこかの国でパフェでも食っているでしょう。
もはや糖尿になれ!と呪いをかけることぐらいしかできません。
あれ以来、何かにつけて「1000万円パクられるんじゃ」と考えてしまいます。詐欺に合うぐらいなら、と思いCDを無料で配っています。
それにしても、この一年でずいぶん疑い深くなってしまいました。