【2024年回顧】極私的振り返り
はじめに
明けましておめでとうございます。
すっかり2025年となり、初詣も聴き初めも済んだところですが、重い腰を上げて(誰も頼んでない)2024年振り返りをしてみようと思います。以前は開店休業状態のブログにひっそりと載せ、それも面倒になりiPhoneのメモのスクショになり…と縮小していったわけですが、わりと2024年は左門豊作だったので一応まとめてみるかとnoteを立ち上げてみた次第。この投稿の次は2025年まとめになるんじゃないかという気がしております。
《番外編》海外遠征
1-2月:ヨーロッパ
台北は夜市とサウナ探訪のためにしょっちゅう行っている自分ですが、ヨーロッパ遠征は実に9年ぶり。大学以来でした。そんな長い間ご無沙汰していたとは自分もびっくり。畏友の皆様にもアドヴァイスをいただいて、下記のような日程を組めました。往路だけカタール航空で少し背伸びして、復路は旧アリタリアのITA航空のローマ経由激安便(これが存外良かったのだけど!)。
1/25 DEP.HND
1/26 ARR.BER、夜ペトレンコ/BPh『ヤコブの梯子』@Philharmonie
1/27 ペトレンコ/BPh『ヤコブの梯子』@Philharmonie
1/28 べルリン→ドレスデン(FlixBus移動)
『トリスタンとイゾルデ』@Semperoper
ドレスデン→シュトゥットガルト(夜行FlixBus移動)
1/29 『中国のニクソン』@Staatstheater Stuttgart
1/30 シュトゥットガルト→ベルリン(ICE移動)
テツラフ・クァルテット@Pierre Boulez Saal
1/31 『ダフネ』@Staatsoper Unter den Linden
2/1 ベルリン→アムステルダム(ICE移動)
シャイー/RCO『グレの歌』@Concertgebouw
2/2 シャイー/RCO 『グレの歌』@Concertgebouw
2/3 アムステルダム→ブリュッセル(FlixBus移動)
『ワルキューレ』@La Monnaie
2/4 DEP.BRU
2/5 ARR.HND
移動日がゼロで、ほとんど午前中は移動に充てる予定を組んでいたので人に会う約束は最小限でしたが結果的に毎日素敵な友人たちにお会いできてお世話になりました。複数日滞在のベルリンとアムスでは博物館や美術館も楽しめたし。人数いないと食べられない料理もご一緒させていただけたり、改めて感謝申し上げます。
この遠征を年間振り返りに加えるとほとんどそればっかりになってしまいそうなので、番外編という形で本項で振り返るにとどめます。
まずはこの遠征を決める最大のきっかけになったシャイー/コンセルトヘボウ管の『グレの歌』。これまでの2000回ほどのコンサート通いの中でもトップに位置付けてよい超弩級の、揃いに揃いまくった超名演でした。音盤化希望。オランダ放送のラジオ音源は擦り切れるほど聴いてます。
続いてはこれもシェーンベルクで、ペトレンコ/BPhの『ヤコブの梯子』『室内交響曲第1番』。これまた超絶レアな曲を考えうる最強コンビで聴けるという記念年さまさま企画。初日のチケットはありがたくも頂戴したのでした…🙇♂️
最後はSemperoperでのティーレマンの『トリスタンとイゾルデ』。この後『影のない女』はありましたが、任期中最後のワーグナー上演ということ、Unitelの収録回ということ、歌手陣の充実とこれまた色々重なり超絶名演。舞台は観ずにひたすらピットと歌手を目ん玉ひん剥きながら見つめていました。終演後、隣の妙齢のご婦人の「30年間で最高のトリスタンだったわ」という言葉はよく覚えてる。
リンデンとモネ劇場で何故か2回もカステルッチを観たり(まるでカステルッチ追っかけみたいじゃないか!)、ハーゲンQでもシェーンベルクを聴き、シュトゥットガルトのローカル感溢れる『中国のニクソン』を楽しんだりと、シェーンベルクの記念年に浸りつつ後期ロマン派〜20世紀どっぷりという自分好みの旅だったなあと思います。しばらくは行けないかなあ、でもまた計画したい…。
4,5,6,11月:台北
はい、行き過ぎですね(笑) これでも1回11月の3連休は台風の影響で土壇場でキャンセルしてるんですが…。
ブルックナー記念年ということで台北でブルックナー祭を展開したインバル御大を追っかけた次第です。
4月:4番
5月:5番
6月:6番
11月:2番
という具合。前プロでは4月のアンデルシェフスキ(バルトーク3番)、11月のクン=ウー・パイク(スクリャービン)が秀逸でした。メインではフーガの入りを執拗に振りまくりキレッキレの5番が最も過激で「らしくて」よかった。ショスタコーヴィチ祭の今年も自分はよくいると思います(←聞いてない)。
2024年観た、聴いた ベスト
さて本題です(遅いよ)。
まずは回数から。
2024年:131回
《参考》2023年:123回、2022年:139回、2021年:107回
…微増ですね。大学生の頃の250超なんて数字には戻るわけがないし戻すつもりもないですが、結構自分では厳選してるつもりなのに131回か。もっと削れるのではなかろうか。いやでも11月以降室内楽系の聴くべきものを色々逃して失速したしな…。今年は更に聴くべきを聴く、を徹底していきたいと思います。
では次に特に印象に残った公演を20選。太字はその中でも一際輝く公演です。先述の通り海外遠征は除外します。
1/19 J.アダムズ/都響 『ハルモニーレーレ』etc.自作自演
3/2 インバル/大フィルマーラー10番(クック版)
4/6 ディオティマSQ シェーンベルクSQ全曲演奏会
国内最大の記念年目玉企画がこれっていう寂しさよ…。
4/13 ヤノフスキ/N響シューベルト、ブラームス
4/20 ムーティ/東京春祭ヴェルディ『アイーダ』
4/21 ヴァイグレ/読響 R.シュトラウス『エレクトラ』
5/10 カーチュン・ウォン/日フィルマーラー9番
5/22,24 C.プレガルディエン&M.ゲースシューベルト
6/4,5 インバル/都響 ブルックナー9番(4楽章付)
6/25 ネゼ=セガン/METオケ『青ひげ公の城』
6/29 フルシャ/都響ヤナーチェク『利口な女狐の物語』組曲
7/13 ポペルカ/プラハ放送響 『我が祖国』(結果全曲)
8/17 濱田芳通/アントネッロヘンデル『リナルド』
9/16 ムーティ/東京春祭 ヴェルディ『アッティラ』
9/21 デュムソー/紀尾井ホール室内管、アルトシュテット
10月ABC ブロムシュテット/N響…例外的に!
10/13 新作バレエ『赤毛のアン』
…盟友の晴れ舞台という以上の感銘!
10/20 アルティノグリュ/hr響マーラー5番
11/24 カサドシュ/読響 幻想交響曲
11/27 ラトル/バイエルン放送響
ワーグナー、リゲティ、ウェーベルン、ブルックナー9番
なおギリギリ選外で…
5/21 ヴァルチュハ/読響 マーラー3番
おわりに
2024年はブルックナー、シェーンベルクが記念年作曲家の目玉だったと思いますが、前者は大いに盛り上がり(自分も少し混ぜていただきました)を見せたのに対し後者は歴史的意義に対してあまりにも日本では静かな祝いっぷり。『ペレアスとメリザンド』は何回か演奏会にかけられたようですが、グレとは言わずともErwartungとか上演されなかったのかしら。その意味では繰り返しで恐縮ですが欧州遠征に意義はあった。
ワースト公演は挙げないでおきますが…某劇場『トリ○○ン』、某スター歌手(グリ○○アン)の伴奏オケ、某響6月B定期(隠す気あんのか)あたりはパッと浮かびますね……。挙げてるじゃん。
えーと、抱負は特にないのですが…2025年も皆様にとって、たくさんの美味しいものや素晴らしい芸術との出会いが多き年となりますように!お付き合いありがとうございました🙇♂️