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【表現評論】ライザのアトリエ3から考えるゲームの操作感

はじめに

先日、ライザのアトリエ3をDLCまで含めてクリアしました(一部の理不尽なサブクエストを除く)。システムを理解するのが大変で、95時間もかかりました。

アトリエシリーズに触れるのが初めてで、RPGとしては面白かったなと思いました。しかしながら、操作感や視認性という点で、私がこれまでに遊んできたゲームと比較して明確に劣っていると思いました。今回は、ゲームの内容には触れずに、操作感に着目したいと思います。
脱線しますが、ライザシリーズのシナリオについての話をあまり見かけません。太ももで覇権をとってしまうと中身はどうでもよくなったりするのでしょうか。

カメラワーク

ライザ3では、カメラとキャラクターの近さを調節することができます。私は常に最大限カメラを引いて視界を確保していました。フィールドにいる敵と接触すると戦闘が始まるのですが、戦闘終了後にカメラワーク(近さと角度)がデフォルトの位置に毎回戻されるのがかなりストレスでした。同じような戦闘システムであるポケットモンスターソード/シールドやスカーレット/バイオレットはそのようなことはありませんでした。ポケモンのようなカメラのしくみが当たり前だと思っていたため、ここは驚きました。技術的にはすぐに修正できるような気はするのですが、開発陣にこのことを指摘する人がいなかったということなのでしょうか。

フィールドでのカメラワークについては、ふつうの視点、上を見るとき、下を見るときの3パターンについて、スーパーマリオオデッセイと比較してみます。ライザ3ではカメラを最も引いた状態にしています。マリオではカメラの距離を自由に調整する機能はありません(傾きを変えたときや、特定の場所においては距離は変わります)。

ライザのアトリエ3 正面
ライザのアトリエ3 上向き
ライザのアトリエ3 下向き
スーパーマリオオデッセイ 正面
スーパーマリオオデッセイ 上向き
スーパーマリオオデッセイ 下向き

キャラクターの移動速度は、ライザは速く、マリオは思ったよりも遅いです。確認のために久しぶりにオデッセイを起動しましたが、マリオの移動速度を考慮するとカメラはやや近くても問題ないと思いました。
オデッセイのカメラワークは、傾きによって大きく動きます。上向きのときはマリオに寄って、下向きのときはグッと距離が離れた俯瞰視点になります。オデッセイをプレイしていたときには何も感じていなかったのですが、ライザ3プレイ後に触ってみると、大きく距離が変わることに違和感がなく、またプレイヤーが見たい範囲はちゃんと表示されているため、よく考えられているのだなあと思いました。

項目の選択

ライザ3では、メニュー画面はもちろん錬金術でアイテムを錬金するときなどで、項目を選択する必要があります。しかし、今どれにカーソルがあっているのか(選択されているのか)が非常に分かりにくく感じました。ライザ3では基本的には項目が細い線で囲われ、その囲みが点滅するような形式になっています。囲みがしっかりと光っているときはわかるのですが、そもそも点滅させずに常に表示させたり、囲みを太くしたりしてほしかったです。

ライザのアトリエ3 錬金画面
久遠の白砂という素材を選択している
マリオカート8DX コース選択画面
マリオカートスタジアムが選択されている
マリオカート8DX コース選択画面(確認画面)
スーパーマリオブラザーズワンダー メインメニュー
キャラクターセレクトが選択されている

ライザ3の錬金画面では素材が選択されています。この青白い枠がゆっくりと点滅しており、消えているときはとてもわかりにくいです。せめて枠がもっと太ければよかったのにと思います。
比較として、マリオカート8デラックスと、スーパーマリオブラザーズワンダーを持ってきました。マリオカートでは選択されている項目そのものが黄色くなり、また枠もついています。ワンダーでは、項目が黄色くなるとともに項目の形が円形からギザギザに変わっており、視覚的に認識しやすくなっています。

ファストトラベルのやりやすさとマップ表示

ライザのアトリエ3 マップ
ここまで目標に近づけても反応しない
スーパーマリオオデッセイ マップ
目標に近づくとカーソルが吸い寄せられる

最近の3Dゲームでは、主要な地点にすぐに移動できるファストトラベル機能がほとんど標準搭載されています。移動したい目的地にカーソルを合わせるのですが、そのカーソルの合わせやすさが気になりました。ライザ3ではほとんどぴったりとカーソルを合わせないと認識してくれないのに対して、マリオオデッセイやポケモンでは近くまでカーソルを移動させれば自動的に目的地を認識してくれます。これも地味なことですが、プレイのストレスに大きく関わってきます。

他にライザ3のマップで気になる点として、全体マップとミニマップで表示される情報が異なることが挙げられます。ライザ3ではツタにつかまって移動するアクションがあるのですが、全体マップではツタが表示されず、ミニマップでのみ表示されます。移動に関する情報はゲーム上重要なのに、なぜマップによって表示されたりされなかったりするのかまったくわかりませんでした。

キャラの移動に関すること

これに関しては実際にゲームに触れてみないとわからないことですが、個人的には重要ですので記述します。ライザ3では移動中にひっかかりを感じることがありました。たとえば、ジャンプせずに上り下りできる階段で、なぜか段差にひっかかって上れなくなる、自然にある地面のでこぼこにひっかかるなどです。地形の判定を厳密にしすぎるとこのような現象が発生するのでしょうか。
他には、目の前の段差をジャンプや崖のぼりで上ったり飛び越えたりすることができるのかが、見た目ではほとんど判別できないということが気になりました。これは操作感としては上述のひっかかりよりも深刻な問題です。「見た感じは行けそうなのになぜ行けないのか、他に上る方法があるのか」ということを考えるスキをプレイヤーに与えてしまい、結局ゲームの仕様の問題で解決できない、ということが何度もありました。ポケモンスカーレット/バイオレットでも似たようなことはありましたが、シナリオを進めると崖を自由に上り下りできるようになるため、問題はほとんど解消しました。ポケモンブリリアントダイアモンド/シャイニングパールでの地形のひっかかりや段差を下りる仕様については、ライザ3と同じかそれ以上にイライラさせられました。
これらはゲームの内容に直接的に影響を及ぼすものではありません。しかし、遊んでいて不自然な感覚があるといまひとつプレイに集中できなくなります。文章の体裁を整えるのは内容以外のところに余計な注意が向かないようにするためであり、それと同じようにゲームの操作感に違和感がないように調整することもまた重要であると思います。

おわりに

他にも細かな点で操作感に疑問を持つところはありますが、きりがないためこのへんにしておきます。次回作のユミアのアトリエも面白そうだとは思っておりますが、発売直後には買わないと思います。ただ、ライザ3をプレイしたことでアトリエシリーズに興味がわいてきています。

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