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【D2C】未経験からのブランド運営。ホームグッズブランドMYTONEが月商1600万円を超えるまで。

こんにちは。井澤卓です。

& Supplyという会社を経営し、飲食店やブランド運営、内装やグラフィックデザインの受託制作を行っています。

このnoteは、僕達が2020年7月に立ち上げたホームグッズブランド、MYTONEの立ち上げから現在までを明るみにする公開記事です。

これまでnoteでは、主に僕達が経営する飲食店、LOBBY、nephew、Honeというお店について書いてきました。

未経験から飲食店を始めるとどうなるのか。経営を成り立たせることはできるのか。「将来飲食店をやりたい!」という人が多かったので、そんな人々の助けになればという思いで書いたnoteです。

経営をする中で、「飲食店を開きたい」と同じくらい、「自分のブランドを持ちたい」という人が多いことに気づきました。

そこで今回は、僕達が運営するホームグッズブランド、MYTONEについて書いてみます。

MYTONEは2024年の4月の月商が1,600万円に達しました。
ブランドとしての規模はまだまだ小さいですが、少人数で運営する事業としては成り立つ数字に成長しました。
商品が1点売れるだけで飛び上がるほど喜び、手作業で発送していた頃から考えると想像もできない規模です。

何か特別な打ち手が成功したというよりも、日々地道にコツコツ継続していたことが繋がり、実を結び成長した形です。

その意味でも、「ゼロから自分のブランドを始めたい!」という方や、「立ち上げたばかりのブランドを伸ばしていきたい!」という方の参考になるはず。

立ち上げから時系列で過程をまとめたので、小規模ブランドで悩むポイントである、倉庫や発送、商品開発の外注や、人材採用のタイミングについても参考になるかもしれません。

包み隠さずプロセスや数字実態を書いたので、2万字弱の長文となってしまいました…!
その分興味のある方には実感を伴って読める内容だと思うので、、ブックマーク等してゆっくり読み進めていただけたらと思います。


はじめに:ホームグッズブランドMYTONEとは

まず初めに、ホームグッズブランドMYTONEについて。
MYTONE(マイトン)は、様々なパターングラフィックをモノに落とし込んだホームグッズブランドです。

MY TONE :直訳すると、私の気分・私の色合い

"Make your everyday life colorful." をコンセプトに、「数ある柄や色の中から自分が好きなデザインを選んで、日常を自分色に彩ろう。」というステートメントを掲げています。

自分の好きなトーン=MYTONEと暮らすことで、日々をポジティブに過ごすことが出来る。
インテリアにカラフルなパターンアートを用い、白壁がメインで画一的な日本の物件を自分の好きな空間に変えて、人々の日常を楽しくする事を目指しています。

バスタオル、タオルケットといったタオルプロダクトを中心に、ブランケット、ラグ、風呂敷、ポスター等、気軽に空間を彩れるインテリアアイテムを提案しています。

販売はオンラインサイトを中心に、全国各地でのPOP UPや、一部インテリアショップへの卸しも行っています。

このnoteを書いている現在のチームメンバーは僕を除くとフルタイムが2名のスモールチーム。

フルタイムは長らくディレクターの藤井のみという形で運営してきましたが、今年の2月から新たに山﨑がジョインし2名体制に。その他、プロジェクト単位でデザイナーがサポートしています。
5月からはさらにもう1名が加わり、ブランドの成長に向け土台を作っている段階です。

ブランドを始めた理由

ファブリックを主体とするブランドは、僕が長年温めていたアイデアの一つでした。

僕は昔から布が大好きで、海外に行く度にインテリアショップやアンティークショップを回ってファブリックプロダクトを買い集めていました。

今では、ブランケットは20枚以上、ラグは15枚以上持っています。といってもいつも全部を使うわけではないので、部屋の隅に重ねてあります。笑

ファブリックが好きな理由は、気分で空間の雰囲気を変えられるからです。

ラグやブランケットは、それ一枚あるだけで部屋の雰囲気をパッと変えてくれますよね。ブランケットはベッド掛け、ソファ掛け、椅子掛け、時には壁掛けしてタペストリーのようにも出来る。

白壁のシンプルな部屋でも、色鮮かやなブランケットがあるだけで、空間が明るくなります。
気分によって使うブランケットを変えれば、ファッションのように、毎日自分の好きなスタイルを楽しむことができるんです。

そんな絶えない布愛と共に布を探して練り歩いていた中で、日本にはあまり自分が欲しい柄がないなーと思っていました。

部屋がシンプルになりがちな分、差し色として使うファブリックはカラフルな物を置きたいけど、なかなか自分の好みに合うデザインが見つからない。

そこで、「無いなら自分で作ろう」と思い始めたのが今から6年程前のこと。
とはいえブランドの立ち上げは大きな費用がかかるし、ニーズがあるかもわからない。なかなか踏み出せず、二の足を踏んでいたところ、転機になったのがコロナでした。

当時、僕達は受託のデザイン事業を主軸にしていましたが、コロナの影響で仕事が全くなくなってしまったんです。

「どうしよう、やることが無い。でも何かやらないと。」
そんな焦りの中思い出したのが、温めていたファブリックブランドでした。

受注仕事に頼ると、不測の事態に対応することができない。デザインの仕事をするうえで、「自分達でコントロール出来る事業」が無いことはこの先大きなリスクになる。そう考え、思い切ってブランドを始めることにしました。

当時、人々がこれまで見過ごしてきた住環境の充実に目を向け始めたことから、インテリアブランドへの可能性も感じていました。

こうして、コロナ真っ只中の2020年7月に生まれたMYTONE。もうすぐ丸4年が経ちます。
といっても長らくはなかなか売れない期間が続き、過去には諦めようとしたこともありました。事業として成り立つ売上が作れるようになったのはここ1年弱のこと。

そんな成長の過程を続く章で書いていきます。

(余談ですが、自分自身が何かを始める際、生活者としての自分の視点から、「今は無いけど、あったらいいなと思う物事」を選んでいます。僕達が経営する飲食店は3店舗、そして7月に1店舗が増え合計4店舗になります。その全てが、自分が住む東京というマーケットに、その瞬間ありそうでなかった業態を打ち出しているつもりです。)

立ち上げから現在までの売上高推移

前提を簡単に振り返った上で、早速ここから運営の実態を書いていきます。
以下がこれまでの年商推移です。

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