
エリートなのに仕事ができない? 高学歴発達障害かもしれません
高学歴なのに、
「ケアレスミスが多い」
「人間関係がうまくいかない」
「電話応対ができない」
みなさんの周囲には、こんな人たちはいませんか?
こういう人たち、実は高学歴発達障害かもしれません。
そんなお話を本日のnoteで書いていければと思います。
というのも最近、僕はこちらの本を読みました。
こちらの本に書かれている数々の事例が、まさに自分のことを言われているようでした。
本書には、僕と同じように「高学歴なのに仕事ができない」という人の事例が、たくさん掲載されています。
「学生時代は優秀だったのに、社会に出た途端、仕事ができずに潰れてしまったという人も少なくない」
と冒頭に書かれていますが、僕も新卒で大企業に入社した直後は、こんな感じでした。
「高学歴なのに会社で仕事ができない」と思い悩んでいる人にとっては、勇気がもらえる本です。
本日はこちらの本と、僕の経験も参考にしつつ、
「学校の勉強はできたのに、会社の仕事はできない…」とお悩みの人が、日本社会を楽に生き抜くコツをお伝えしていきます。
高学歴なのに仕事ができない人々
本書には様々な人の体験談が本に書かれているのですが、その中から僕が個人的に気になった2名のエピソードを抜粋したいと思います。
①早稲田政経卒の大石氏
早稲田政経といえば、私立文系トップレベルの大学です。
そこを卒業していますから、さぞかし仕事ができる人だろうと思いきや、全然仕事ができなかったということです。
マルチタスクやスケジュール管理、コミュニケーションはうまくいかず、忘れ物も多く、大石氏は会社から厄介者扱いされていたとのこと
グラフと表を見るのが特に苦手で、作業中に表の列や行がズレてしまい、毎回先輩に怒られていたようです。
早稲田政経卒ということを知っている同僚からは「なんだこいつは?早稲田卒なのに仕事ができない奴だ」と思われる日々を過ごしていたそうです。
この境遇に、僕は非常に共感します。
僕自身は慶應の経済学部を卒業しましたが、会社に入社後、大学で勉強してきた内容は何ひとつ役に立ちませんでした。
大学を卒業するためには良い成績を取ればいいので、コミュニケーションは不要です。ひたすら勉強に集中し続けていればオールOKな環境です。
ですが、社会に出るとコミュニケーションが必須となります。会社に入社すれば、上司への気遣い・Excel作業・電話応対・同僚との意見交換などのマルチタスクが日常的に求められます。
本書に登場する大石氏も、「自分は何処かおかしいのではないか?」と感じて病院に行ったものの、
「あなたは早稲田を出ているのだから発達障害とは違う」
とお医者さんから突っぱねられてしまったそうです。
(本書には書いてありませんでしたが、患者さんに向かってこんなことを言うお医者さんはヤブ医者だと僕は思いますねw)
その後、他の病院へ行き色々な診断を受けた結果、障害者手帳を取得し、今は清掃の仕事をしているとのこと。
手取りは15万円で実家暮らし。父親からは「甘えるな」と言われる毎日で、
「健常者として25年生きてきたし、早稲田を卒業したプライドもあるので…」
と、辛い生活を過ごしているそうです。
マルチタスクをこなし、同時にコミュニケーションも求められる環境というのは、高学歴発達障害気質のある人にはかなり辛いです。
僕も、大企業で勤めていた頃を思い出す度に、辛い感情が湧き上がります。
②早稲田国際教養学部卒の湯浅氏
お次に僕が共感したのは、同様に早稲田卒の湯浅氏のエピソードです。
彼は、電話応対がさっぱりできない人だったようです。
湯浅氏曰く、
「電話応対が全然ダメでした。上司から聞いた内容をすぐに忘れてしまうといった典型的な注意散漫です。電話で話すと、声は耳に入ってきているはずなのに、相手の話が理解できない。だから、誰かに取り注ぐときも内容はトンチンカンでした」
とのことです。
このエピソードも、僕と全く一緒なんですよね。
僕も、新入社員の最初の仕事が電話応対でした。
具体的に言うと、部署宛にかかってくる電話を3コール以内で取り、上司や先輩に取り次ぐ業務です。
しかし、僕もこの電話応対業務が全くできませんでした。
電話応対特有の言葉遣いもできず、メモも取れず、上司に応対姿を見られていることでパニックになり、半年間続けてもできるようにはなりませんでした。
あまりに電話応対ができないので、居残りで電話応対の練習をする日もありました。(残業代はナシ)
それでも結局、僕は電話応対ができるようにはなりませんでした。精神を徐々に病んでしまい、わずか10カ月で会社を辞めました。
ただ、会社を辞めてからはまるで天国でした。苦手な電話応対なんて、もうやる必要ないんですから。
以上、本書に掲載されていた2名のエピソードをご紹介しましたが、このように、高学歴なのに仕事ができない人はたくさん存在するのです。
要は、勉強と関係ないことができない人が多いんですよね。
学校では、コミュニケーション能力や電話応対技術を培う授業はありません。社会人になって初めて経験することになります。
だからこそパニックに陥り、自分は発達障害なのではと思い悩む壁にぶつかってしまうのです。
ASD気質のある発達障害の人は、マルチタスクを強要してくる日系企業の仕事に向いていない
ということで、本書を読んだ僕が主張したいのは、
「ASD気質のある発達障害の人は、マルチタスクを強要してくる日系企業の仕事に向いていない」
ということです。
そもそも発達障害とは何か?という話になりますが、発達障害には大きく分けて3種類あります。

これは完全に僕の持論ですが、高学歴発達障害の人のエピソードを読んでいても、僕自身の経験を踏まえても、高学歴の人にはASD気質の人が多いと感じています。
つまり、対人関係は上手くいかないけれど、こだわりが強く、1つのことをやり遂げることは得意….というような人です。
では、ASDって何?というと、ASDの特徴としては主に次の2つに分けられます。
①社会的コミュニケーションの障害
②限定された興味
これら2つの特性について詳しく説明していきます。
①社会コミュニケーションの障害
ASDの1つ目の特徴は、社会コミュニケーションの障害です。
特徴としてはこんな感じです。
友人関係をうまく築けずに単独行動を好む
相手の立場に立って考えることが苦手
ルールを守れず、集団行動ができない
いかがでしょうか?かなり当てはまる方も多いんじゃないでしょうか?
僕なんか、見事に全て当てはまっています。
実際、僕は同僚や先輩との人間関係をうまく構築できず、新卒で入社した大企業をわずか10ヶ月で会社をドロップアウト…
さらには、日系企業にありがちな厳格な社内ルールや社内慣習に従うことができず、いつも単独行動をして怒られてばかりいました。
会社で集団行動ができない、チームワークができないという方は、まずはこの「社会コミュニケーション障害」を疑った方が良いかもしれません。
②限定された興味
ASDの2つ目の特徴は、限定された興味です。
特徴としてはこんな感じです。
物事を決まった順序でやらないと気が済まない
自分の好きな話題や活動ばかり繰り返す
興味範囲が狭く、特定の物事に強い関心を示し、高い能力を発揮できる
これも、結構当てはまる方は多いんじゃないでしょうか?
要は、興味のないことには関心を示さない代わりに、興味のあることにはとことんのめり込むタイプということです。
こういうタイプって、マルチタスクを同時並行でこなさなければならない日系の大企業の仕事には全く向いていないんですよねえ…
「木を見て森を見ず」という言葉も、ASDの特徴をよく示しているかもしれません。
自分が興味を持つ特定のジャンルにはとことんのめり込むけど、興味のないことには関心を持てないので、会社からしたら扱いにくい社員ということになります。
ちなみに僕も、こんな風にブログを書いている時はめちゃくちゃ楽しいし、いくらでもブログに集中していられますけど、会社の仕事には全く興味が持てなかったです…
ですので、これらの特徴に当てはまる人は、ASDの特徴を疑ってみてもいいかもしれません。
高学歴発達障害の人は、IT/Web業界に転職してみるのがオススメ
ここからは、僕自身が実践した解決策をお伝えしていきます。
先ほどもお伝えした通り、ASDの特徴は「限定された興味」です。
・自分の好きな話題や活動ばかり繰り返す
・興味範囲が狭く、特定の物事に強い関心を示し、高い能力を発揮できる
等々の特徴が挙げられます
ただ、これって裏を返せば、自分の好きな仕事であればいくらでも集中して作業を続けられるということです。
特定の物事だけに強い関心を示し、それだけを探求し続けることは決してネガティブな話ではありません。むしろポジティブな強みに変わります。
自分の好きな仕事を誰にも邪魔されず、コミュニケーションを取る必要もない仕事であれば、ASD気質の人にとっては最強です。
また別の本をご紹介しますが、「発達障害は最強の武器である」という本に、素晴らしい提案があります。
「マイクロソフトをはじめWeb、IT業界には発達障害を抱える人の割合が高いと私は感じている」
「プログラミングをガンガンやる企業なら、過集中できる人に向いている」
と、発達障害の人が輝ける場所こそが、IT/Web業界だと書かれています。
著者の成毛さんもおっしゃっている通り、発達障害は一見ネガティブに見える面もありますが、特定のことに過集中できる強みを持っている人なのです。
しかし、いわゆる、JTC(=Japanese Traditional Company)などの大手日系企業は、社員にジェネラリストになるよう求めてきます。
(僕は、JTCのこの考えが本当にクソだと思います。)
一方でIT/Web業界では、コミュニケーション能力はハッキリ言って必要ないです。他人への干渉は皆無です。個人を重視し、自分の仕事だけを全うする文化です。
実際、僕もWeb業界に入社した当初は、誰とも話さないで仕事ができることに大変驚きました。
隣に同僚がいても、会話は全てチャットツールで完結します。話しかけると、「集中力が途切れる」と言って逆に怒られる時もあります(笑)
そして、僕自身はWeb業界に転職してからというものの、ひたすらPCに向かって広告の運用をポチポチやっているのですが、不思議にもこういう作業は何時間でも続けることができます。ストレスも綺麗さっぱり消えました。
まさに、自分の好きな仕事に過集中できる環境と仕事がIT/Web業界には整っているのです。
これは成毛さんだけではなく、脱力系ニートとして有名なphaさんも、自著「持たない幸福論」において同じことを仰っておられます。
「人と話すのは苦手だけど黙々とパソコンに向かい続けるのは好きだという人は結構いる。
プログラミングやコーディングなどのIT系のスキルは独学でも勉強できるし、ひたすらコツコツと作業する職人的な仕事なので、ちょっと変人でも技術があればそれなりに働ける。
〜中略〜
人によって向き不向きはあるけど、ニートがプログラミングなどのIT系スキルを身につけるのは結構おすすめだ。」
僕もこれは感じているところでして、いわゆる「一般的な日本企業に向いていないASDの人間」であっても、プログラミングやコーディング、広告運用などのIT/WEB系の黙々とした作業に向いている可能性が大いにあると思うのです。
事実、僕も普通の日本企業に勤めるのは無理でしたが、Web/IT業界に転職してWebマーケティングの仕事に就いてからはストレスなく働けております。
ですので、「今の会社に向いていない!」と思われる方はこういった職人的なスキルを身につけて、Web/IT系の会社に転職するのは大アリだと思うんです。
ということで、マルチタスクや人間関係が重視される環境とサヨナラしたいと思う方、自分は高学歴発達障害かもしれないと悩んでいる方、日本社会が苦しいという人は、イマドキのIT/Web業界に転職してみることを心の底からオススメします。
Web業界へ転職して僕の人生が変わった話について詳しくは、僕のブログに詳しく書いていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
ではでは