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【小説編】蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録・小説編です。
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#人間

【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

【チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク】ロボット悪ざんまい

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜ロボット・ピカレスク〜本作を一言で言うならば、制御回路が作動しないロボットが次々と悪事に手を染める話である。

舞台は、ロボットが当たり前のようにいる近未来。家事から製造、医療まであらゆる分野でロボットが使役されている。人間の安全を守るために全てのロボットには「アシモフ回路」(詳しくは「われはロボット」の「ロボット三原則」を参照のこと)が組み込まれているが

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【われはロボット】ロボットは哲学だ

【われはロボット】ロボットは哲学だ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜ロボットSFの名作〜本作は「ロボットSFの古典的名作」と呼ばれており、ロボットを語る上でよく見かける「ロボット三原則」(①人間に危害を与えてはならない②人間に与えられた命令に服従しなければならない③ ①②に反しない限り自己を守らなければならない)を示した作品である。

このロボット三原則は実際のロボット工学の現場でも用いられる概念であり、SF界だけでなく現

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【殺人出産】非日常の日常を描く短編集

【殺人出産】非日常の日常を描く短編集

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜村田沙耶香さんの描く非日常・4編〜「地球星人」「コンビニ人間」など、奇抜な作品が印象的な村田沙耶香さんの短編集。

「地球星人」と「コンビニ人間」が、現代の日常に潜む闇を描いた作品だとすれば、この短編集はややSF的な要素があり、非日常の日常が描かれた作品集、と言える。

では、それぞれの話ごとに感想を書きます。

〜殺人出産〜表題作であるこの話は、「10人産ん

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