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1-2 教養科目の思い出とその過去の変遷その1

前回は

 今でも夢で大学時代に戻っていて、教養科目を落として落胆していることがあります。そんないやな思い出として刷り込まれている教養科目ですが、今はだいぶん様変わりしているようです。ここでは教養科目の過去の変遷について述べさせていただきます。

 実は自分の在学した東京学芸大学では教養科目を全学の教員が担当するシステムだったので、専門の教員がそのスタイルのままで教える科目が多くありました。かなり難しい科目も多く、興味がある科目はいいのですが、理系科目では実習も多く、苦労して単位を取りました。まあ、今考えるとかなり高レベルの講義を受けられたのはよかったのかもしれません。他の大学では教養科目では特に大教室での授業が多いと聞いて、少人数が多かった講義は教養科目としては恵まれた環境だったみたいです。
 そもそも他の大学の多くには教養部と云うものが長年存在して、専門科目とは分離されていました。
 教養科目の変遷を述べるのに欠かせない、過去に存在した教養部について以前調べたものを書かせていただきます。
 現在、国立大学で教養部を持つのは東京医科歯科大学のみとなっていますが、過去には多くの大学に教養部が置かれていました。これは、平成3年の大学設置基準の大綱化まで、大学卒業には一定の一般教養科目の履修が必要だったのに対応するために置かれたものです。
 主に大学1・2年生の教育のみを担当し、大学3・4年生の専門学部への橋渡しを行なう部局でした。教養といえば聞こえがいいですが、実際は学生にとっては高校教育の延長のように感じられ、教員にとっても専門学部の教員と差別されたことが大学内での格差を生み、そのような矛盾が鬱積して学生運動につながったとも言われています。
 その始まりは、新制大学の創立時でした。 
 旧制高校のような教養を担当する部門として置かれ、名称はさまざまでしたが、国立大学のほとんどに置かれることになりました。大別すると、旧制高校や大学予科を母体として教養部や分校としておかれたもの、旧制高校を母体として文理学部が置かれ、そこが教養も担当したもの、師範学校を母体として学芸学部が置かれ、そこが教養も担当したもの、全学で教養を担当したものの4つにわかれます。
 
 次回はもっと深堀していきます。




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たこま
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